概 要
慢性的な胃腸の虚弱が、身体全体に影響
もともと胃腸の働きが弱し、人にとって、夏はいつも以上に疲れやすくツライ季節です。中医学では"脾胃(消化器系)は後天の本"と書し、、胃腸が飲食物を消化吸収することにより、生命を支える「気」「血」を生むと考えます。胃腸の働きが弱し、と、他の臓器の働きにも影響し、全身の不調や体力不足、免疫力の低下にもつながります。夏からの胃腸虚弱により、秋から冬にかけては風邪をひきやすくなることも。日ごろから胃腸の働きを良い状態に保つよう心がけましょう。
使用漢方薬
次の漢方薬が、夏の胃腸養生・「胃腸虚弱」からくる不調・に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:参苓白朮散
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処方名:生脈散
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処方名:当帰養血清
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処方名:八味地黄丸
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食 養
弱った胃腸を健やかに整え、体力を養う食材を。
●白米
●もち米
●いんげん豆
●山芋
●じゃがいも
●モツ煮
●豚肉
●鶏肉
●太刀魚
●ぶどう
備 考
「湿」対策には | ●紅茶+生姜+チンピ ●はと麦+生姜 ●コーン茶(韓国で一般的) ●とうもろこしの髭茶 ●干しぶどう+生姜(むくみに) |
「冷え」対策には |
●しその葉+生姜+黒糖 ●紅茶+シナモン+黒糖 ●紅茶+マイカイ花+蜂蜜 |
「胃腸のもたれ」には |
●はと麦+なつめ ●玄米茶+チンピ ●玄米茶+なつめ |
「食欲不振」には |
●プーアル茶+チンピ ●サンザシ十チンピ ●チンピ十生姜十なつめ |
「慢性疲労」には |
●はと麦+なつめ(+蜂蜜) ●はすの実+なつめ+蜂蜜 ●高麗人参+なつめ+蜂蜜 |
夏を乗り切る暮らしの養生
1.胃腸を冷やさないよう、夏でも温かい料理や飲み物を。お茶は麦茶よりも「ジャスミンティー」や「緑茶」がおすすめ。
2.サラダや冷奴などの冷たい料理には、「みょうが・しそ・生姜」など冷えをやわらげる薬味でひと工夫。
3.食材が傷みやすい梅雨から夏は、冷蔵庫を過信せず、なるべくこまめに買い物を。食中毒の対策としても有効です。
4.一日の終わりは湯船につかってのんびり。冷房で冷えた身体が温まり、血行促進にも効果的。
5.朝は胃腸を整える「藍香正籟髄」、夜は陰陽バランスを整える「生脈散」を。中国では一般的な、夏の健康習慣です。