概 要

私たちの身体の働きは、「脳」と密接に関係しています。脳を健やかに保つことは、心と身体の健康を握る重要なカギでもあるのです。夏は、暑さから食欲が落ちたり、ぐっすり眠れなかったりと、脳にも身体にも疲労がたまりやすい時期です。日頃から十分な養生を心がけましょう。
さて、脳の健康を維持するためには、身体の健康と同じように「気・血・水(津液)」のバランスが大切です。「気・血・水」それぞれの量と流れが整っていることで、健やかな状態が保たれるのです。
中でも、脳の健康を考える上で重要な要素は「水」。脳は水分をたくさん含んでいるため、体内の水分をバランスよく保つことが大切です。たくさん汗をかくこの時期は、水分不足に注意しましょう。体内の水分が不足すると、脳の働きが鈍くなり頭がボーツとします。
これは、血液が濃縮して血流が悪くなるためです。
脳梗塞や心筋梗塞は夏場に発生することも多く、一因として「水」の不足が考えられます。また、汗をかくと水分と一緒に「気」も流失してしまうため、頭が働かない、めまいがする、などといったことも起こります。
この時季は、常に「気・血・水」の量と流れが正常かどうか、特に「水」が十分かどうかを気にかけて過ごすことが、脳の健康状態を良好に保つポイントといえます。食事などから上手に「気・血・水」をバランスよく補給し、暑い夏をスッキリした頭で過ごしましょう。
治 療
体内の「気・血・水」のバランスが腐れると、脳の健康にもさまざまな影響が現れます。ここでは、「気」「血j「水」それぞれの角度から、脳を健やかに整える養生法をご紹介しましょう。
備 考

脳の若さを保ち、毎日をいきいきと!
夏の脳を元気に保つポイントは、ご紹介したように、まず水分補給をしっかりすること。ただし、冷たい飲み物をたくさん飲むと脾胃に負担がかかります。室温程度の飲み物を適量飲む、水分を多く含む食材(夏野菜など)
を選ぶなどの工夫をしましよう。
汗を適度にかくことは体内の熱を発散するために必要なことです。高齢の方は発汗しにくく体温の調節が難しいため、熱中症にも注意が必要です。のどや体内の渇きにも気が付きにくいので、脱水症状を起こさないよう、こまめな水分補給で体温調節を心がけてください。
身体や脳の消耗を防ぐためには、睡眠を十分とることも大切。暑さで寝苦しい夜は、水枕などを用意するのもおすすめです。また中国では、竹製のゴザを布団の上に敷く習慣があるそうです。ひんやりと心地よく、ダニやホコリの心配も少ないので汗をかいても清潔。冷房だけに頼らず、自然を生かした身体にやさしい涼の取り方を工夫してみてください。
"脳の健康"を意識して養生を続けていくことは、脳の老化を防ぎ、若さを保つことにつながります。人生を楽しく過ごすためにも、いつまでも"元気な脳"で、いきいきと年齢を重ねていきたいものですね。





