概 要
多量の汗で、脳の水分不足に
スポーツや屋外の作業で多量の汗をかいた後は、体内の水分が急激に減少し、脳の水分も不足しやすくなります。水分が不足すると脳の働きは鈍くなり、頭がボーツとするといった症状が現れます。
急な多量の発汗は体内各組織の脱水症状を起こす可能性もあるので、思い当たる症状がある場合は十分注意してください。また、慢性的な水分不足になると口の乾き、皮膚の乾燥、身体の熱感、便秘などの症状も。
養生のポイントは、こまめな水分補給を心がけること。身体に潤いを与え、脳の働きをすっきり整えましょう。
治 療
使用漢方薬
次の漢方薬が、夏の脳養生・「陰虚」・に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:生脈散
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食 養
身体に潤いを与え、バランスよく水分が行き渡るようにしましよう。
潤いを与えながら水分代謝を促し、水のバランスを整える
●すいか
●冬瓜
●きゅうり
●緑豆
●茶
体内の熱をとる
●苦瓜など、苦みのある食材
潤いを与えながら汗の流出を防ぐ
●レモン
●梅干し
●トマト
●いちごなど酸味のある食材
備 考
脳の若さを保ち、毎日をいきいきと!
夏の脳を元気に保つポイントは、ご紹介したように、まず水分補給をしっかりすること。ただし、冷たい飲み物をたくさん飲むと脾胃に負担がかかります。室温程度の飲み物を適量飲む、水分を多く含む食材(夏野菜など)
を選ぶなどの工夫をしましよう。
汗を適度にかくことは体内の熱を発散するために必要なことです。高齢の方は発汗しにくく体温の調節が難しいため、熱中症にも注意が必要です。のどや体内の渇きにも気が付きにくいので、脱水症状を起こさないよう、こまめな水分補給で体温調節を心がけてください。
身体や脳の消耗を防ぐためには、睡眠を十分とることも大切。暑さで寝苦しい夜は、水枕などを用意するのもおすすめです。また中国では、竹製のゴザを布団の上に敷く習慣があるそうです。ひんやりと心地よく、ダニやホコリの心配も少ないので汗をかいても清潔。冷房だけに頼らず、自然を生かした身体にやさしい涼の取り方を工夫してみてください。
"脳の健康"を意識して養生を続けていくことは、脳の老化を防ぎ、若さを保つことにつながります。人生を楽しく過ごすためにも、いつまでも"元気な脳"で、いきいきと年齢を重ねていきたいものですね。