免疫力を強化することで、感染症対策を講じましょうね!ウイルスに負けるな!


概 要

風邪やインフルエンザが気になる季節ですね。加えて、今年は新型コロナウイルスの流行も心配ですね!。

こうした感染症は、免疫力を上げることで予防や重症化の防止につながりますよ!。

秋冬を元気に過ごすためにも、日頃の体質改善で免疫カアップをめざしましょう。


主症状

「免疫力」ってどういうことなの?

免疫は細菌やウイルスから身体を守る防御システムで、自然免疫と獲得免疫に分けられます。

自然免疫は、体内に侵入した病原体に最初に対抗する仕組み。

免疫細胞一マクロファージやナチュラルキラー細胞など一が病原体を攻撃し、身体を病気から守ります。

一方、感染した病原体を記憶し、もう一度同じ病原体が侵入した際に効果的に封じ込める仕組みが獲得免疫です。

免疫力のほかにも、身体を守る仕組みはいろいろあります。例えば、咳やくしゃみで異物や病原体を排除したり、鼻水で気道の粘膜を病原体から守ったり。

また、気道から入った病原体は胃液によって殺菌され、皮膚の常在菌にも感染を防ぐ働きがあります。


治則説明

全世界で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威をふるっています。

まだ治療薬は見つかっておらず、予防に役立つワクチンもないですね!。

しかし、【よくある病気】と軽視されがちな風邪にも、実は治療薬はありません。

症状を緩和する薬剤はあるものの、特効薬はいまだに存在しないのですね。それでも風邪は治ります。

治癒に導くのは、自身の体内にある、ウイルスや細菌を排除する免疫機能の働きですよ!。

未解明の部分が多いとはいえ、新型コロナウイルス感染症は、予防法がはっきりしています。

感染が起こりやすい状況もわかってきました。いま私たちに求められるのは、予防を徹底し、パニックに陥らず冷静に行動することですね!。

そして、感染しないため、あるいは、かかっても重症化させないため、自己の免疫機能を健全に保持することです。

そう遠くない将来、別の新型感染症はまた出現するでしょう。それは、人類のこれまでの歴史が物語っています。

自身が持つ身体の防御システムは、未知の感染症に対したとき頼りになります。

免疫力を高めることは、ありとあらゆる病気に対する備えとなるのですね!。



【免疫カ】の仕組みって何?

免疫カ

免疫力とは人間が持つ警察と軍隊の機能

免疫とは、身体に侵入した細菌やウイルスなどの病原体を攻撃したり、がん細胞の増殖を抑えて体を守る働きのことですよ!。

免疫の主役は白血球です。白血球の免疫細胞は、生まれつき備わっている「自然免疫」と、特定の病原体に感染することで後天的に得られる「獲得免疫」の2系統に分けられます。自然免疫を担うのは、NK(ナチュラルキラー)細胞やマクロファージなどで、獲得免疫を担うのはT細胞とB細胞です。

自然免疫は、つねに体内をパトロールしてトラブルを未然に防ぐ警察のような存在です。がん細胞は体内で1日に5,000個も発生しているという説がありますが、それでもなかなかがんを発症しないのは、NK細胞ががん細胞を殺しているからです。

一方、獲得免疫は軍隊のような存在です。ふだんは敵一病原体一の襲来に備え、いざ敵が体内に侵入すると、B細胞がミサイル攻撃のようにして敵を弱体化させますね!。

その後、地上軍のようなT細胞が残った敵を全滅させます。

免疫力は年齢やストレスに左右される

獲得免疫の力はとても安定していて、病気や精神状態に左右されることはありませんね!。

一方、自然免疫は獲得免疫と比べて不安定です。特にNK細胞は、年齢やストレスなどの影響を受けやすく、免疫力が大きく上下することが証明されています。また、自然免疫には個人差があり、20~30代の若年層でも、4人に1人くらいは低めの人がいますね!。

不安定なNK細胞ですが、生活習慣や食事を改善することによって活性化できます。もとから低めの25%に入っているとしても、免疫力を上げる生活を心がければ、底上げができます。免疫力を上げるためのワザは多彩です。できるところがら実行しましょう。

免疫細胞の説明

●B細胞…病原体に対する抗体をつくり出し、抗体はT細胞よりも先に攻撃を仕掛けます。

●T細胞…B細胞の攻撃に加勢し、病原体に対して猛攻撃を仕掛けます。

●マクロファージ…異物の侵入・発生をパトロールし、攻撃も担う大型の免疫細胞。自然免疫だけで撃退できない場合、獲得免疫に攻撃協力の指令を出します。

●NK細胞…異物の侵入・発生をパトロール。非常に殺傷能力が高く、ウイルスなどの病原体に対抗します。NK細胞は、体内で発生したがん細胞をも撃退します。

NK細胞活性化のカギ

腸管

腸管には免疫細胞の7割が集まっている

白血球のさまざまな免疫細胞のなかでも、生活習慣や食事などでその働きをコントロールしやすいのが、前項でも触れたNK細胞です。

「生まれつきの殺し屋(ナチュラルキラー)」と名づけられたNK細胞は約50年前、がん細胞と免疫の関係を研究するなかで発見されました。NK細胞は、がん細胞が体にとっての敵であることを記憶・学習しなくても、生まれもった能力でがん細胞を攻撃します。

がんだけでなく、ウイルスに対する免疫力は特に強く、人間にとって心強い味方です。

食事によって粘膜から細菌やウイルスなどの外敵が侵入しやすい腸管(小腸と大腸を合わせた部分)には、免疫細胞の約70%が集まっていて、NK細胞もたくさん存在しています。ですから、NK細胞に活力を与えて免疫力を上げるには、腸内環境を整える必要があります。

腸が正し<働けば病気にかかりにくくなる

腸内には、腸の消化・吸収を促進する善玉菌、腸の働きを鈍らせる悪玉菌、善玉菌と悪玉菌の優勢なほうに同調する日和見菌の3タイプの菌が生息しています。そして、そのバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が良いとされていますね!。

偏った食生活やストレス、自律神経の乱れなどによって悪玉菌が優勢になると、日和見菌も悪さを始めます。これを防ぐには、腸内環境を整える乳酸菌や食物繊維を積極的に摂り、善玉菌が優勢な状態を保つことが大切です。

免疫力を維持するためには、腸内環境のバランスを乱さない生活を送ること。腸の働きが正常だと病気にかかりにくくなります。

腸内環境を整えるため、機能性ヨーグルトは強い味方ですよ!

免疫力で様々な病気を改善・予防できる

免疫力

インフルに感染しても免疫力で発症させない

免疫は、健康を損なう原因物質から体を守る総合的な仕組みなので、免疫力を上げると、予防・改善につながる病気が数多くあります。

日本人の死因1位となっているがんを予防するには、NK細胞の活性化が大切です。前述したように、NK細胞は全身をパトロールして、がん細胞を見つけたら除去し、増殖を防ぎますね!。

免疫力が高ければ、インフルエンザに感染しても、発症しないことがあります。また、発症したとしても、戦った相手の特徴を記憶し、再発見したときは、B細胞がすぐに攻撃してくれます。

ノロウイルスやO-157などの感染症は、早い段階で病原体を弱体化させることが大切です。マクロファージやNK細胞などの自然免疫が活発に働くと、無症状や軽い症状で済みます。

マクロファージは大型の免疫細胞で、異物を発見すると、包み込んで処理します。アルツハイマー病(認知症)の原因物質であるアミロイドβも処理するため、免疫力を上げると、アルツハイマー病の発症を防いだり、進行を遅らせることが期待できます。

免疫力の状態はメンタルにも影響

胃潰瘍の多くは、ピロリ菌の感染が原因ですが、免疫細胞はピロリ菌を攻撃します。また、胃壁の炎症原因物質を取り込み、つらい痛みや吐き気などの症状を緩和します。

このほか、糖尿病などの生活習慣病、肺炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、慢性疲労症候群なども免疫力を上げると、予防や改善が期待できます。

近年、免疫とメンタルの関係が注目され、研究が進められています。たとえば、免疫力がアップすると、うつ病の予防にもつながりますね!。


備 考

中医学では「衛気(えき)』の充実が鍵

こうした免疫力や身体を守る働きを、中医学では「衛気(えき)」ととらえますよ!。

衛気は病気から身体を守るエネルギーで、体表(皮膚や鼻・のどの粘膜)に張り巡らされたバリアのような存在ですね!。

また、衛気には身体を温める作用があり、これが免疫カアップにもつながります。

このように、衛気が充実していれば身体の免疫力・抵抗力が強くなり、感染症にかかりにくい体質になりますよ!。

また、病気になっても回復しやすく、重症化の予防にもつながるのです。