花粉が身体に入り込むと、まず呼吸によって外界とつながる「肺」の不調が起こりやすくなりますね。

肺は「鼻」の状態と深く関わっているため、花粉症になると多量の鼻水などに悩まされることになりますよ!。

ただし、同じ鼻水でもタイプによって対処方法は異なります。適切な対応で症状を緩和させましょうね!。


概 要

処方の運用

1.標治法(発作時)

寒熱、虚実、表裏の弁別が大切ですね!。

1)風寒証

元来、肺に寒飲があって風寒の邪に誘発されて、鼻汁、鼻閉が生じるタイプですね!。
無色で薄い大量の鼻汁、鼻閉、クシャミの連発がある典型的な鼻アレルギー発作はこの型のものです。舌質は淡紅で舌苔は白で湿っています。
表証を伴うものと、表証の顕著でないものとがありますね。表証を伴う方は脉は浮で、発熱悪寒に頭痛を伴うこともあります。虚実があり、実証の方は脉は浮緊で無汗、虚証の方は脉が浮緩で微自汗を伴いますね!。
表証の無い方は裏寒の症候だけが顕著で裏証のため脉は沈あるいは寒飲のため弦脈を現わしますよ!。


治 療

小青竜湯(麻黄、桂枝、芍薬、五味子、細辛、乾姜、甘草 各3.0、半夏6.0)、本方はアレルギー性鼻炎治療の代表的な方剤ですよ!。
太陽傷寒を治す麻黄湯の加減方で、表寒実証用の方剤です。
麻黄は解表発汗作用があり、桂枝は解肌発表作用があります。麻黄と桂枝を供用すると寒邪を散じ表証を除きますね!。
桂枝と芍薬で営衛を調和させます。甘草で諸薬を調和しますね!。
五味子、細辛、乾姜、半夏で肺を温め疫飲を除きます。
病態は外寒兼内飲証。即ち傷寒に属し同時に疫飲を兼ねるものです。
従って症状は、
①傷寒の要素=発熱悪寒し、無汗。
②上焦(肺)庚飲の要素=鼻水、クシャミ、鼻閉、咳、薄いタン、時に流涙(支飲)。
痰飲は中焦(脾腎)にあれば嘔気(水飲上逆〕や下痢、下焦(腎、勝胱)にあれば小便不利や浮腫となる。
従って脉証は浮緊(傷寒)或は弦(寒飲)。舌は淡紅湿舌白滑苔(表寒裏水)。腹証に反映される時は「心下有水気」即ち心下店、胃内停水或は動悸、浮腫などが見られる。
葛根湯加川弓辛夷(葛根4.0、麻黄、大喪各3.0、桂枝、持薬、甘草、川芦、辛夷各2.O、JP生姜1.O)
太陽傷寒で若干津液が不足したため項背部の筋肉の強ばりと鼻閉を生じたものである。
麻黄と桂枝、桂枝と持薬の組み合わせば小青竜湯と同じで発汗解肌により表寒証を治し、営衛を調和させる。川苛は辛温升浮、排膿作用と頭痛緩解作用及び薬効を上に向ける作用があり、辛夷は辛温軽浮「鼻渕鼻塞ヲ治ス」(本草備要)とあり、鼻汁、鼻閉の緩解作用が強い。
従って本方は傷寒(表寒実証)に鼻閉、鼻汁を伴う者を治す。且永浮緊(傷寒)、無汗、項背強痛、舌は淡紅薄苔がある。臨床的には傷寒で鼻汁の強い者は小青竜湯、鼻閉の強い者には本方がよく用いられる。
桂枝湯合防己黄書湯(桂枝湯=桂枝、持薬、大喪各4.0、甘草2.0、JP生姜1.O、防己黄誉湯=防己、黄替各5.O、白市、大轟各3,0、甘草1.5、JP生姜1.O) 桂枝湯は太陽中風(表寒虚証)を主治する基本処方で、風邪により営衛不和となった者を治す。"衛"は体表を防衛する陽気で、皮膚を温養し、毛孔を開閉して寒温を調節し、外邪に対し抵抗防衛する働きをしている。
"営"とは汗液の物質的基礎で発汗させる働きは営に在る。営衛が不和であると自汗盗汗が出る。
従って桂枝湯証では発熱、悪風、自注、豚浮緩で、舌証と腹証は正常である。
防己黄書湯は気虚があって風水証を伴う者を治す。
黄言は表を固め肺気を益し、膜理(皮膚と筋肉の交る部分)を実す。汗ある者は止め汗無きは能く発す(本草備要)。
防己は膜理を通じ九窮を利し、風水を療す要薬である。
桂枝湯と防己黄書湯を合方すると、風邪によって誘発された表寒虚証(悪風自汗)に鼻汁や薄いタンを伴う者を治す。(益気固表の玉屏風散に近い。)
アレルゲンと接触して鼻汁を発すると共に発汗する者は小青竜湯では駄目で、本方を与えるべきである。
香蘇散(香附子4`0、蘇葉、陳皮各2.0、甘草1.5、JP生姜1.O)
平素より気滞ある者が風寒の外邪に侵され、風寒表証と気滞の挟雑した症候を呈する時。
従って発熱・悪寒・頭痛、無汗の表証と、気滞による胸苦しさ、腹満と共に鼻閉を伴う。豚は浮、舌には薄苔を見る。
蘇葉は本方の君薬で表に在る風寒の邪を発汗解肌して解すと共に気の流れを流暢にし、一味で解表と理気の働きを兼ねる。
香附子は理気薬の総司で縣葉を助ける。臣薬である。
陳皮は能く散じ能く出す。理気の働きを増強させる。佐薬である。
甘草は和胃健脾、補気の働きを有す。使薬である。
麻黄附子細辛湯(麻黄4.0、細辛3.0、附子1.0)
腎陽虚のため裏寒があって外邪に対する防衛力のない虚弱者や老人が風寒の邪に侵されると、表裏両感証を呈する。
本方証では若干の表証(太陽病)と裏寒証(少陰病)とが共に在る。従って詠沈弱、無汗、四肢の冷えがある。
麻黄は発汗解肌、怯風散寒利水の作用がある。
附}は温経散寒、裏に在る冷湿を遂う。
細辛は表裏を通じ、少陰の寒邪を散ずると共に、温肺化疾をはかる。
本方は全体として温表利水の作用があるので、臨床的には元気が乏冷え症で寒冷により鼻汁、鼻閉が増強する血管運動性鼻炎に用いてよ奏する。
苓甘姜昧辛夏仁湯(茯苓、半夏、杏仁各4.O、五味子3.O、細辛、乾姜、甘草 各2.0)
本方は表証はなく寒疾による咳漱、多疾に対する処方で、小青竜湯:麻黄、桂枝、持薬を去り、茨苓、杏仁を加えた処方と考えられる。従解表の効能はないが怯疫利水の効果は増強されている。麻黄を含まないで胃腸障害は起こしにくい。
細辛は肺気を温めて水飲を除く。
五味子は肺気を収徹する。五味子と細辛を組み合わせると水飲のあが寒邪を受けて起こる鼻汁、鼻閉、喘咳を治す。
荏苓は健脾利湿の働きがあり、胃内停水や肺水腫を治す。
半夏は除疲降逆の働きがある。荏苓と半夏を配合すると痰を除去し嘔を止める。
杏仁は怯痩、胸間の停水を去る。
乾姜は温肺化疲、補陽散寒、冷えを除き疫飲を去る。
臨床的には冷え症でうすい多量の疲、くしゃみ、鼻水を伴う鼻炎や喘息等を治す。月水は弦、舌は湿潤して白滑苔がある。


使用漢方薬

次の漢方薬が、花粉症・発作期(対症療法)・肺寒(表寒)に対してよく効く可能性が高いです。

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処方名:小青竜湯

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処方名:葛根湯加川芎辛夷

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暮しの養生

●早起きをして、しっかり深呼吸しましょうね!。肺の働きを強くしますよ!。

●食事は新鮮な野菜をたっぷり摂りましょうね。辛い、甘い、油っこいもの、乳製品などは控えめにしましょう。

●質の良い睡眠を摂りましょうね!。夕方以降はなるべくカフェインを控えましょう。

●外出時はマスクやメガネ、帽子で花粉をガードしましょう。マスクは内側を湿らせると保湿効果もありますよ!。

●帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を実行しましょうね。余裕があればシャワーを浴びるのがおすすめですよ!。

●洗濯物は室内干しにしましょうね!。窓は長時間開けず、掃除はこまめにして花粉を入れない工夫をしましょうよ!。


備 考

花粉を吸い込まない防御策と免疫カをアップする食生活で予防

花粉症予防のポイントは、まずアレルゲンとなる花粉を吸い込まないこと。 できるだけ花粉と接触しないことが症状の緩和になります。まだ花粉症にかかっていない人も、花粉許容量を超えると発症する可能性がありますから、外出時には天気予報の花粉飛散量をチェックして、マスクをするなどの防御策をとるようにしましよう。

帰宅時にはうがいや手洗いを習慣にし、体に付着した花粉を取り除きます。 洋服にも花粉がついているので、コートにブラシをかける、こまめに洗濯するなどの工夫を。洗濯物や布団も室内に干すか、乾燥機を使用するのがおすすめです。外に干す場合は、花粉飛散量の少ない日を選ぶようにしましよう。

花粉症などのアレルギー体質を改善するには、毎日の食生活も重要なポイ ントです。食生活が不規則だったり、栄養バランスが崩れたりすると、免疫機能が低下する結果になり、それがアレルギーになりやすい体質を作る原因の一つになります。単品食ではなく、いろいろな食材をバランスよく摂取することがベストですが、特に体の防衛力を高めて抵抗力を強化するビタミンやミネラルが不足しないように心がけることが大切です。

また良質のタンパク質をとることも大切ですが、肉類は胃腸に負担をかけ やすく、熱がこもりやすいので、魚中心のメニューに。特にサバやアジなどの青魚には、血液をサラサラにするEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれ、アレルギーの症状を出にくくする働きがあります。バランスのとれた食事で免疫力をアップし、花粉症に強い体質作りを心がけましょう。