高熱(夜間高い)・うわ言・出血


概 要

病毒はとうとう血中に侵入、血流に乗り全身へ広がり重篤症状に。(営分証が悪化し、血分証に)

温熱病の病邪が体内深く侵入した重篤な段階です。病が営分に転入すると旺んな熱のために人体の正気は益々消耗し、津液も不足してきますね!。

即ち病邪の実と正気の虚が混在する時期です。従って臨床症状の上では高熱があり、特に夜間に高熱を発する。従って病人は時に興奮して不眠となったり、逆に意識が混濁し、言厳言(うわ言)を発したりします。

舌は鮮やかな紅色を呈し舌苔は黄色で乾燥しています。脉は細数となります。

これらの症状は熱病の進行によって器質的な損傷、即ち脱水や消耗が起こり、病人は陰虚火旺となり、時に心(精神活動)も脅かされている状態ですよ!。

治法は清熱、解毒、養陰、生津です。主な処方は『温病条弁』では清営湯(犀角、生地黄、玄参、麦門冬、金銀花、連翻、丹参、黄連、竹葉)ですが、エキス剤にはこれに該当する処方はありません。温清飲合麦門冬湯あたりがやや近い処方になりますね!。


証:営分証の説明へ

主症状

・高熱(夜高く朝下がる)
・口渇
・煩躁不眠
・うわ言


治療原則

入営猶可透熱転気


治則説明

清営透熱・清心豁痰開竅


使用漢方薬

次の漢方薬が、傷寒と温病・温病・営分証に対してよく効く可能性が高いです。

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処方名:温清飲+麦門冬湯

温清飲+麦門冬湯


舌 質

紅絳


紅絳
紅絳

舌 苔

無~黄燥苔


無~黄燥苔

脈 診

細数 細数


備 考

呉鞠通

熱感カゼなど、熱性感染症を治す知識

ウイルスが起こす熱性感染症は、古来繰返し起こり、多くの方が亡くなりましたよ!。

医学を学ぶ呉鞠通(1736~1820年)は親族多数を熱病(温病)で亡くし、悲劇を繰り返さぬ思いから、葉天使(1666~1746年)の遺した衛気営血弁証や臨床体験をまとめ「温病条弁」として記しました。

温病学は傷寒論を基礎とし、それでは対応困難な外感熱病のため、17世紀に新たに編み出されましたね!。

「熱感カゼ(インフルエンザ)」と限定しましたが、ウイルス性肝炎・ヘルペス・帯状庖疹など多くの熱性感染症に対応します。温病は血液に侵入し、肝を侵します。重篤な症状を招かぬ様、初期対応が肝心ですよ!。