概 要
「血」は全身をめぐって身体を温めていますが、貧血や病気による消耗などで慢性的に血が不足すると、その温かさをすみずみまで行き渡らせることができません。
また血は「陽気(身体を温める気)」と一緒に流れているため、血が十分になし、と陽気も全身に行き届かず、手足の冷えが起きてしまうのです。
血との関わりが深い女性の冷え性も、この血不足が原因になっていることが少なくありません。
思い当たる症状のある人は、日頃からしっかり血を養うよう心がけましょう。
治 療
冷えやすい体質は、これまでの暮らしの中で時間をかけて作られたもの。改善しようと思ってもすぐに良くなるものではなく、毎日の生活の中で"冷えない工夫"をきちんと続けることがとても大切です。
夏は暑さからつい冷房や冷たい飲み物に頼りたくなりますが、もちろんこういった習慣は冷えを生む大きな要因です。
暑いときには上手に汗をかく、冷房の効いた部屋では長袖を一枚羽織る、冷やしていない飲み物で水分をたっぷり補う、胃腸を元気にしてしっかり栄養を摂る…。
そんなちょっとした工夫を心がけながら、"冷えない身体"へと体質を整えていきましょう。
使用漢方薬
次の漢方薬が、夏の冷え性・気血両虚証・に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:当帰養血精
本証に適合する方剤。
処方名:当帰芍薬散
本証によく用いられる方剤。
処方名:十全大補湯
本証に適合する方剤。
処方名:四物湯合四君子湯
本証に適合する合方。
処方名:当帰建中湯
腰痛や月経痛がある方。
他のサイトへのリンク
生薬解説:当帰 »
備 考
冷え予防5つのボイソト
@夏でも湯船に。指先を動かしながら入ると血行促進に効果的。
A腰と足をしっかり保温。ゆったり半身浴などもおすすめ。
Bこまめに身体を動かす習慣を。血行が良くなり、陽気も全身に届きます。
C洋服はしめつけの少ないものを選んで。外出時は羽織るものを忘れずに。
D冷たい食事や飲み物は冷えのもと。摂り過ぎには十分注意を。