暑さが本格的になると、気になるのが「熱中症」ですよね!。

普段は健康な人でも、その日の体調や環境、行動などによって突然症状が現れることもあるので油断は禁物ですよ!。

日頃から体調管理にしっかり気を配り、厳しい暑さを乗り切りましょうね!。


概 要

人の身体は、常に熱を生み出していますね。一方、体温が上がりすぎると、汗をかいたり、皮膚の血管を拡張したりすることで熱を逃がし、体温をバランスよく調節していますよ!。

ところが、高温の環境に長時間いたり、暑い中で身体を動かしたりすると、こうした体温調節の機能が乱れてしまうこともあります。すると、体温の上昇、多量の発汗による水分や塩分(ナトリウム)の流失、脳への血流の低下などにつながり、熱中症を起こしてしまうのです。

中医学では、こうした症状は、暑さによる発汗で体内の「水分」と「気(エネルギー)」を消耗してしまうことが根本原因と考えます。

体内の水分が不足すると、体の熱を冷ませず余分な熱がこもりがちになりますね!。血液の粘度も増して血流が悪くなるため、「心」に負担がかかり、脳にも十分な血液が送られなくなります。また、体内の気の不足も、心や脳の働きに影響します。そのため、汗で水分と気が不足すると、ほてり、めまい、頭痛、倦怠感といった熱中症の症状が起こりやすくなるのですよ!。

湿気の影響による「脾胃」の不調にも注意が必要ですよ!。これは、脾胃の働きが低下すると、体力が落ちて熱中症を起こしやすくなってしまうためですね!。暑さに負けないためには、体力をしっかり養うことも大切なのですよ!。

熱中症は、重症化すると命に関わる心配がありますよ!。体温調節の働きが弱い子どもや高齢者は特に注意して、日頃からしっかり体調を管理しましょうね!。


主症状

自分の体に余分な熱がこもっているか、なかなか自分で気づくのは難しいですよね。

そのような体質のかたに共通した傾向があるのでチェックリストにまとめました。

「身体に余分な熱がこもる」体質に傾いていないか、以下のチェックリストで確認してみましょう。余分な勲が休にこもっていない?

熱中症危険度セルフチェック

□顔が赤い

□のぼせやすい

□手のひらや足の裏が熱い

□喉が渇きやすい

□イライラしやすくなった

口舌が濃い赤色

口尿の色が濃い黄色(ビタミンなど薬剤の影響は除く)

□コロコロ便が出る

1つでもチェックリストにある傾向にあてはまれば、「体の中に余分な熱がこもっている」体質に傾いている可能性があります。

体に熱がこもりやすくなる原因は、年齢を重ねることも関連していますが、暴飲、暴食、アルコールのとりすぎが引さ金になることも多いです。

心当たりがあれば、体質が改善するまで控えめにしてみましょう

また、体の熱を冷ます食材を活用するのも効果的です。具体的には..,,..

トマト

きゅうり

ゴーヤ

オクラ

バナナ

すいかなどの

食材を積極的にとりましょう

体の熱の状態は、気温などの外部環境だけでなく、食事を含めた生活習慣などの要因によって変化しやすいです。

こまめにチェックして自分の体質の傾向を確認してみましょう。



ツボ(経穴)

ツボ 夏バテによるだるさにはツボ押しが有効です。膝から指4本分下のところで脛の骨の外側にある「足三里」や、足の裏の土踏まずの中央のくぼみにある「湧泉」がおすすめ。足三里は胃腸の働きを高め、湧泉は、その字が示すように、“ここを刺激すれば元気が湧いてくる”といわれるツボです。

入浴時に足の裏をマッサージするように優しく押すとよいでしょう。

足三里 湧泉 内関

暮しの養生

入浴

夏でも入浴を心がけ、疲労の回復をしましょうね!。

●睡眠を充分とって体力の回復をしましょう。疲れたら昼寝もオススメですよ!。

●適度に汗をかくことも大切です。冷房は過剰にならないよう、上手に使いましょうね!。

●胃腸を守るためにも、冷たい飲食や生ものは控えめにしましょう!。


備 考

暑邪

暑邪の特徴

「熱中症」を代表とする暑証をひき起こす主な病因は暑邪ですよ!。暑証の治療のため、暑邪の特徴を把握しておきたいですね。

(1)暑邪は陽邪で炎熱の性質
暑は夏の主気であり、これが病因となると暑邪といいます。暑邪は陽邪であり、炎熱の特徴をもつので、暑証の症状は発熱・心煩・口渇・数脈などの熱証の特徴をもちますよ!。

(2)暑邪は昇散して津液と気を損傷
暑邪は陽邪のため上昇・発散を主ります。暑邪が侵入すると、皮膚の膜理が開き、ひどく汗をかき、そのため津液は消耗され、口渇・尿少などの津液損傷の症状が見られますよ。汗とともに津液だけではなく、津液を固摂する気も流失してしまうため、息切れ・疲れなどの気虚症状も見られますね!。

(3)暑邪は湿邪と結びつきやすい
暑邪は湿邪と絡むことが多いです。その理由は2つ考えられますね。
①夏は雨も多く蒸し暑く湿っぽい。自然界に暑邪と湿邪が同時に存在し、これらが人体に侵入する条件があります。
②夏は生冷のものを食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまいます。その結果、脾胃を損傷し、脾胃の運化機能が影響され、体内に水湿が停滞し、悪心・下痢などの胃腸症状も多くなりますよ!。

夏と臓腑の関係

中医学では、夏は特に心および脾胃の臓腑を調節し補益することが大切と考えていますよ!。

(1)心
心は暑を主ります。暑くなって汗をかきすぎると、身体の水分である津液は消耗されて、血液が濃縮し、心の負担が重くなり、動悸・眩暈・心煩などの心の症状が現れます。夏はできるだけ水分をとって津液を補い、養心・清心する必要がありますね!。

(2)脾胃
胃腸(脾)
もともと東洋医学では、夏の厳しい暑さや湿度の高さによりダメージを受けやすいのは「胃腸(脾)」であるという考え方があります。

胃腸(脾)は食べ物からエネルギーを生み出すところのため、暑さにより食欲が落ちて食事量が減ると、体の中でエネルギーを作り出せなくなります。結果疲れやすくなり、体がだるくなったりして、やる気が出ないなどの症状が出てくるわけです。

そこへさらに、睡眠不足などが重なると熱中症のリスクも高まることになります。

夏は暑気ばかりでなく湿気(気候・食事などから)も多く、湿によって脾がやられると、食欲不振・下痢・痩せなどの脾胃不足の症状が多くなりますね。できるだけ脾胃を補益して水湿を運化させるため健脾・惨湿・和胃法を併用したいですね!。