「高血圧」は日本人にとても多い症状です。高血圧そのものはすぐには問題になりませんが、病気を引き起こす可能性が高い、いわば「未病」の状態です。

ほうっておくと動脈硬化や心筋梗塞など、深刻な病気に発展する恐れもあるので、未病を治す漢方の知恵を活かし、体質改善を心がけましょう。


概 要

血圧の分類

動脈の最高血圧が140以上、最低血圧が90以上ある状態を高血圧と呼びます。
はじめは自覚症状がありませんが、末期になると脳卒中や心不全、腎不全などの合併症を引き起こすこの病気です。中成薬と、食生活に気を配ることが治療の第一歩です。

次の特徴的な症状で判定し、あなたの証(症状・体質)を判定し、その頁をリンクしてください。
1.肝気鬱結証 »
生活上の圧力性の高血圧症に相当する。

●特徴的な症状
□気鬱(うつ)症
□情緒不安定
□血圧が動揺しやすい
□胸の煩悶感
□季肋部や上腹部の膨満感
□ため息が多い
□舌苔;薄白
□脈;弦

2.肝陽上亢証 »
体力が充実し,のぼせや興奮しやすいものに多い。

●特徴的な症状
□頭痛
□肩こり
□めまい
□耳鳴り
□顔面紅潮
□眼球充血
□口が苦い
□不眠
□舌質;舌辺縁が赤
□舌苔;黄
□脈;弦数

3.痰湿証 »
水分の過量摂取や太った人に多い。

●特徴的な症状
□身体が重い
□下腿浮腫
□めまい
□運動不足
□腹部膨満
□頭重感
□舌苔;白風
□脈;滑

4.瘀血証 »
虚血性心臓病や脳卒中,動脈硬化などを合併するもの。

●特徴的な症状
□舌質;暗紅
□舌体;癌斑がある
□舌下静脈;青紫色または怒張
□脈;渋

5.肝腎陰虚・肝陽偏亢証 »
老人や自律神経失調症を伴うものに多い。

●特徴的な症状
□めまい
□頭の脹るような痛み
□耳鳴り
□手足のほてり
□不眠
□口の乾燥
□頬の紅潮
□寝汗
□舌質;赤くやや乾燥
□脈;弦数または細数

6.腎陽虚証 »
冷えのつよいものに多い。

●特徴的な症状
□寒がりと四肢の冷え
□脱力感
□自然に汗が出る
□腰や背中の痛み
□腰や下肢の脱力
□耳鳴り
□難聴
□軟便
□尿がうすく量が多い
□舌質;淡
□舌苔;白潤
□脈;細弱または沈弱


高血圧の要因

治 療

高血圧の要因は、生活上のプレッシャーや食生活

「血圧」とは、血管の内壁にかかる圧力のこと。この圧力は、心臓が血液を送り出すとき(心臓の収縮期)にいちばん大きくなり、これを「最大血圧」といいます。反対に、心臓が血液を受け入れるとき(拡張期)にかかる圧力はいちばん小さく、これを「最小血圧」といいます。最大血圧と最小血圧は、どちらが高くても高血圧。最大血圧が140mmHg最小血圧が90mmHg以上の場合に、高血圧と診断されます。

高血圧には、腎臓疾患やホルモン異常など原因がはっきりしている「二次性」と、明確な原因がなく、自覚症状も比較的少ない「本態性」の2種類がありますが、約9割の人が後者の「本態性」に該当します。

中医弁証学では、高血圧の原因の多くは精神的な影響(生活上のプレッシャーなど)血行障害(血管の硬化、血液の粘調度など)そして、慢性化することに従って臓脇機能の低下も高血圧の原因になると考えられています。

生活上のプレッシャーや喫煙、肥満、運動不足、塩分やコレステロールの高い食生活など、生活習慣が大きな要因となる高血圧。特に、食事の改善は高血圧の予防、改善に欠かせません。まずは毎日の生活をしっかりと見直し、高血圧になりにくい体質づくりを目指してください。
高血圧の要因は、生活上のプレッシャーや食生活
「血圧」とは、血管の内壁にかかる圧力のことです。この圧力は、心臓が血液を送り出すとき(心臓の収縮期)にいちばん大きくなり、これを「最大血圧」といいます。反対に、心臓が血液を受け入れるとき(拡張期)にかかる圧力はいちばん小さく、これを「最小血圧」といいます。最大血圧と最小血圧は、どちらが高くても高血圧。最大血圧が140mmHg、最小血圧が90mmHg以上の場合に、高血圧と診断されます。

高血圧には、腎臓疾患やホルモン異常など原因がはっきりしている「二次性」と、明確な原因がなく、自覚症状も比較的少ない「本態性」の2種類がありますが、約9割の人が後者の「本態性」に該当します。

中医弁証学では、高血圧の原因の多くは精神的な影響(生活上のプレッシャーなど)血行障害(血管の硬化、血液の粘調度など)そして、慢性化することに従って臓腑機能の低下も高血圧の原因になると考えられています。

生活上のプレッシャーや喫煙、肥満、運動不足、塩分やコレステロールの高い食生活など、生活習慣が大きな要因となる高血圧です。特に、食事の改善は高血圧の予防、改善に欠かせません。まずは毎日の生活をしっかりと見直し、高血圧になりにくい体質づくりを目指してください。

漢方薬の降圧作用は西洋薬ほど強力で確実ではないが、頭痛やのぼせ感などの高血圧の随伴症状の改善にすぐれている。そのため漢方薬治療の対象となる高血圧症としては、心身症の要素がつよいもの、更年期障害を伴うもの、軽症高血圧症、動揺性の高血圧症などです。



備 考

生活習慣の改善

毎日の意識と工夫で、生活習慣の改善を

上がった血圧を薬で一時的に下げることはできますが、それでは根本的な高血圧の改善にはつながりません。まずは高血圧を予防・改善するよう、生活習慣を変えていくことが大切です。
毎日の食事では、塩分はなるべく控え、薄味を心がけましょう。焼き魚や和え物にも酢の酸味を上手に使ってみてください。
また、加工食品はあまり使わず、新鮮な食材をとるようにしましよう。毎日のお酒も控え目(1日1合程度)に。
ラジオ体操やウォーキング、太極拳といった有酸素運動も効果的です。お風呂は「ぬるめのお湯に10分程度」を目安にしてください。またお風呂での事故も多いので、風呂場と脱衣所の温度差には注意しましょう。
そのほか、生活上のプレッシャー解消のために趣味を持つ、安定した睡眠をとる、食物繊維の多い野菜やヨーグルトなどを食べて排便を良くする、など無理なく実践できる養生法はたくさんあります。毎日の生活から高血圧を予防・改善するよう、ちょっとした意識と工夫を心がけてみてください。