概 要
肝は蓄えた「血」を全身に送り、「気」をめぐらせる臓器です。
頭痛は気血の流れが滞ることが原因のひとつとなるため、こうした肝の働きと頭痛には深い関わりがあります。
肝はストレスの影響を受けやすく、過度なストレスを受けるとその機能が低下してしまいます。その結果、気血の流れが悪くなり、頭痛が起こりやすくなるのです。
悩んだり、イライラしたりしやすい人は、日頃から上手にストレスを発散し、肝を健やかに保つよう心がけましょう。
治 療
使用漢方薬
次の漢方薬が、慢性頭痛・内傷頭痛・肝気鬱結証に対してよく効く可能性が高いです。
処方名:加味逍遙散
更年期のものに良い。
処方名:大柴胡湯
便秘があるもの。
処方名:柴胡桂枝湯
ストレスや神経症の要素がつよいもの。
備 考
つらい頭痛の予防は、生活習慣の改善から
ストレスや睡眠不足、疲労、食事の不摂生……。頭痛を引き起す原因は、こうした日常生活の中に潜んでいます。慢性的な頭痛に悩んでいる人は、まず生活習慣を整えることが大切。遠回りなようでも、身体全体の健康を保つことが頭痛の予防にもつながります。
また、頭痛のサインを感じたら、ひどくなる前に症状を抑えることも大切。無理をせず、少し休んで身体の疲れをほぐすようにしましよう。
暮らしの養生
@ラジオ体操、ウォーキング、太極拳など、ゆっくりとした運動を
A質の良い睡眠を十分にとって、疲労の回復を
Bぬるめのお湯につかって血行を促進。入浴時間は10分程度
C排便をよくするため、食物繊維の多い食事やヨーグルトを
D喫煙や飲酒は控えめに。酒は1日1合が目安です