虚弱でおちつきがなく、手足が火照る方
概 要
中医学では肝と腎の関係は次のように考えられています。
肝と腎はともに大切な臓器であり、両者は密接な関係をもちます。肝は血を貯蔵し、腎は精を貯蔵する働きがあり、精と血は互いを生み出す材料となります。
精も血も身体を構成する陰液の主要な部分です。したがって、腎陰(精)不足は必然的に肝陰不足をもたらし、肝陰不足も腎陰(精)不足を引き起こします。
慢性消耗性疾患、房事過多、過度のストレスの持続などでは、しばしば肝と腎の陰虚が同時に出現します。
治 療
@高齢化社会の到来をひかえ、脳循環代謝改善薬に期待が集まっていますが、その効果はいまだ満足のいくものではないし、副作用も無視できません。
一方、漢方薬で本症に有効なものが挙げられており、特に黄連解毒湯、釣藤散、当帰芍薬散などの効果について、詳細に報告されています。
一般的には漢方薬を使用することで精神的に落ち着き、食欲が出て精神的にも肉体的にも活気が出ることが多いです。
A本病には全身状態の低下している方が多く、このような方に漢方薬を投与すると、体力増強をはかることができます。
使用漢方薬
次の漢方薬が、認知症・肝腎陰虚・に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:六味丸 合 四物湯
本証に適合する合方処方名:滋陰降火湯
ほてり、のぼせ、寝汗の目立つ方
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処方名:七物降下湯
高血圧症、肩こり、のぼせ感などを伴う方
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舌 質
紅
舌 苔
薄または無
脈 診
細弦または細数
備 考
老後は「本物の人生」。毎日を楽しく穏やかに
認知症をはじめとするさまざまな老化現象は、年齢を重ねることでどんな人にも現れるもの。もちろん老化を止めることはできませんが、健康を保つ工夫をしたり、余裕ができた時間を楽しく過ごしたりと、自分次第で老いと上手に付き合りことはできるものです。認知症を予防するためにも、毎日をイキイキと前向きに暮らすことはとても大切なこと。例えば、趣味や会話の時間を増やす、1日1回は笑う、といった良い刺激を与えることは認知症の予防につながります。花や緑を楽しんだり、温泉でゆっくりしたり、そんな自然との触れ合いもいいですね。
また、左右の手を交互に使って歯みがきをしたり、両手で肩をもんだりすると、脳を鍛えることができます。食事はうす味、加熱を心がけて、ゆっくりと気持ちよく食べましよう。
老化への焦燥感、不安感などでストレスを溜めることは禁物。江戸時代には、仕事をする必要がなく、自分の好きなことを存分に楽しめる老後こそ「本物の人生」と考えられていたそうです。より長生きになったわたしたちも、そんな風に楽しく元気な老後を過ごしたいものですね。