悪熱・粘痰・腹部膨満・便秘


概 要

身体への侵入を始めた邪。深く攻め込もうとより激しく攻め込み、熱症状がさらに高まりました。

気分証は表にあった病邪が裏に入った段階です。一般に外感熱病の熱盛期の症状を現わし、烈しい邪正斗争と熱の鬱滞が起こり"気"の働きが失調し、その結果臓腑の機能が障害されますよ!。

臨床症状は一般に発熱して悪寒せずに熱を嫌う(悪熱)。汗が出て口が渇き、小便は濃く黄赤色で乏尿となります。舌は紅色で黄膩苔が付着、脉は洪大か滑数となります。温病・気分証は傷寒の陽明病と病態的、症状的には共通した部分が多いですが、胃腸の他、肺や胆等の熱証も包括しているので、陽明病より範囲が広く症状も複雑多彩です。

治法は清熱が主です。その進行の程度や病変の部位により、麻杏甘石湯、白虎湯(或は白虎加人参湯、大承気湯、黄連解毒湯)などが用いられます。温病・気分証では旺盛な熱のため津液が損傷されて重篤な状態に陥り易いので、津液の保護に対する注意が必要ですね!。


証:気分証の説明へ

主症状

肺胃熱盛

【身体の不快症状】
咳嗽、咽喉痛、喀痰(黄色粘稠)、呼吸促迫
【対応薬】
麻杏甘石湯

気分熱盛

【身体の不快症状】
高熱、悪熱、大汗、大渇(欲冷飲)悪熱とは、発熱し熱を怖れる状態。
【対応薬】
白虎湯 暑邪が陽明に入れば、白虎加人参湯を用いる。

腸胃熱結

【身体の不快症状】
気分熱盛の症状+腹部膨満、腹痛、便秘、午後高熱(症状重ければ、意識障害・うわ言)。
【対応薬】
大承気湯


治療原則

到気才可清気


治則説明

寒涼清熱・瀉下・補気養陰生津


使用漢方薬

次の漢方薬が、傷寒と温病・温病・気分証に対してよく効く可能性が高いです。

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処方名:麻杏甘石湯

麻杏甘石湯 肺胃熱盛
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42包(2週間分) 3,275円(税込)
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189包(63日分) 12,026円(税込)
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処方名:白虎加人参湯

白虎加人参湯 気分熱盛
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処方名:大承気湯

大承気湯 腸胃熱結
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42包(2週間分) 3,264円(税込)
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処方名:黄連解毒湯

黄連解毒湯
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42包(2週間分) 5,235円(税込)
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舌 質

乾燥


乾燥
乾燥

舌 苔

黄苔


黄苔
黄苔

脈 診

洪大、沈実、弦数、濡 洪大、沈実、弦数、濡


備 考

呉鞠通

熱感カゼなど、熱性感染症を治す知識

ウイルスが起こす熱性感染症は、古来繰返し起こり、多くの方が亡くなりましたよ!。

医学を学ぶ呉鞠通(1736~1820年)は親族多数を熱病(温病)で亡くし、悲劇を繰り返さぬ思いから、葉天使(1666~1746年)の遺した衛気営血弁証や臨床体験をまとめ「温病条弁」として記しました。

温病学は傷寒論を基礎とし、それでは対応困難な外感熱病のため、17世紀に新たに編み出されましたね!。

「熱感カゼ(インフルエンザ)」と限定しましたが、ウイルス性肝炎・ヘルペス・帯状庖疹など多くの熱性感染症に対応します。温病は血液に侵入し、肝を侵します。重篤な症状を招かぬ様、初期対応が肝心ですよ!。