漢方では「未病」ととらえます!
心血管障害の危険因子であるメタボ。


概 要

メタボリック・シンドロームとは、内臓脂肪が蓄積した肥満を背景に、いくつもの生活習慣病を併せ持っている状態のことを指し、別名「内臓脂肪症候群」とも言われますよ!。

メタボリックーシンドロームはどのようにして起こるのでしょうか? 最近の研究によると体の脂肪細胞からは、アディポサイトカインという生理活性物質が分泌されます。

このアディポサイトカインには善玉と悪玉の2種類があり、善玉アディポサイトカイン(アディポネクチン)は、動脈硬化を抑えたり、インスリンの働きを良くする働きをもっています。

かたや悪玉アディポサイトカインは、血糖値や血圧を上げたり、中性脂肪を増やしたり血栓をつくりやすくします。

内臓脂肪細胞が肥大するとこの悪玉アディポサイトカインの分泌が盛んになる一方、善玉アディポサイトカインの働きが弱くなってしまうのですね!。

その結果、高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病が引き起こされるというわけです。

メタボリックーシンドロームになると、10年後に狭心症や心筋梗塞、脳梗塞になる危険度が、正常な人に比べて36倍も高くなってしまうそうですよ!。


治 療

●食事(特に夕食)の量を腹八分目に
●間食はしない
●味付けは薄めに
●料理に砂糖をあまり使わない
●緑黄色野乗を毎日食べる
●生クリームやバターは控えめに
●運動習慣を身につける(毎日30分以上、少し汗をかくように歩こう)
●お酒は1日2合以下、週に2日間は休肝日を設けよう
●タバコはやめる
●ストレスを上手に発散する


治療原則

疏肝理気・解表通裏


治則説明

実熱の邪気が体表および体内に充満する病証を治療するもので、実証の肥満症に対する主方とも考えられていますよ!。

特に皮膚に熱がこもった発疹症状(にきび、湿疹、化膿しやすい皮膚病)に使用することが多いですね。

体温上昇による腸燥便秘、尿量減少にも用いられますよ!。


使用漢方薬

次の漢方薬が、メタボリックシンドローム・実証の太鼓腹肥満・に対してよく効く可能性が高いです。

医薬品個人輸入 説明表示をクリック(タップ)→説明表示 いらっしゃいませ

処方名:防風通聖散

防風通聖散 実熱の邪気が体表および体内に充満する病証を治療するもので、実証の肥満症に対する主方とも考えられていますよ!。

特に皮膚に熱がこもった発疹症状(にきび、湿疹、化膿しやすい皮膚病)に使用することが多いですね。

体温上昇による腸燥便秘、尿量減少にも用いられますよ!。
shopping ツムラ 防風通聖散 エキス顆粒(医療用)のお買物
規 格 税込価格 数 量 この商品を買う↓
42包(2週間分) 3,275円(税込)
数量
189包(63日分) 13,132円(税込)
数量


食 養

食養メタボリックシンドローム-実証の太鼓腹肥満-対応の方は、次の食材を積極的にお召し上がりください。

肉 果物 野菜 温野菜 魚

食物繊維が多い食物

玄米、そば、あわなどの雑穀類、昆布、わかめ、ひじき、海苔などの海藻類、しいたけ、えのきたけ、なめこ、マッシュルームなどのきのこ類、ごぼう、大根、たけのこ、かぶ、ニンジンなどの根菜類、小松菜、バナナ、山査子、ピーマン、パプリカ、こんにゃくなど

利尿効果が高い食物

緑豆、春雨、冬瓜、はと麦など

血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす食物

さんま、さば、いわし、あじなどの青魚類

老廃物を排泄

烏龍茶、プーアル茶、はと麦茶、杜仲茶、どくだみ茶など


暮しの養生

薬膳

運動と食養生で、内臓脂肪蓄積を改善!

内臓脂肪はどうして蓄積してしまうのでしょうか?。生活の悪習慣が、メタボリック・シンドロームの体質を作る根本の原因ですよ!。

主なものとしては、
①食の悪習慣
②運動不足
③ストレス
が考えられますね。

これらの原因によって、脂肪やコレステロール、余分な水分などが体内に蓄積し、新陳代謝が妨げられますよ!。

新陳代謝が滞ると、血液がドロドロになり、血栓などができやすくなってしまいます。

日頃の生活の注意点として、ストレスをうまく発散して暴飲暴食や、お酒を控えめに。タバコを止め、肉や脂っぽいもの、チョコレートや生クリームなど脂質と糖分の多いもの、果物、炭酸飲料の摂りすぎは禁物ですよ!。

さらにコレステロール値の高い方は、卵の黄身や魚卵などを控えましょう。

中医学では内臓脂肪の蓄積の原因は、主に気・血・水の巡りが悪くなったり、気虚によって消化機能が低下することと関係があると考えられていますね!。

食養生の対策としては、食物繊維の多い穀物やきのこ、根菜類、利尿効果の高いお茶や、EPAとDHAが豊富な青魚類をとることがおすすめです。

食事は食べ過ぎを抑えるようによく噛んで食べ、毎日運動するよう心がけて、身体に溜まった余分な水分や老廃物を積極的に排出することが大切ですよ!。


備 考

「メタボによるフレイル(高齢者虚弱)(心身の虚弱)リスク」について

肥満でフレイル(高齢者虚弱)に

つい食べ過ぎて体重が増えやすいです。運動不足が重なると肥満領域の体重に突入しますよ!。

BMI(体格指数=体重kg÷身長mの2乗)で「25」以上は肥満とされ、身長170センチの人なら体重73キロ以上に相当します。

太っていて身体ががっちりしていれば、痩せている人よりも体力がありそうなメージを持つ人もいるでしょう。

しかし、肥満の人もフレイル(高齢者虚弱)(心身の虚弱)に陥りやすく、健康寿命を縮め、要介護リスクを上げてしまいます。

痩せている人は体力が低下しやすいのですが、太っている人も、腰痛や膝痛などで身体活動能力が低下するとフレイル(高齢者虚弱)に陥りやすいのですよ!。

健康予防のギアチェンジ

肥満や糖尿病などを合併したメタボリックシンドロームの方は減量のために運動習慣と食事制限が欠かせません。

フレイル ところが、フレイル(高齢者虚弱)予防では体重を維持してタンパク質などを含め、食事をしっかりとることが求められます。

つまり、予防が相反しているのですね!。

肥満やメタボは痩せなければいけないのですが、フレイル(高齢者虚弱)は体重が減ってやせてしまうと悪化しますよ!。

フレイル(高齢者虚弱)予防のために食べ続けて運動不足のままでは、当然のことながら、肥満やメタボは解消しにくいです。

肥満&メタボとフレイル(高齢者虚弱)を同時に予防するのはとても難しいのですよ!。

肥満やメタボはフレイル(高齢者虚弱)リスクがあることを意識して、中年期の早い段階で改善・予防に努めましょう。

65歳未満と65~74歳のプレ高齢者の一部が肥満やメタボ対策をしっかり行う。

75歳以上はフレイル(高齢者虚弱)対策に切り替えることが重要です。

2型糖尿病治療薬で改善

そもそもメタボは、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を発症するリスクが、そうでない人と比べて約3倍といわれます。

フレイル(高齢者虚弱)は要介護のリスクを上げますが、脳卒中も認知症に次いで要介護の原因の第2位に位置します。

また、中年期の肥満が認知症のリスクを上げるとも報告されています。

つまり、メタボを改善するとフレイル(高齢者虚弱)、認知症、心血管疾患の3つの要介護リスクを下げることにつながるのですね!。

肥満 現在、2型糖尿病の治療薬は、食欲を抑えながら体重も落とすことができるものがあり、血糖値コントロールに取り組みやすくなっています。

メタボも解消しやすい。健康診断で異常値を指摘された場合は、放置せずに適切な治療を受けていただきたいと思います。

肥満やメタボを改善して75歳の壁を乗り越えしょうね!。

健康長寿を伸ばしたならば、さらに高齢期の健康維持のためにフレイル(高齢者虚弱)予防に励む。それが、生涯続く健康寿命に寄与しますよ!。

老人 2型糖尿病の治療で75歳の壁を乗り越え、現在、90歳以上で元気に過ごされている患者さんはたくさんいます。

元気に長生きを実現するため、メタボは放置しないようにしましょうね!。

【健康常識】に異を唱える by 和田秀樹

健康常識とは?

介護などに頼らず、健康で自立した日常生活を送れる期間を「健康寿命」と呼ぶ。

8月、健康計測機器メーカーのタニタが40才以上の男女2500人に行った調査では、理想の健康寿命の平均は男性85.55才、女性86.99才だった。

厚生労働省調査による実際の健康寿命の男性72.68才、女性75.38才とは、男女とも10才以上の開きがあった。

“実力以上”の健康長寿を望む多くの人が頼るのが、世にはびこる「健康常識」だ。

だが精神科医で老年医学の専門家の和田秀樹さん(62才)はその常識に異を唱える。

「日本の医者や病院が紹介する健康常識は、実は日本人を対象とした科学的調査では証明されておらず、本当に日本人に当てはまるかわからないものが少なくない。

それどころか、なかには不健康をもたらすものもあるのです」

著書『80歳の壁』などが次々とベストセラーになった和田秀樹医師。医学界の権威に背を向ける“異端の医師”が、従来の常識を覆す数々の健康法を披露する。

食生活

健康づくりの基本とされる食生活。多くの医者は「カロリーオーバーに気をつけて」と忠告するが、和田秀樹医師は「高齢者は食事をがまんする必要はない」(和田秀樹医師)とピシャリ。

「多くの高齢者は“たいして働いていないから食事は低カロリーでいい”と考えますが、大きな誤解です。高齢になるほど意識してたんぱく質を摂らないと、筋肉の衰えや減少が進み、老化が進行する恐れがあります。

たとえ本人が“あじの干もので充分”と思っても、それでは栄養不足でかえって不健康になります」(和田秀樹医師)

ステーキ 同様に「肉を食べすぎてはいけない」にも、だまされてはいけない。

「肉はコレステロールを多く含み、動脈硬化や心筋梗塞の原因になるといわれます。

しかし、コレステロールには免疫機能を高め、意欲や筋力のもととなる男性ホルモンを増やす作用があるので、性別を問わず健康のために肉を食べるべきです。ちなみに私は最近まで、朝食にステーキを食べていました」(和田秀樹医師)

実際、東京都老人総合研究所が70才の高齢者を対象に追跡調査を行った「小金井研究」で、コレステロール値と死亡率の関連を調べたところ、最も長生きしたのは男性190?219mg/dL、女性220?249mg/dLという、正常よりコレステロール値が高めのグループだった。逆に死亡率が最も高かったのはコレステロール値が男性は169mg/dL以下、女性は194mg/dL以下のグループだ。

塩分と脂肪

塩 医者の健康指導の王道ともいえる「塩分は控えめに」にも和田秀樹医師は懐疑的だ。

「塩分が多いと血圧が上がって動脈硬化を引き起こすとされますが、そもそも塩分を控えると動脈硬化が防げるという国内の疫学調査はありません。

また高齢者は腎臓にナトリウムをためる機能が低下します。そこからさらに塩分を控えると低ナトリウム血症を発症し、意識障害や痙攣を併発するリスクが高まります」(和田秀樹医師)

多くの医者が「身体に悪い」と敵視する脂肪にもさまざまな健康維持の役割がある。

「脂肪には脂肪を燃焼する作用があるので、脂肪を完全に断つと古くなった脂肪を燃やせず、筋肉を分解してエネルギーを作ることになります。そのため身体脂肪が減らず、筋肉量が低下します。

また脂肪は身体や免疫細胞の材料として欠かせず、料理を楽しむうえでも大切な調味料。過剰摂取はNGでも、適度に摂ることは心身に好影響を与えます」(和田秀樹医師)

「食」の大切さ

老年医学の専門家として多くの患者を診た和田秀樹医師が改めて「食」の大切さを説く。

「日々、多くの患者を診療して感じるのは、“食べていない人は元気がない”ということです。食事制限で低カロリーや低栄養、低コレステロールの食事を続けると早く老けてしまう。

栄養が余ることで生じる害より、栄養が足りないことで起きる害の方がはるかに大きくなります。

人間の身体が欲するのは、身体に必要なものなので、まずは食べることを優先してほしい。

ラーメン また、自炊よりコンビニ弁当や外で食べるラーメンの方が多くの食材を使っていて、身体にいい可能性が大きい。外食に罪悪感を持たないでください」(和田秀樹医師)

和田秀樹医師の食生活

そんな和田秀樹医師の食生活はというと……。

「食事制限はもってのほかで、朝はおにぎりや総菜パンにヨーグルト、昼は好物のラーメンとチャーシュー丼に卵をトッピング。

夜は、週3日は外食で晩酌のワインを欠かさず、それに合わせて魚と肉を2日おきで交互に食べています」(和田秀樹医師)

新・健康常識

●食事制限はしなくてもいい、カロリーオーバーしてもいい。
●肉は食べた方がいい。
●塩分不足は命を左右する。
●脂肪は身体に悪くない。
●コンビニ弁当や外食のラーメンを食べてもいい。
●血圧などの数値にこだわらない。
●やせ型より太り気味の方が長生きする。
●60代以降のダイエットは健康に直結しない。
●治療や節制の有無で寿命が変わるかどうかはわからない。
●「心臓ドック」と「脳ドック」さえ受けておけばいい。
●病院や医者の肩書より実績。
●激しい運動は老化を促進させる。
●睡眠時間は何時間でもいい。

【プロフィール】

和田秀樹(わだ・ひでき)/1960年6月7日生まれ、大阪府出身。
東京大学医学部卒業後、東大医学部附属病院精神神経科、高齢者専門の浴風会病院、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローなどを経て、11月よりルネクリニック東京院院長。
30年以上にわたり、高齢者医療の現場に携わる。著書『80歳の壁』がベストセラーに。