概 要
胃中の食滞により出現。
暴飲暴食・飲食の不摂生・就寝前の飲食などにより胃内に食滞を形成し、不消化物による濁気が心神を上擾するために不眠が生じる病態です。
ヨガで、寝る前に胃中の残漬を吐きもどすように指示しているのは、このためです。
【主な症状】
・なかなか寝つけず、眠っても夢をよくみてすぐ目覚める
・腹満
・げっぷ
・腹痛
・舌苔が厚い
・脈に力がある
治 療
消食和胃…食滞を除き胃気を正常化します。
使用漢方薬
次の漢方薬が、不眠症に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:平胃散
処方名:胃苓湯
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食 養
不眠を解消するには、日頃の食生活もポイントとなります。
春菊やセロリ、セリなどの苦みがある香り野菜は、興奮を抑えて精神を安定させる働きがあります。
青じそを3枚ほどカップに入れてお湯を注ぎ、香りが出たら飲む「青じそ茶」やミントティも効果的です。
また、ミカンやオレンジなどの柑橘類もストレスを和らげ、リフレッシュさせる効果があります。
ミルクやヨーグルトなどの乳製品も鎮静効果があるので、眠れない夜はホットミルクでカルシウムの補給をしましよう。
ツ ボ
不眠に効くツボと足浴
「頭寒足熱」の言葉どおり、足を温めると眠りに入りやすくなります。
寝る前に足浴や不眠に効くツボを押して、リラックスしましよう。足の裏には、ツボが集中しているので、下記の「失眠」を中心に、全体をもみほぐすようにします。
失眠(しつみん)
足の裏のかかとの中央にあるツボ。神経を休めて内分泌の働きを整える効果があります。
養 生
不眠症は、精神心理的素因や生活環境と関係の深い疾患です。その治療は完全に薬に頼っては難しい場合もあります。したがって精神面のコントロールや生活環境改善のための養生が大切です。
1.ストレスや暴怒など激しい感情変化を避ける。気功や呼吸の調節法は、精神活動の安定に有効です。
2.就寝前に煙、酒、濃い茶、濃いコーヒーなどの飲み物は禁止します。
3.食事、特に夜食は控え目に、また辛い食物など興奮性の飲食物は避けます。
4.適度の運動(例えば、散歩、太極拳、気功など)は睡眠によいですが、寝る前の激しい運動はよくないです。
5.寝室の室温や明るさなどの調節も重要です。