血液ドロドロ
概 要
高血圧や動脈硬化などが気になる人は要注意
年齢を重ねると血液に粘りが出るため、血の流れが滞り、瘀血を生じやすくなります。瘀血は脳への血流をさまたげ、それが健忘や痴呆といった症状を引き起こす原因となります。このタイプの主な症状は、物忘れや頭痛、落痛、手足のしびれ、顔色の黒ずみなど。高血圧、動脈硬化、狭心症、高脂血症、脳血管障害といった症状が見られる人のほか、手術歴や大きな外傷歴がある人などは、このタイプの認知症に注意が必要です。
血液をサラサラにして流れを良くする「活血」「化瘀」、脳を健やかにする「健脳」などを中心に、予防・対応していきましょう。
治 療
@高齢化社会の到来をひかえ、脳循環代謝改善薬に期待が集まっていますが、その効果はいまだ満足のいくものではないし、副作用も無視できません。
一方、漢方薬で本症に有効なものが挙げられており、特に黄連解毒湯、釣藤散、当帰芍薬散などの効果について、詳細に報告されています。
一般的には漢方薬を使用することで精神的に落ち着き、食欲が出て精神的にも肉体的にも活気が出ることが多いです。
A本病には全身状態の低下している方が多く、このような方に漢方薬を投与すると、体力増強をはかることができます。
●治療原則:活血化瘀
内出血を吸収し循環を改善します。
使用漢方薬
次の漢方薬が、認知症・瘀血・に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:当帰芍薬散
消極的で不安や抑鬱気分がある方、または女性で貧血傾向、虚弱体質の方。
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処方名:加味逍遙散 合 桂枝茯苓丸
のぼせ感、イライラなどを伴う方。処方名:当帰飲子
皮膚の乾燥や掻痒のある方。
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舌 質
暗紫色で瘀班。
舌 苔
舌下静脈;怒張
脈 診
渋
食 養
黒いもの、辛みのあるものなどを意識して摂るようにしましょう。
●昆布
●わかめ
●黒酢
●山査子
●小豆
●黒きくらげ
●ラッキョウ
●黒豆
●酒
●にんにく
●たまねぎ
●セロリ
備 考
老後は「本物の人生」。毎日を楽しく穏やかに
認知症をはじめとするさまざまな老化現象は、年齢を重ねることでどんな人にも現れるもの。もちろん老化を止めることはできませんが、健康を保つ工夫をしたり、余裕ができた時間を楽しく過ごしたりと、自分次第で老いと上手に付き合りことはできるものです。認知症を予防するためにも、毎日をイキイキと前向きに暮らすことはとても大切なこと。例えば、趣味や会話の時間を増やす、1日1回は笑う、といった良い刺激を与えることは認知症の予防につながります。花や緑を楽しんだり、温泉でゆっくりしたり、そんな自然との触れ合いもいいですね。
また、左右の手を交互に使って歯みがきをしたり、両手で肩をもんだりすると、脳を鍛えることができます。食事はうす味、加熱を心がけて、ゆっくりと気持ちよく食べましよう。
老化への焦燥感、不安感などでストレスを溜めることは禁物。江戸時代には、仕事をする必要がなく、自分の好きなことを存分に楽しめる老後こそ「本物の人生」と考えられていたそうです。より長生きになったわたしたちも、そんな風に楽しく元気な老後を過ごしたいものですね。