糖尿病では誘因は何であれ、最後には総て古人が消渇と呼んだ陰虚燥熱の証を呈してきます。陰虚による内熱と津液の損傷が基本的な病態ですね!。

水飲代謝の要所である脾、肺、腎の何処が失調するかによって・上消(肺)・中消(脾胃)、下消(肝腎)に分けていますが、臨床的にはこれら諸臓の病変は複合していて、明確に区別することはむつかしいです。

糖尿病の種類

糖尿病には、膵臓(すいぞう)でインスリンが作られなくなる「1型糖尿病」と、膵臓で作られたインスリンが十分に働かず、インスリンも十分に作られなし、「2型糖尿病」があります。

日本では糖尿病の95%以上が2型糖尿病です。2型糖尿病のなりやすい体質に、肥満、過食、運動不足やアルコールなどの要因が加わって発病します。


概 要

腎陰は腎精と腎水とより成り、従って腎は精(生命の基礎物質)を蔵し水を主ります。

腎陰虚は房事過度や不節制による腎精の消耗、熱入下焦による傷津あるいは他臓の傷陰が腎に波及することなどによって惹き起こされますね!。

腎陰が不足すると、腎陽(命門之火)を制禦できなくなるので、陰虚内熱を生じ五心煩熱する。同時に水液の代謝や運行が失調するので、多尿、頻尿など尿利異常を生じると共に、水飲が下焦から昇らなくなるので、ひどい口渇多飲を生じます。

また腎水が不足すると五臓を滋潤することができなくなるので五臓の津液がすべて枯渇し身体乾燥しますよ!。

腎陰が不足すると、水を主る働きと共に精を蔵す機能も失調するので、下消では男性の性欲仮性興奮、女性の夢交、不正性器出血等の性機能異常が出現します。

腎は五臓の本であり、五臓の陰はすべて腎陰を源にしているので腎陰が虚すと他の臓も皆影響を受け、肝腎陰虚や心腎不交など複合的な病態を呈してきます。


主症状

●尿量が多い・頻尿…腎が虚して気化作用か弱まり、水分を再吸収てきず排出されてしまう症状である。気化作用には昇と降の2作用がある。昇:体に必要な水分を再吸収する。降=不要な水分を尿に変えて排泄する。

●尿濁…気の固摂作用か弱まり、精微物質が外へ流れ出る症状てある。

●腰痛・膝の無力…「腎は骨を主る」「腎は腰を主る」とされ、腎の機能が低下した症状である。

●耳鳴・健忘・眩量…腎の蔵する精か減少し、頭部を養う髄も不足するために脳の病証が現れる。

●夢精・遺精…腎陰虚のため虚火か妄動し、精室を乱すことによって生じる症状である。

糖尿病はどうして起こるか?

糖尿病の主症状 糖尿病とは、血液に含まれるブドウ糖(血糖)の量が異常に多くなった状態です。

ブドウ糖は脳や筋肉の活動に欠かせない大切なエネルギー源で、私たちの身体には食べ物に含まれる糖質をブドウ糖に分解して吸収し、それをエネルギーとして利用するしくみが備わっています。

そして、このブドウ糖をエネルギーとして利用する時に大切な役割を果たすのがインスリンというホルモンです。

食事をした後は、食べ物から分解・吸収されたブドウ糖によって血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)がぐんと高くなります。

すると、身体はその血糖値の変化を察知し、膵臓からすばやくインスリンを分泌させて、血液中のブドウ糖を脂肪や筋肉の細胞に取り込ませるのです。

このように、食事から得られたブドウ糖は順次、インスリンの作用で身体の各組織に取り込まれ、エネルギーとして利用されたり蓄えられたりしますので、健康な身体では血液中のブドウ糖は増えすぎないように一定の濃度に調節されています。

ところが、何らかの原因でインスリンが必要な量だけ分泌されなかったり、十分に作用しなくなると、ブドウ糖は細胞に取り込まれないまま血液中に残り、血糖値が高くなってしまいます。

では、どうしてインスリンの分泌量が減ったり、うまく働かなくなってしまうのでしょうか。

●生活習慣の問題

近年、日本人の食生活は大きく変化し、脂肪が多い高カロリーな欧米風の食事を摂るようになりました。

また、自動車やエスカレーターが普及し、運動不足になりがちです。このような食生活の欧米化と運動不足によって、肥満体型の人が増えていますが、肥満し、身体に蓄えられてしまった脂肪、中でも内臓についてしまった脂肪からは、インスリンの働きを邪魔する物質が分泌されることが発見されています。

また、ストレス社会と言われる現代、誰もが日常的にストレスを受けているといっても過言ではありませんが、このストレスは血糖値を上げる作用を持つホルモンを分泌させ、インスリンの効きを悪くしてしまいます。

●体質の問題

インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞という部分で造られ、必要な時に必要な量を分泌できるしくみになつ.ています。ところが、遺伝的にインスリンを分泌する能力の低い人がいて、日本の糖尿病患者の大半はこの体質を持つと言われています。そして、このような体質の人は、40歳以上になると分泌がとくに不十分になりやすい傾向が見られるため、注意が必要です。

この他、病気や妊娠、薬の副作用が原因で起こる場合もありますが、現在、糖尿病の9割以上はこのような生活習慣と体質の2つの問題が重なり、起こっています。

糖尿病の症状は

糖尿病はごく初期の段階では全くと言ってよいほど自覚症状がありません。

そのせいか、病院や健康診断で糖尿病の可能性を指摘されても「たいしたことはない」と放っておく人も多いようです。

しかし、放置していると、次のような恐ろしい合併症を引き起こして取り返しのつかない状態になることもあります。

●恐ろしい合併症

糖尿病の合併症が最も現れやすいのは細い血管が密集している部分です。

とくに「腎臓」「眼」「神経」は毛細血管がたくさん集まっているために障害が起こりやすいと言われています。

・神経

感覚や運動を司る神経が障害を受けると、しびれたり、痛んだり、筋肉が縮んだりして、さらにひどくなると感覚がなくなってしまいます。

また、内臓の働きを調節する神経が障害を受けると胃もたれや便秘・下痢が起きたり、立ちくらみや異常な発汗が起きることもあります。

・眼

光を感じ、脳に映像を伝える大事な役割を持つ網膜に障害が起こると、「眼がかすむ」「糸くずのようなものがちらつく」といった症状から失明にいたることもあります。

日本では成人の失明原因の第一位が、この糖尿病による網膜障害です。

・腎臓

腎臓では血液中の老廃物や有害物質をフィルターでろ過するようにしてこし取り、余分な水分と一緒に尿として排泄しています。

腎臓が障害を受けると、フィルターの網目が粗くなって、本来はろ過されないタンパク質が尿の中に漏れ出します。

さらに障害が進むと、ろ過機能全体が不能となって血液の中に有害物質が溜まり、人工透析が必要な状態になることもあります。

また、これらの合併症以外にも次のような特徴的な症状がよく現われます。

●□渇、多尿、頻尿

糖尿病はラテン語で「ディアベテス・メリトス」と言います。ディアベテスはサイフォン(高いところがら低いところへ水を流す管)、メリトスは蜜という意味を持ち、蜜のように甘く、果実のような甘酸っぱい臭いのする尿がとめどもなくたくさん出る状態を表しています。

血糖値が高くなると、濃くなってしまった血液中のブドウ糖の濃度を薄めるために、水分が全身の組織から血管の中へと集められ、その水分がどんどん尿として排泄されるので、「多尿」「頻尿」が起こります。また、たくさん尿が出て身体の水分がどんどん排出されると脱水症状が起こり、やたらとのどが渇くようになります(「口渇」)。

ところが、いくら飲んでもその水分は次々に尿に出てしまうため、のどの渇きはおさまりません。このように、激しくのどが渇き、いくら水を飲んでも、摂つた水分が尿として身体の外に消えていく状態のことを指して、漢方では糖尿病を「消渇」とも呼んでいました。

これら以外にも「疲れやすい」「食欲が異常に湧く」「痩せてくる」など、糖尿病から起こる可能性のある症状はたくさんあり、どのような症状がいっ現われるかは、人それぞれに違います。しかし、糖尿病による障害はどんな場合でも自覚症状のないごく初期の段階から始まり、少しずつ進行しているのです。

症状がないからといって安心せず、早めに改善にとりかかりましょう!。


治 療

糖尿病の合併症とは

糖尿病で問題となるのは、血糖値が高いことにより、血管が障害され・からだのいろいろな部分に影響(合併症)が出てくることです。

このため、糖尿病は「血管の病気」ともいわれます。糖尿病の合併症は「細い血管におこる病気(細小血管症)」と「太い血管におこる病気(動脈硬化)」の二つに大きく分けられます。

細い血管の病気は眼(網膜症)、腎臓(腎症)、神経(神経障害)におこります。また、太い血管の病気である動脈硬化によって心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血、足病変(壊疽)がおこってきます。

糖尿病を治療する主な目的はこれら血管合併症を防ぐことにあります。したがって、血糖をコントロールして合併症が進まないようにすると同時に定期的に合併症の検査を行うことも必要です。

糖尿病の検査と診断

のどが渇く、尿が多くなったという症状や尿に糖が出ることは糖尿病を疑うきっかけとなりますが、それだけでは糖尿病と診断できません。

糖尿病を確実に診断するためには、血液をとって血糖値がどれくらいかを調べなくてはなりません。空腹時(朝食前)の血糖値が126mg/d1以上か、あるいは食後の血糖値が200mg/d1以上であれば、糖尿病が非常に疑わしいことになります。

この場合、のどが渇く、尿が多い、体重が減っているなどの糖尿病に典型的な症状があれば、糖尿病と診断されます。

典型的な症状がないときは、別の日にもう一度血糖値を調べて、それでも高い場合は糖尿病と診断されます。

空腹時や食後血糖検査だけで糖尿病の診断がつけられないときは、「経ロブドウ糖負荷試験」という検査を行います。

これは糖尿病をもっとも確実に診断できる検査で、ブドウ糖を飲んで、30分から1時間おきに採血して血糖の変化を調べます。


治則説明

糖尿病治療原則

糖尿病の治療原則は、食事療法・運動療法・薬物療法の3つからなりたちますね!。

1型糖尿病ではインスリン療法が、2型糖尿病では食事療法・運動療法が基本になります。

2型糖尿病では、まず食事療法・運動療法によってインスリンの働きを良くすることからはじめます。

インスリンの働きがよくなれば、膵臓(すいぞう)への負担も減り、インスリンがまた作られるようになります。

食事療法・運動療法を行ってもインスリン不足やインスリンの不足を補えないときには、インスリン分泌を増やす薬やインスリンの働きをよくする薬を内服します。

それでも血糖が下がってこなければインスリン療法を行うことになります。

薬を内服しても、インスリン療法を行っても食事療法と運動療法が治療の基本であることには変わりません。

内服薬もインスリンも、食事療法と運動療法という土台の上で行われてはじめて効果を発揮するからですよ!。


使用漢方薬

次の漢方薬が、糖尿病・陰虚燥熱型・下消(腎陰虚)に対してよく効く可能性が高いです。

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処方名:六味地黄丸

六味地黄丸

処方名:八味地黄丸

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処方名:知柏地黄丸

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処方名:牛車腎気丸

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処方名:麦味地黄丸

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処方名:杞菊地黄丸

杞菊地黄丸


糖尿病対策

身近なところがら見直していきましょう

糖尿病に悩む人の数は年々増え続け、近い将来には一千万人を突破すると予想されています。このような急激な増加の背景には食生活の欧米化や運動不足、ストレスといった生活習慣の問題があります。 そこで、糖尿病の改善には、食事や運動といった日常の基本的な生活習慣を見直すことが欠かせません。


舌 質

舌紅



舌 苔

苔少



脈 診

沈細気血不足と腎病を示す脈象 沈細気血不足と腎病を示す脈象


暮しの養生

●食生活を見直しましょう

・エネルギー量は適正ですか?

食事で摂るエネルギー量が多いと、その分、血糖値は上がりやすくなります。

食事は体型や日常の活動程度に見合ったエネルギー量の範囲に抑えるようにしましょう。

また、酒類はカロリーが高いばかりで、栄養としての利用価値はありません。そのため、糖尿病の人は禁酒が原則です。

・栄養のバランスはとれていますか?

糖質・タンパク質・脂質は三大栄養素と言われ、この3つの理想のバランスは糖質50-60%・タンパク質が15-20%・脂質が20-25%の割合です。ところが最近、糖質の摂取量が減り、脂質の摂取量が増えています。

脂質は三大栄養素の中で最もエネルギー量が多く、脂質の割合が増えると食事全体のエネルギー量は過剰になりがちです。

また、脂質の多い食事を摂り続けると、高脂血症や動脈硬化などの病気になる危険も高まります。脂質の摂りすぎを防ぐためには、ご飯を主食に、油を控えめに調理した和食中心の献立が良いようです。

さらに、食物繊維には食後の血糖値を上げにくくする働きがありますので、献立には食物繊維が豊富な野菜やきのこ類、海藻類を取り入れてください。

1回の食事に2品程度は野菜のおかずを食べるようにすると良いでしょう。

・決まった時間に食事をしていますか?

1日の摂取エネルギー量が適正で、栄養バランスが取れていても、食事の回数が少なく、1回に食べる量が多いと台無しです。血糖値が上がりやすくなりますし、身体に脂肪がつきやすくなってしまいます。

また、食事時間が不規則だとインスリンが分泌される時間も不規則になり、膵臓の働きに負担をかけやすいうえに、インスリンの作用も低下しやすいと言われています。

食事は1回の量がなるべく均等になるように3回以上に分けて、決まった時間に摂るようにしましょう。

●運動を習慣化しましょう

・運動不足と感じていませんか? 仕事はデスクワークでほぼ一日中座りっぱなし、休日の外出は少しの距離でもつい自動車を使ってしまう。

こんな生活では、どうしても運動不足になりがちです。「できるだけ階段を使う」「少し遠くても歩いて行く」など、普段の生活の中で少しずつでも身体を動かすように意識してください。

また、週に何度かは運動する習慣をつくりましよう。

運動にはエネルギーを消費する運動と筋肉を鍛える運動の2種類があり、糖尿病改善にはこれらを組み合わせて行うのが最も効果的です。

・エネルギーを消費する運動

エネルギーを消費する運動には、人と会話ができるくらいの比較的軽い強度で持続的に続ける運動が適しています。ウォーキングや水泳、エアロビクスがこれに当てはまりますが、中でもウォーキングはいつでもどこでも手軽に取り組めるため、習慣的に続けやすいでしょう。

ウォーキングを行う際は、肘を90度に曲げ、腕を大きく振るようにして、少し脈が早くなる程度の速度で歩くのがポイントです。腕を振りながら歩くと、筋肉をたくさん使うので消費エネルギーが2割ほども増加します。 また、運動を開始してから約20分までは血液の中のブドウ糖が、それ以降は脂肪がエネルギー源としてたくさん使われます。そのため、血液中のブドウ糖を消費して血糖値を下げながら、インスリンの働きを妨げる物質を分泌する脂肪を減らすためには、できれば20分以上続けて運動しましょう。

・筋肉を鍛える運動

筋肉を鍛えると基礎代謝量が増え、太りにくい体質になります。基礎代謝量とは体温を維持したり呼吸を続けたりするために、安静にしていても消費されるエネルギーのことで、1日の全消費エネルギーの6-7割を占めています。さらに、同じ運動をした場合でも、筋肉量が多い人は少ない人に比べてよりたくさんのエネルギーを消費できます。

筋肉を鍛える運動には、ダンベルを使って負荷をかげながら行う体操などがあります。

ただし、際限なく激しい運動をするのは逆効果ですし、今まで使っていない筋肉に急に強い力をかけると、すじや関節を痛めたりして故障をする原因になります。ストレッチをして十分に身体をほぐした後、体力に見合った運動をしてください。

このような2種類の運動を体力に合わせて行えば、ブドウ糖や脂肪を効率よく消費し、血糖値を下げていくことができます。

また、適度な運動はストレス発散にもつながります。食事などの生活習慣に気をつけ、週に何度かは運動で気持ちの良い汗をかいて、気分をリフレッシュしながら糖尿病の改善に取り組みましょう。


備 考

糖尿病とは

糖尿病は「治す」のではなく、「コントロールする」病気です。

糖尿コントロールが良好なら、健康な人と変わらない生活を送ることが可能ですよ!