疾患の概念浮腫はその発生部位の分布により、全身性浮腫と局所性浮腫とに大別されますよ!。

全身浮腫の主因は欝血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変の3つであります。

浮腫には血管外の細胞外液が蓄積し、指で押すと圧痕を生じるpittingedemaと、リンパ液性あるいは粘液性水腫によるnonpittingedemaとがあるが、一般に浮腫という時はpittingedemaを指しています。

漢方では体表部の浮腫のうち押すと陥凹して元に戻りにくいものを「水腫」、押しても圧痕を残さないものを「気腫」としていますが、一般的には浮腫という時は水腫を指していますよ!。

浮腫は五臓いずれの原因からでも発生し得るが、水飲代謝に直接関係する脾、肺、腎に起因するものが多いです。

「金匱要略」の湊飲病篇には、異常な水分を停滞する場所によって湊飲、懸飲、溢飲、支飲に分かち、水気病篇では症候によって、風水、皮水、正水、石水、黄汗に分かち、また五臓に因って心水、肝水、肺水、脾水、腎水の別があるとしています。

浮腫はこれら様々な名称の中では、溢飲や支飲、あるいは風水、皮水、裏水などに該当しますね!。

朝起きると顔がむくんでいたり、夕方に足がパンパンになったり。

そんな「むくみ」の症状は、多くの人が経験する身近な悩みですね!。

日ごろから「むくみやすい」と感じている方は体内に要因があることも多いので、体質からきちんと改善して身体をすっきりさせましょうね!。


概 要

むくみ体質は根本から改善を「むくみ(浮腫)」は体内に分布する水分のバランスが崩れ、皮下組織に溜まってしまう状態のことですよ!。

血液中の水分と血管外の水分(細胞のすきまを満たす間質液)は毛細血管の穴を通じて出入りしながらバランスを保っていますが、なんらかの原因でそのバランスが崩れると、血管外の水分が増えてむくみが起こります。

こうしたむくみは、立ち仕事やデスクワークによる血流の低下塩分の取り過ぎ、過度な飲酒などが主な要因になります!。

また、女性はホルモン分泌の影響で月経前に身体がむくみやすくなることもあります。

中医学では、こうした身体の仕組みに加え、体内の不調にもむくみを起こす要因があると考えますね!。

まず身体がむくんでいる時は、体内に「水湿(余分な水分)」が停滞している状態ですよ!。

また、水湿の停滞につながる「脾胃(胃腸)」や「腎」の機能の低下、「瘀血(血行不良)」などの不調も、むくみの要因となるので注意が必要です。

身体がむくみやすい人は、こうした体内の不調にも目を向けることが大切ですよ。

むくみを解消しながら身体を整えることで、"むくみ体質"を根本から改善しましょうね!。



ツボ(経穴)

ツボ 日々の身体ケアにおすすめの「ツボ(経穴)押し」ですよ!。

胃腸トラブルから婦人科疾患、不眠、腰痛、むくみまで、さまざまな不調の改善に効果が期待できる"下半身のツボ"をご紹介します。

ちなみに、ツボはーカ所でいくつもの不調に対応できる優れものです。

その仕組みは次の通りです。中医学では、人の身体には気・血の通り道「経絡(主要12本)が巡っていて、それぞれの経絡が特定の臓器と関わっていると考えます。

ツボ(経穴)は、この経絡の要所要所にあるターミナル駅のような存在です。

ーカ所のツボにいろいろな経絡が乗り入れているため、複数の臓器に働きかけることができるのです。ツボを上手に活用することは、心身を整える一助になりますね!。

●ツボ押しのポイント:「気持ちいい」「痛気持ちいい」と感じる<らいの強さで親指など指の腹で3~5秒押し、1力所4~5回繰り返します。痛いときは無理をせず、やさしくマッサージをしましょうね!。


暮しの養生

ウォーキング ●運動やストレッチを習慣にして、血流&代謝アップを考慮しましょうね!。ウォーキングは1日7000~8000歩を目安に実行しましょう。

毎日の入浴 ●毎日の入浴で発汗を促して。身体が温まるので血流改善にもつながります。

スムーズな排尿・排便 ●スムーズな排尿・排便で、余分な水分や老廃物を溜めない体質になる事をめざしましょう!。

マッサージ ●入浴中はマッサージに最適です。むくみの気になる部分をていねいにほぐしましょうね!。

食事 ●「脾胃(胃腸)」に負担をかけない食事を意識してください。塩分、こってりした料理、甘いもの、冷たいものなどの取り過ぎに気をつけましょうね!。


備 考

むくみは、体内にたまった過剰な水分が原因で起こりますよ!。

「夕方になると脚がむくむ」「朝起きると顔がはれぼったい」「手の指がむくんで指輪がきつい」などの自覚症状が現れます。

下半身のむくみがなかなか治らず、いわゆる「下半身太り」のような状態で悩む人も少なくありません。

太る原因は「脂肪」または「水分」のどちらかが余分になっているためですが、下半身太りの場合は、後者が関係しているケースが大半です。

漢方でむくみは、「体の機能単位である五臓六腑の機能がバランスを欠くことで、体内の水分の流れが停滞して生じる」と考えられています。こうした慢性的なむくみを解消するにも、漢方薬が効果を発揮してくれます。

むくみの原因は、五臓六腑の機能低下によって発生した「内湿」

むくみは、体液の流れが滞ることが原因で起こりますよ!。

体内に停滞する異常な水液のことを内湿(ないしつ)といい、むくみと深い関係にあります。

体内の水液を調節する機能を、漢方では「三焦(さんしょう)」という概念でとらえています。

「三焦」は五臓六腑(*)の1つで、全身に広がるすべての臓腑を包み込む膜状の組織です。

「気」や「津液(しんえき)」は、この三焦を通って全身を流れていく(三焦気化)とされています。

「気」は生命活動全般に関わるエネルギーを、「津液」は組織間液やリンパ液など人体に必要な液体を指します。

むくみは、この三焦気化がスムーズに機能しなくなったときに、体液の流れが滞り、内湿が溜まることで起こります。

三焦気化は、水分の吸収や循環、排泄に関わる「脾」「肺」「腎」「肝」からの影響を受けると考えられています。


五臓六腑 ※五臓六腑とは…漢方において、身体の機能を示す言葉ですね!。

「肝」「心」「脾」「肺」「腎」という5つの機能的単位(五臓)と、「胆」「胃」「大腸」「小腸」「三焦」「膀胱」といった6種の中空の器官(六腑)を指します。

それらのバランスを調えることにより、病気を治療します。主に「肝」は自律神経系、「心」は循環器系、「脾」は消化器系、「肺」は呼吸器系、「腎」は内分泌系や生殖器系の機能が当てはまります。