肺炎は日本人に多い死亡原因の一つです。罹患者(りかんしゃ)の多くは高齢者で、その原因には「誤嚥」が深く関係していると言われます。
命にも関わる「誤嚥性肺炎」を防ぐためには、日頃の予防ケアがとても大切ですね!。
体質を整えて免疫力を高め、飲み込む力をしっかり養うよう心がけましょう。
人間は通常、誤って飲食物や唾液を気管内に入れてしまう(誤嚥)と、せき込んだり、むせたりして異物を外に押し出そうとします。
これを顕性誤嚥といい、誤嚥性肺炎にならないための防御機構だと考えられています。
ところが、異物が気管内に侵入しても、むせることがない場合があります。これを表からわからない、つまり顕在化しないという意味から、不顕性誤嚥と呼びます。
不顕性誤嚥は、異物が気管に侵入したとしても、その感覚があまりなかったり、せき込む力が弱かったりしたときに起こるもので、嚥下障害の進行した状態と言えます。
不顕性誤嚥は症状が見られないため、いつも一緒に生活している家族でさえ見逃してしまい、重篤化してしまう怖い状態です。
よって誤嚥性肺炎を予防するためには、この不顕性誤嚥をいかにして早期に発見できるかが鍵となります。
これには専門機関での検査が必須となります。
では、不顕性誤嚥があると診断された場合、またそうかもしれない場合、家庭でできることは何でしょうか?
一つ目の大切なのことは、口腔ケアです。口腔内には善玉菌も多いですが、歯周病を発症する悪玉菌もまた非常に多く生息しています。
これらの悪玉菌(歯周病菌群)は肺炎の原因菌となります。よって、これらの菌をコントロールすることが、誤嚥性肺炎を予防する重要なことなのです。
よく、口腔ケアというと、ただ歯磨きをすることだという認識がありますが、舌には舌苔(ぜったい)という歯垢と同じ細菌の塊が付着しています。
また、頬粘膜や義歯にも同じように歯周病菌群は住みついています。よって、歯や舌、頬などの粘膜、義歯をきれいにすることを総称して口腔ケアと呼ぶのです。