概 要
虚弱によるおびえの病態。
慢性病や過労、ストレスで気を消耗したタイプ。
【虚証】
先天的虚弱・過労・高度の精神的ストレス・慢性病などのために虚弱で心神が不安なものが、驚いたり恐怖にさらされ、胆気が虚してさらに驚きやすくなり,心神不安が甚だしくなった病態です。
【主な症状】
・恐くてひとりで眠ることができず
・ビクビクして驚きやすく
・すぐに目が覚めておびえ
・元気がない
・動悸
・落ち着かない
・脈に力がない
治 療
益気定驚・安神・補腎健脾…元気や機能を高めて驚かないようにし、心神を安定させます。腎と脾の機能を高めて気を養います。
心のバランスの崩れに漢方薬を利用しましょう。気温の変化するこの状況に、『刺五加(シベリア人参)』が身体をバックアップしてくれます。刺五加(シベリア人参)は環境ストレスがかかった時に飲むと良いお茶だからです。2001年3月の中医臨床に『益気健脾・補腎安神』の働きがあると書かれています。心のバランスの崩れのみならず、身体がついていけずフラストレーションをおこしやすい方にも良いです。
使用漢方薬
次の漢方薬が、不眠症に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:刺五加(シベリア人参)
食 養
不眠を解消するには、日頃の食生活もポイントとなります。
春菊やセロリ、セリなどの苦みがある香り野菜は、興奮を抑えて精神を安定させる働きがあります。
青じそを3枚ほどカップに入れてお湯を注ぎ、香りが出たら飲む「青じそ茶」やミントティも効果的です。
また、ミカンやオレンジなどの柑橘類もストレスを和らげ、リフレッシュさせる効果があります。
ミルクやヨーグルトなどの乳製品も鎮静効果があるので、眠れない夜はホットミルクでカルシウムの補給をしましよう。
ツ ボ
不眠に効くツボと足浴
「頭寒足熱」の言葉どおり、足を温めると眠りに入りやすくなります。
寝る前に足浴や不眠に効くツボを押して、リラックスしましよう。足の裏には、ツボが集中しているので、下記の「失眠」を中心に、全体をもみほぐすようにします。
失眠(しつみん)
足の裏のかかとの中央にあるツボ。神経を休めて内分泌の働きを整える効果があります。
養 生
不眠症は、精神心理的素因や生活環境と関係の深い疾患です。その治療は完全に薬に頼っては難しい場合もあります。したがって精神面のコントロールや生活環境改善のための養生が大切です。
1.ストレスや暴怒など激しい感情変化を避ける。気功や呼吸の調節法は、精神活動の安定に有効です。
2.就寝前に煙、酒、濃い茶、濃いコーヒーなどの飲み物は禁止します。
3.食事、特に夜食は控え目に、また辛い食物など興奮性の飲食物は避けます。
4.適度の運動(例えば、散歩、太極拳、気功など)は睡眠によいですが、寝る前の激しい運動はよくないです。
5.寝室の室温や明るさなどの調節も重要です。