治 療
小柴胡湯(柴胡7.O、半夏5.O、黄苓、人参、大喪各3.O、甘草2.0、JP生姜1.0)
小柴胡湯加桔梗石膏1小柴胡湯に石膏10.0、桔梗3.0を加味)
アレルギー性鼻炎のうち風寒証の寛解期は少陽病、風熱証は温病気分証肺熱型を呈す者が多い。従って土記2処方のいずれかを用いる。
柴胡桂枝湯1柴胡5.0、半夏4.0、黄苓、桂枝、持薬、人参、大裏、甘草各2.0、JP生姜1.0)
桂枝湯と小柴胡湯の合方で、太陽病と少陽病の併病を治す。表寒虚証が残存している者に用いる。
柴胡桂枝乾姜湯(柴胡6.O、黄苓、桂枝、括菖根、牡蛎各3.O、甘草、乾姜各2、0)
少陽病と太陽病、太陰病が併存している者を治す。胃腸虚弱で手足や背中が冷え、発熱、悪寒、鼻汁等の表証を伴っている者に用いる。
補中益気湯(黄書、人参、白〕lt各4.O、当帰3.O、陳皮、大喪各2.0、柴胡、升麻各1.O、乾委O.5)
黄舌と人参が主薬で脾虚と肺虚を同時に補う。脾胃(中)を補い元気を益すことにより、体力を増し、抵抗力をつけ、アレルギー反応や感冒症状を起こりにくくさせる。
六君子湯(人参、白市、荏苓、半夏各4.O、陳皮、大裏各2.O、甘草、JP生姜各1.0)
脾虚により疾飲を生じている者を治す。湊飲を去れば流涕(水様鼻汁)は起こりにくくなる。
黄書建中湯(持薬6.O、黄書、桂枝、大策各4.O、甘2.O、JP生姜1.O、膠飴20.O〕
気血共に不足し、体質虚弱で風寒の邪に侵され易い者を強化する。黄舌は皮膚と肺を補う。
人参湯(人参、白化、甘草、乾姜各3.0)
脾陽虚があり、内に寒があって風寒の邪に侵され易い体質虚弱な人に用いる。
使用漢方薬
次の漢方薬が、アレルギー性鼻炎・寛解期(根本療法)・肺脾両虚証に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:補中益気湯
元気がない、胃下垂、立ちくらみなどを呈する方
処方名:苓甘姜味辛夏仁湯
白色でうすい多量の痰、咳嗽、喘鳴がある方
処方名:六君子湯
胃の弱い方に、体質改善の目的で用いる
備 考
花粉を吸い込まない防御策と免疫カをアップする食生活で予防
花粉症予防のポイントは、まずアレルゲンとなる花粉を吸い込まないこと。
できるだけ花粉と接触しないことが症状の緩和になります。まだ花粉症にかかっていない人も、花粉許容量を超えると発症する可能性がありますから、外出時には天気予報の花粉飛散量をチェックして、マスクをするなどの防御策をとるようにしましよう。
帰宅時にはうがいや手洗いを習慣にし、体に付着した花粉を取り除きます。
洋服にも花粉がついているので、コートにブラシをかける、こまめに洗濯するなどの工夫を。洗濯物や布団も室内に干すか、乾燥機を使用するのがおすすめです。外に干す場合は、花粉飛散量の少ない日を選ぶようにしましよう。
花粉症などのアレルギー体質を改善するには、毎日の食生活も重要なポイ
ントです。食生活が不規則だったり、栄養バランスが崩れたりすると、免疫機能が低下する結果になり、それがアレルギーになりやすい体質を作る原因の一つになります。単品食ではなく、いろいろな食材をバランスよく摂取することがベストですが、特に体の防衛力を高めて抵抗力を強化するビタミンやミネラルが不足しないように心がけることが大切です。
また良質のタンパク質をとることも大切ですが、肉類は胃腸に負担をかけ
やすく、熱がこもりやすいので、魚中心のメニューに。特にサバやアジなどの青魚には、血液をサラサラにするEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれ、アレルギーの症状を出にくくする働きがあります。バランスのとれた食事で免疫力をアップし、花粉症に強い体質作りを心がけましょう。


