糖尿病対策

身近なところがら見直していきましょう
糖尿病に悩む人の数は年々増え続け、近い将来には一千万人を突破すると予想されています。このような急激な増加の背景には食生活の欧米化や運動不足、ストレスといった生活習慣の問題があります。
そこで、糖尿病の改善には、食事や運動といった日常の基本的な生活習慣を見直すことが欠かせません。
暮しの養生
●食生活を見直しましょう
・エネルギー量は適正ですか?
食事で摂るエネルギー量が多いと、その分、血糖値は上がりやすくなります。
食事は体型や日常の活動程度に見合ったエネルギー量の範囲に抑えるようにしましょう。
また、酒類はカロリーが高いばかりで、栄養としての利用価値はありません。そのため、糖尿病の人は禁酒が原則です。
・栄養のバランスはとれていますか?
糖質・タンパク質・脂質は三大栄養素と言われ、この3つの理想のバランスは糖質50-60%・タンパク質が15-20%・脂質が20-25%の割合です。ところが最近、糖質の摂取量が減り、脂質の摂取量が増えています。
脂質は三大栄養素の中で最もエネルギー量が多く、脂質の割合が増えると食事全体のエネルギー量は過剰になりがちです。
また、脂質の多い食事を摂り続けると、高脂血症や動脈硬化などの病気になる危険も高まります。脂質の摂りすぎを防ぐためには、ご飯を主食に、油を控えめに調理した和食中心の献立が良いようです。
さらに、食物繊維には食後の血糖値を上げにくくする働きがありますので、献立には食物繊維が豊富な野菜やきのこ類、海藻類を取り入れてください。
1回の食事に2品程度は野菜のおかずを食べるようにすると良いでしょう。
・決まった時間に食事をしていますか?
1日の摂取エネルギー量が適正で、栄養バランスが取れていても、食事の回数が少なく、1回に食べる量が多いと台無しです。血糖値が上がりやすくなりますし、身体に脂肪がつきやすくなってしまいます。
また、食事時間が不規則だとインスリンが分泌される時間も不規則になり、膵臓の働きに負担をかけやすいうえに、インスリンの作用も低下しやすいと言われています。
食事は1回の量がなるべく均等になるように3回以上に分けて、決まった時間に摂るようにしましょう。
●運動を習慣化しましょう
・運動不足と感じていませんか?
仕事はデスクワークでほぼ一日中座りっぱなし、休日の外出は少しの距離でもつい自動車を使ってしまう。
こんな生活では、どうしても運動不足になりがちです。「できるだけ階段を使う」「少し遠くても歩いて行く」など、普段の生活の中で少しずつでも身体を動かすように意識してください。
また、週に何度かは運動する習慣をつくりましよう。
運動にはエネルギーを消費する運動と筋肉を鍛える運動の2種類があり、糖尿病改善にはこれらを組み合わせて行うのが最も効果的です。
・エネルギーを消費する運動
エネルギーを消費する運動には、人と会話ができるくらいの比較的軽い強度で持続的に続ける運動が適しています。ウォーキングや水泳、エアロビクスがこれに当てはまりますが、中でもウォーキングはいつでもどこでも手軽に取り組めるため、習慣的に続けやすいでしょう。
ウォーキングを行う際は、肘を90度に曲げ、腕を大きく振るようにして、少し脈が早くなる程度の速度で歩くのがポイントです。腕を振りながら歩くと、筋肉をたくさん使うので消費エネルギーが2割ほども増加します。
また、運動を開始してから約20分までは血液の中のブドウ糖が、それ以降は脂肪がエネルギー源としてたくさん使われます。そのため、血液中のブドウ糖を消費して血糖値を下げながら、インスリンの働きを妨げる物質を分泌する脂肪を減らすためには、できれば20分以上続けて運動しましょう。
・筋肉を鍛える運動
筋肉を鍛えると基礎代謝量が増え、太りにくい体質になります。基礎代謝量とは体温を維持したり呼吸を続けたりするために、安静にしていても消費されるエネルギーのことで、1日の全消費エネルギーの6-7割を占めています。さらに、同じ運動をした場合でも、筋肉量が多い人は少ない人に比べてよりたくさんのエネルギーを消費できます。
筋肉を鍛える運動には、ダンベルを使って負荷をかげながら行う体操などがあります。
ただし、際限なく激しい運動をするのは逆効果ですし、今まで使っていない筋肉に急に強い力をかけると、すじや関節を痛めたりして故障をする原因になります。ストレッチをして十分に身体をほぐした後、体力に見合った運動をしてください。
このような2種類の運動を体力に合わせて行えば、ブドウ糖や脂肪を効率よく消費し、血糖値を下げていくことができます。
また、適度な運動はストレス発散にもつながります。食事などの生活習慣に気をつけ、週に何度かは運動で気持ちの良い汗をかいて、気分をリフレッシュしながら糖尿病の改善に取り組みましょう。
備 考

糖尿病とは
糖尿病は「治す」のではなく、「コントロールする」病気です。
糖尿コントロールが良好なら、健康な人と変わらない生活を送ることが可能ですよ!
糖尿病の方のほとんどは、

病院で検査をしてもらい、そしてお薬をもらって帰ります。そして、毎日、毎日、お薬を飲みます。

食品交換表を見ながらカロリーを計算し、肉や油物などを我慢するという糖尿病食をがんばって実行(アルコールは控えるように求められます)。

さらには、毎日運動をかかさずすることを求められます。
しかし、

病院からもらうお薬の量や種類が、段々増えてきている効かないから量を増したり、効かないから薬の種類を変えるこれでいいのだろうか?

血糖値などの数値が下がっても、身体が元気になったような気がしないのはなぜだろう?

数値は下がっているが、薬を飲むのを止めればまた数値は上がるのではないだろうか?
自分はこのまま一生薬を飲み続けるのだろうか?
こんなことをお考えになったことはありませんか?
以上のようなことから、病院(現代医学)の治療法が、本当に糖尿病の根本治療になっているのかという疑問をお持ちになったことはありませんか?
現代医学をもってしても解決できない悩みに、漢方薬が効く!
ヘモグロビンA1cを下げる。血糖値を下げる。ということ。その考え方と、具体的な方法について、詳しくお伝えします。
漢方薬だから効く! 現代医学と漢方薬との違い
「食事制限も頑張っている。運動だって一生懸命にしている。薬だって言われた通りにちゃんと飲んでいる。なのに全然良くならない!」それは何故か?
1.糖尿病とは
糖尿病は、言葉どおりに、尿に糖(ブドウ糖)が出る状態だと漠然と思っている方も多いと思います。
糖尿病とは、膵臓(すいぞう)で作られるインスリンという名前のホルモンが不足しているか、インスリンの働きが悪くなってしまった結果、血液の中の糖(ブドウ糖)が異常に増加した状態です。

食事をすると血糖値が上がります、「血糖値」というのは血液の中の糖分(ブドウ糖)のこと」です。
食事すなわち栄養を取ってそれを吸収した結果、血液中にブドウ糖がたくさん入り込んだ状態が「食事をして血糖値が上がった状態」と言うことです。

ブドウ糖は、我々の全身の細胞のエネルギー源として使われます。そのためには、血液中のブドウ糖を各細胞の中に取り込まないといけません。血液中のブドウ糖を各細胞の中に取込ませる働きをしているのがインスリンです。

正常な場合

食事をして血糖値が上がると

インスリンが分泌される血液中のブドウ糖は各細胞の中に取込まれて血糖値が下がるというのが正常な状態です。

これに対して糖尿病の場合は、

食事をして血糖値が上がる

インスリンが分泌される

しかし分泌されたインスリンが正常に働かない、もしくは分泌量自身体が少ない

血液中のブドウ糖は各細胞の中に取込まれないで血液の中に残ったまま

まだ高いままのうちに次の食事の時間が来てしまう血糖値はいつまでたっても高いままというのが糖尿病です。
糖尿病の方の場合、食後2時間たっても、あるいは空腹時になっても血糖値が高いというのは、以上のような状態になっているからなのです。
2.糖尿病になってしまう仕組み
糖尿病ではない健康な人の場合は、

パン、ご飯、果物などを食べると、胃で消化・分解され、腸でブドウ糖に変換されます。

ブドウ糖は、腸から血液中に流れて行きます。

すると、すい臓はインスリンを製造し、血液中にインスリンを放出します。

インスリンの働きにより、ブドウ糖は細胞の中に入って行きます。

細胞は、ブドウ糖という栄養を摂ることが出来て、全身の細胞は、元気に働くことが出来ます。

ブドウ糖が、細胞の中に入っていった結果、血液中のブドウ糖の量は減り、血糖値は下がり正常な血糖値が維持されます。
健康な人であれば、以上のような仕組みで、食べた物がしっかりと身体に栄養になって健康を維持できます。
しかし、問題は糖尿病の場合です。糖尿病の場合は、ブドウ糖が細胞に入っていくことができません。
その原因は、

1.インスリンの出が悪い

2.インスリンに元気がない
以上の2つの場合です。それぞれについて以下で説明しますと
1.インスリンの出が悪い場合
インスリンの出が悪い場合は、すい臓の機能に問題がある場合です。
通常は、わたしたちが食物を食べると血糖値が上がるため、それを下げるために、すい臓がインスリンを製造します。
しかし、すい臓の機能が弱っていると、インスリン製造量が少なくなってしまいます。
その結果、食べた量に対して十分な量のインスリンが出ないために、細胞に入っていけるブドウ糖が限られてしまいます。
その結果、血糖値が上がったまま下がらない、という状態になってしまうのです。
2.インスリンに元気がない場合
インスリンそのものは必要な量出ているのに、インスリン自身体が元気がなく、十分な働きをしていない場合です。
3.現代医学による糖尿病の治療方法は?
糖尿病の時にお医者さんからもらう薬は、とてもたくさんの種類(製品)があります。しかし、基本的には次の3種類に分けることができます。
1.糖の吸収を緩やかにして、食後の急激な血糖の上昇を抑える薬(食後血糖改善薬)
2.インスリンの分泌を促進する薬(インスリン分泌促進薬)
3.インスリンに対する反応が鈍くなっている細胞に対して、反応をよくする薬(インスリン抵抗改善薬)
以上の3種類です。以下で詳しく説明します。
1.食後血糖値改善薬(メーグルコシダーゼ阻害薬)
メーグルコシダーゼ阻害薬には、グルコバイやアカルボースベイスンといった製品名のものがあります。糖の吸収を遅らせて食後の血糖値の急激な上昇を抑えるという働きです。
食前に飲んでおくと、食べた物の分解や吸収の速度を遅らせることが出来ます。ですので、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることが出来ます。
身体には、食べた物を分解する働きがありますが、腸の中にはこの分解を助ける酵素が存在しています。
この酵素の名前を、α‐グルコシダーゼといいます。
この分解酵素の働きを阻害しますので、α‐グルコシダーゼ阻害薬と呼ばれています。比較的副作用が少ない薬です。が、食べた物の吸収速度を抑えるだけで、最終的には食べた物は全部吸収さますので、食後の血糖値の急激な上昇を抑えるだけの働きです。
2.インスリン分泌促進薬
この種類の代表的なものには、ダイアグリコ、オイグルコン、アマリールいった製品名のものがあります。
この薬の作用は、すい臓を刺激してインスリンの分泌を高めようというものです。インスリンをもっと一杯出して、それによって血糖値を下げようという考え方です。
一見、根本的な解決になりそうに思えますが、すい臓のインスリンを分泌量が少なくなっているということは、すい臓が正常に働けないほど弱っているととうことなのに、さらにすい臓に鞭(ムチ)を打ってるようなものです。それではなお、すい臓は弱ってしまいます。
そんなことをしては、すい臓が元気になり正常な状態に戻れるとはどう考えても思えません。
3.インスリン抵抗性改善薬
この薬は、インスリンは出ているにもかかわらず、インスリンに対して細胞の反応が悪く糖を細胞内に取り込めない症状の時に使用します。チアゾリジン薬は、心不全・心不全経験者には使用できません。
糖尿病の薬は、いろんな製薬会社からいろんな商品名で出ています。
たくさんありますが、その働きは、大身体上記の3種類に分類することができます。そして、3種類のいずれもが、糖尿病の根本治療薬ではなく、血糖値の上昇を抑えることが目的です。ですので薬の使用をやめると、また身体調がおかしくなることが多いのが現実です。現在の西洋医学の薬での治療の限界を感じます。
4.がんばっても、治っていく気配がない
「食事制限も頑張っている。運動だって一生懸命にしている。薬だって言われた通りにちゃんと飲んでいる。なのに全然良くならない!」
という方も、少なくないのでないでしょうか?!現実は、一生懸命に毎日毎日努力していても、一向に改善する気配がない方の方が多いのです。
どうして、今の治療法では改善しない場合が多いのでしょうか?
それは、今の治療法の多くが糖尿の本当の原因にアタックしていないからです。
つまり、あくまでも現われた症状を抑える治療方法であって、糖尿病の根本原因を直接取り除く治療ではないからです。
5.では、糖尿病の根本原因とは何なのでしょう?
そして、なぜ漢方薬なら根本原因を取り除くことが出来るのでしょう?
漢方薬の服用で、ヘモグロビンA1cをさげる!血糖値も下げる!
漢方薬の服用で、ヘモグロビンA1cをさげる! 血糖値も下げる! そして糖尿病と「さよなら」することも可能にする!
1.糖尿病の本当の原因と、現代医学の糖尿治療の大きな問題点
糖尿病の原因は、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足だとお考えの方も少なくないのではないでしょうか?
しかし本当の原因は違うところにあります。
もし、糖尿病の原因が、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足だとしたら、そういう人の全員がみんな糖尿病になっているはずです。しかし、みなさんのまわりにも、自分よりたくさん食べたり飲んだりしているのに、糖尿病になっていない人がたくさんいるのではないでしょうか?
「何で俺が糖尿病で、あいつは何ともないんだ!」と腹立たしく感じることがありませんか?
食べ過ぎや飲み過ぎなどは、糖尿病の原因の一つになっていることは事実です。でも、面倒なカロリー計算をして食事制限をして、毎日運動をしていれば、糖尿病は治るのでしょうか?治る人もいるでしょう。でも、治らない人の方が多いのです!
その原因は、食べ過ぎや、飲み過ぎ、運動不足が、糖尿病の本当の原因ではないからです。
糖尿病の本当の原因は「糖代謝の異常」なのです。
身体の中で、ブドウ糖が正しく処理されていない、つまり代謝されていないことなのです。
ブドウ糖が、細胞の中にきちんと入っていってエネルギーに変わるという、身体の自然な作用が上手に働かなくなっていること、それが、糖尿病の本当の原因なのです。
現代医学の糖尿治療の大きな問題点は、糖尿病の根本原因を無視して、血糖値とヘモグロビンA1cを下げることに主眼を置き、それによって糖尿の進行を遅らせて、合併症が起きるのを遅くすることだけが治療目的になっている点です。糖尿の根本原因を治そうとしているわけではないのです。
身体がきちんと糖を代謝できないから、血糖値が上昇してしまうのです。
つまり、高血糖は、問題の原因ではなく結果なのです。
いくら薬を服用して血糖値を下げても、結果に対処しているだけであって、根本原因を治そうとしているわけではないのです。
2.漢方薬で、糖尿病の根本原因を取り除く!
糖尿病の本当の原因は「糖代謝の異常」と説明しました。
その際に考えられるのが
・インスリンの出が悪い
・インスリンに元気がない以上の2つの場合です。
このこと自身体を解決することが、「糖代謝の異常」すなわち「糖尿病の根本原因」を取り除くことになります。
漢方には、瘀血(おけつ)と言われる概念があります。
瘀血とは、一言で言いますと、血行障害です。
血行障害は、血流を「川の流れ」に例えれば、その流れに「澱(よど)み」が発生した状態です。この、「血液の流れの澱(よど)み」を、漢方薬では瘀血(おけつ)と呼んでいます。は、酸素や栄養を運んでいます。ですので瘀血が発生して血行障害が起きれば、新鮮な酸素や栄養が不足してしまいます。
漢方薬は、この瘀血を解決し、新鮮な酸素や栄養が十分にすい臓にも届くようにすることで、インスリンの分泌量が減っている、つまり、すい臓が正常に働けないほど弱ってしまっている状態を解決してゆきます。
現代医学の薬のように、弱っているすい臓を鞭打ち、無理やりインスリンを出させるのではないのです。
そして、同じ原理で漢方薬は、元気のなくなっているインスリンを元気にします。漢方薬で瘀血を解決することにより、ヘモグロビンA1cを下げ、血糖値を下げることが出来るのです。そしてさらには、糖尿病と「さよなら」することも可能になります。
3.漢方薬のもう1つの働き
それは怖い合併症を予防する。
糖尿病の3大合併症は、「糖尿病性網膜症」・「糖尿病性腎症」・「糖尿病性神経症」です。これらの合併症が進行していくと、失明、人工透析治療、身体の特定部分の壊死という、本当に大変な病状になってしまいます。
それら以外にも、脳梗塞や心筋梗塞といった、死と隣り合わせの危険な病気もまた、糖尿病が原因となっていると言えます。これらの合併症や関連の深い病気には、一つの共通点があります。それは、血液の流れが悪くなることです。
糖尿病とは、血糖値が高い状態がずっと続いているということです。血糖値が高いということは血液の中にたくさんのブドウ糖が存在しているということです。その結果、血液は、ドロドロ、ネバネバになってしまいます。
普通の水と砂糖水の違いを想像いただくと分かりやすいと思います。普通の水は、グラスを傾けるとスルッと水が流れ落ちてきます。それに対して砂糖水の場合は、ドロドロしているのでなかなか落ちてきません。砂糖の量が多ければ多いほど、落ちてきません。
高血糖(糖尿病の方)の血液も、血液中にブドウ糖という糖分が多く含まれているのですから、まさにこれと同じ状態なのです。
心臓から送り出された血液は、全身の隅々まで送られます。血管のほとんどは、毛細血管といってとても細い血管です。その細い血管の中をスムーズに流れるようにするためには、血液はサラサラでないとダメなのです。ドロドロしている高血糖の血液は、流れにくく、ついには血管内で詰まってしまいます。詰まってしまうと、上記の合併症や関連の深い病気を引き起こしてしまうのです。

「糖尿病性網膜症」は、目の網膜に栄養を運ぶ血管が詰まり、網膜が栄養を十分にもらえないことで起きます。

「糖尿病性腎症」は、腎臓の機能が弱くなってしまうことにより起きますが、その原因は腎臓内の血管が詰まったり、ドロドロ血液によって傷ついた血管が破れることによって起きます。

「糖尿病性神経症」もそうです。身体中にある色々な種類の神経は、血管を通って流れてくる血液により運ばれて来る栄養分をもらって神経の機能を果たしています。
しかし、血管が詰まってしまうと栄養をもらえなくなり、神経が弱ってしまいます。その状態が糖尿病性神経症です。
脳梗塞と心筋梗塞は、流れにくい血液が原因で血管が詰まることによって起きます。詰まりが、脳の血管内で起きれば脳梗塞です。心臓付近の血管内で起きれば心筋梗塞です。
このように、糖尿病の重大な合併症の主原因は、血液が流れにくくなることです。ですから、合併症を防ぐためには、血液の流れを良くすることです。ですから、漢方薬で、「血液の流れの澱み(よどみ)」すなわち「瘀血(おけつ)」を取り除くことは、とても重要なことなのです。
糖尿病薬物療法アルゴリズム

薬物療法アルゴリズムの登場により、日本人における血糖降下薬の位置付けは少しずつ整理されてきました。しかし、実臨床の患者は、年齢も体形も合併症もまちまちです。非専門医では、薬剤選択に悩むこともあるでしょう。糖尿病診療の経験豊富な医師が考える処方のポイントとは?

日本糖尿病学会は2022年9月、「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を公開しました。これまで、血糖降下薬の選択には明確な指針がなく、医師の裁量に委ねられてましたが、今回、エビデンスや国内の処方実態を基に、コンセンサスステートメントという形で整理されました。

同アルゴリズムでは、ステップ1として、【BMI】 25kg/m2を境に患者を肥満と非肥満に大別し、それぞれの候補薬を提示しました。さらに患者ごとに配慮すべき点として、ステップ2では、血糖降下作用の強さ、低血糖リスク、体重への影響、禁忌や注意点を、ステップ3では、心血管疾患、心不全、慢性腎臓病(CKD)などの合併症の有無を、ステップ4では、服薬アドヒアランスと医療費を挙げ、薬剤を選択することとしました。

心腎リスク×肥満にはSGLT2阻害薬かGLP-1薬か?

とはいえ、各薬剤の患者像を具体的にイメージするには、やはり豊富な診療経験がものをいいます。

同アルゴリズムのステップ3では、CKDや心血管疾患のある患者に対して、SGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬を考慮することとしています。臓器保護効果と体重減少効果が期待される両薬。GLP-1受容体作動薬にも経口薬が登場し、投与経路の差も埋められましました。では、それぞれの使い所はどう考えたらよいのだろうか?。

「肝保護の期待も込めて、1剤目としてSGLT2阻害薬を使うことがある」と語るのは園田クリニック(鹿児島県鹿屋市)院長の園田紀之氏です。一部の薬剤が慢性心不全とCKDの適応を取得しているSGLT2阻害薬だが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)にも有用な可能性が示唆されています。そのため園田氏は、高血圧や腎機能低下だけでなく、脂質異常症や脂肪肝も認める患者をSGLT2阻害薬の患者像の一例として挙げました。

心腎リスクと肥満を併せ持つ患者では、このようにエビデンスが豊富なSGLT2阻害薬が優先される傾向があります。一方、「食行動変容が期待できるGLP-1受容体作動薬が第一選択となる患者もいます」と語るのは、岡本医院 おかもと糖尿病・内分泌クリニック(大分県豊後大野市)院長の岡本将英氏です 。尿糖排泄を促進するSGLT2阻害薬は、患者の食生活に変化がなくても体重減少が期待できます。対して、GLP-1受容体作動薬の体重減少効果は、食欲抑制によるカロリー摂取量の減少が主な機序。そのため、「このくらいの食事量なら太らない」という患者自身の気付きにつながるようです。

従って、心腎リスクと肥満を併せ持つ患者では、GLP-1受容体作動薬を、食事療法がうまくいかない場合の候補薬として覚えておきたいです。王道のメトホルミン高齢者でも“元気”なら考慮。

同アルゴリズムの作成に関わった国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科の坊内良太郎氏によると、糖尿病診療の専門施設と非専門施設では初回処方薬に乖離があり、非専門施設の約4割がビグアナイド薬(メトホルミン)を1剤目の選択肢に入れていなかったです。乳酸アシドーシスの恐れがあるメトホルミンは、重度の腎機能/肝機能障害、心不全などの患者には禁忌で、高齢者には慎重投与とされています(表1)。そのため、非専門医には敬遠されがちです。しかし、「心血管イベント抑制のエビデンスがあり、抗腫瘍効果や抗認知症効果も示唆されているメトホルミンは、高齢者にこそ恩恵がある」と福田達也氏(東京都立大久保病院内分泌代謝内科)は語ります。「腎機能や肝機能に大きな問題がなく、心血管系障害もない “元気な高齢者” では、メトホルミンをきちんと考慮すべきだろう」(福田氏)。

また、「非肥満でも、筋肉量が少ないために脂肪量が相対的に増える『隠れ肥満』が案外存在する」と福田氏は指摘します。そのような患者では、体格に見合わないインスリン抵抗性を持っていることがあるため、メトホルミンが効果を発揮するようです。

なお、副作用も低血糖のリスクも少なく、使いやすいとされるDPP-4阻害薬については、「心血管系のエビデンスなどもなく、高用量のメトホルミンと比較すると、血糖降下作用がマイルドで第一選択にならないケースが多い」と福田氏。ただし、メトホルミンの禁忌例ではDPP-4阻害薬を考慮することもあるといいます。ルーキーのイメグリミンは高齢者の第一選択に化けますか?

2021年9月、世界に先駆けて発売されたイメグリミン。インスリン分泌不全と抵抗性の両方に作用することから、同アルゴリズムでは肥満、非肥満問わず、イメグリミンが候補薬として挙げられているが、実臨床でのデータに乏しく、患者像はまだ不鮮明なのが現状です。一方、発売から約1年間、イメグリミンを積極的に処方し、感触をつかんできた医師もいます。

豊殿診療所(長野県上田市)所長の戸兵周一氏は、「血糖降下作用はゆっくりながらも着実で、さらに乳酸アシドーシスや、体重減少に伴うサルコペニアの懸念もないことから、非肥満の高齢者に使いやすい」と、イメグリミン実力を評価しています 。

また、戸兵氏は自験例から、イメグリミンが握力増加などに寄与する可能性を見いだしており、「今後、膵外作用に関するエビデンスが蓄積すれば、イメグリミンは多くの高齢者の第一選択になり得るだろう」と期待します。

適応追加のあったSGLT2阻害薬、経口薬が登場したGLP-1受容体作動薬、非専門医が敬遠しがちなメトホルミン、新顔のイメグリミン─。本特集では、各薬剤を「1剤目に推したい患者像」について、各医師に具体例を創作してもらいました。記事B~Eを読み、「うちにもこんな患者さんがいるな」と思われたら、ぜひその薬剤を考慮してみてほしいです。