概 要
梅雨から食欲が低下する方。
湿邪が脾胃、つまり胃腸にとりつくと、水分の排出が悪くなり、体内に余分な津液が停滞するため体がだるく疲れやすくなります。汗をかきにくく、口の中がねばっこくなったり、足がむくんだりします。
また、冷たいもののとりすぎ↓脾の機能の低下↓体内の水分の停滞↓水分が熱を吸収↓暑いので冷たいものがほしくなる、という悪循環に陥りやすいので、注意が必要です。
【主な症状】
・夏中体調が悪い
・身体がだるい
・胃腸が弱い
・夏やせする
・足がむくむ
治 療
脾胃の機能を高める六君子湯で、元気回復をして下さい。
下痢などがあるときは、胃苓湯も効果的です。
使用漢方薬
次の漢方薬が、夏バテに対してよく効く可能性が高いです。
処方名:六君子湯
処方名:胃苓湯
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食 養
元気をつけようと肉類をたくさん食べすぎると、脾に負担をかけるので逆効果です。
消化のよい食事を心がけ、あずきやとうがん、すいか、はと麦、白菜、とうもろこしなど、余分な水分の排出を助ける食材を利用しましょう。
・西瓜は、熱を冷まし、利尿によりむくみをとる作用があります。暑い夏には、非常におすすめです。中国では西瓜を自然の白虎湯(熱がこもって起こる症状の治療漢方薬)と言われるくらい夏の暑い時期に大変よく食べます。
ツ ボ
脾胃の働きを高める足三里と公孫を刺激して、食欲を回復しましょう。
足三里のツボ:すねの外側の筋肉が始まるところで、ひざの皿の下端から指幅4本分下。押したときに筋肉がややへこむ部分。
公孫のツボ:足の親指のつけ根のでっぱった骨が終わる部分の下、土踏まずのカーブが始まる部分。
備 考
中国のことわざ。
中国には「心静自然涼」ということわざがあります。
"夏の暑さにイライラすると、よけいに暑くなるだけ。ゆったりとした気持ちでいれば、涼やかに過ごすことができる"
と教えていますが、その通りかもしれません。暑さにストレスを溜めず、夏を元気に乗り切りましよう。