木防已湯 of 方剤別漢方薬

ドラクロ方剤別漢方薬

印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |


方剤別漢方薬 Last Updated 2010-06-30
HOME > 漢方menu > 木防已湯

概 要

①心不全、②心臓性喘息、③肺水腫、④腎炎。通常、心下居堅(しんかひけん)といって、心下部が板のように堅くなり、尿量減少と浮腫があって、息切れ・動悸・喘鳴などを伴うことを目標とします。

こんな方に

熱湿証の方

主 治

気虚血瘀型心不全・心臓喘息(ぜんそく)

適応症

鬱血性心不全、腎臓疾患、浮腫、心臓性喘息、心内膜炎、心臓弁膜症、慢性腎炎、ネフローゼ

妊娠・授乳の注意

女性

●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。

診断のポイント

心下痞
●呼吸促迫、喘咳
●うっ血性心不全の兆候

弁証論治

●心肺気虚 »

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦250年 三国時代 『金匱要略』 校訂 →処方使用期間:1757年間


症例・病例・治癒例・case study(case study)

【木防已湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈心臓性喘息〉

治例図 65歳の男性。

8ヵ月前より毎夜喘息様発作が起こり、増悪するばかりであった。発作は毎夜半、痰が出るまで苦しむ。脈は弦大浮で、腹は肝臓が5横指ほども肥大し、上腹部一体が板のように硬く触れる。大便は秘結し、夜2~3回排尿があり、尿中蛋白、ウロビリノーゲンともに陽性。発作時は口渇が甚だしく、下肢浮腫がある。

増損木防己湯を与えたところ、漸次快方に向かい、発作の回数が少なくなり、肝臓の肥大が減じて2横指ぐらいとなった。

・現代病名:心臓性喘息

区切り線

2〈心臓弁膜障害〉

治例図 41歳の男性。

顔面浅黒く、口唇暗紫色、15年前に関節リウマチに罹患し、約4年前から心悸、呼吸困難 が起こった。

自覚症は大便1日1回、小便20回、心悸・呼吸困難・咳漱・頭痛・心下部居塞感・発汗傾向がある。

他覚症は、脈沈緊・舌少し白苔・心下部に強い抵抗・圧に対して不快感・心濁音界拡大・収縮期雑音が著しい。

木防已湯を与え、5日後に心悸と咳漱消退、1ヵ月でほとんど自覚症が消失して就業、1年3ヵ月服用して腹部心下部症状がほとんど正常となった。

・現代病名:心臓弁膜障害

区切り線

3〈心臓性喘息と腹水〉

治例図 63歳の男性。

70キロ以上の太った人で、腹部は太鼓のように突き出ている。一見して顔色が紫色に鬱血して、手の甲は丸くなるほどむくんでいるのがわかる。下肢にも中等度の浮腫があり、腹水もたまっている。

主訴は、呼吸困難で、歩行時とくにひどい。横臥不能で、腹水と四肢の浮腫があり、腹囲は1メートル5センチもある。心下部は肝臓の腫大のため、盆を半分のみこんだように堅く触れる。按ずと圧痛苦悶を訴える。心持動不整であるが、雑音は著明でない。脈は沈緊である。尿は100㏄ぐらい数回、蛋白中等度、血圧は115/85、心臓と肝臓と腎臓が悪いといわれ、4ヵ月も入院していた。

この患者の症候はすなわち「その人喘満、心下痞堅、面色黎黒、脈沈緊」の条文にあてはまるものである。

分消湯は効なく、木防已陽加茯にすると、10日分で呼吸困難、胸内苦悶は拭うようにとれた。初診時は家人の肩につかまってやっと来院したが、2回目のときは途中休まず平気で歩いてきた。尿量増加して腹水も浮腫も消失し、心下部も軟かとなり、横臥可能となり、仕事も少しずつできるようになった。

・現代病名:心臓性喘息と腹水

区切り線


処方別・製品一覧


個人輸入(逆輸入)

コタロー 木防已湯 エキス細粒の通販画面へコタロー 木防已湯 エキス細粒の通販画面へ »
小太郎漢方製薬小太郎漢方製薬 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:N36
本剤は、〈散剤〉です。
医薬品の個人輸入
コタロー 木防已湯 エキス細粒のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k2159 2.0g×42包(2週間分) 3,932円(税込)
数量
k2160 2.0g×231包(77日分) 18,608円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…0円

SSL説明ページへ

*【カゴに入れる↓】ボタンをクリックするとあなたの買物カゴに商品が1個入ります。
*複数個お買い上げの場合は数量を入力して、【カゴに入れる↓】ボタンをクリックして下さい。
*別の商品の【カゴに入れる↓】ボタンをクリックするとあなたの買物カゴに別の商品が追加されます。
*このご注文からSSL(セキュリティ機能)を使用しますので、あなたの情報は安全に守られます。
CreditCardの使用ができるようになりました。

  リンク電話注文 »電話注文 リンクFAX注文 »FAX注文 リンクメール注文 »メール注文 リンク直接来店 »直接来店

漢方薬


ツムラ 木防已湯 エキス顆粒(医療用)の通販画面へツムラ 木防已湯 エキス顆粒(医療用)の通販画面へ »
ツムラツムラ » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:36
本剤は、〈顆粒剤〉です。
医薬品の個人輸入
ツムラ 木防已湯 エキス顆粒(医療用)のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k0650 42包(2週間分) 4,699円(税込)
数量
k0778 189包(63日分) 18,608円(税込)
数量
SSL説明ページへ

*【カゴに入れる↓】ボタンをクリックするとあなたの買物カゴに商品が1個入ります。
*複数個お買い上げの場合は数量を入力して、【カゴに入れる↓】ボタンをクリックして下さい。
*別の商品の【カゴに入れる↓】ボタンをクリックするとあなたの買物カゴに別の商品が追加されます。
*このご注文からSSL(セキュリティ機能)を使用しますので、あなたの情報は安全に守られます。
CreditCardの使用ができるようになりました。

  リンク電話注文 »電話注文 リンクFAX注文 »FAX注文 リンクメール注文 »メール注文 リンク直接来店 »直接来店

漢方薬



ページの先頭へ

ご注文は、上記買物カゴ、E-メール、電話、またはFaxで承ります。

●ご注文は、上記買物カゴ、E-メール、電話、またはFaxで承ります。

所在地所在地 〒134-0085 東京都江戸川区南葛西4-3-10 ハル薬局
電 話電 話 03-3686-5709
FAXFAX 03-3686-7547 [Fax注文書へ »]
E-メールE-メール ハル薬局への連絡はこちら »
支払方法 お支払方法(決済方法)のページへ »
特定商取引法 特定商取引法に基づく表示へ »
送 料送 料 ●本体価格5,000円(税込価格5,250円)以上お買い上げの場合は、送料無料です。
●本体価格5,000円(税込価格5,250円)未満のお買い上げの場合は、送料全国一律500円です。
●国外の場合は、別途実質送料を申し受けます。
500円
その他負担すべき金銭その他負担すべき金銭 ●消費税は、別途申し受けます。(販売価格の5%です)税込価格は全て表示してあります。
●ゆうパック(代引き)の「代金引換手数料」は無料です。
●銀行振込の場合は「振込手数料」が必要です。
●郵便振替の場合は「郵便振替手数料」が必要です。
返 品返 品 ●返品は、商品を開封せずお届けから2週間以内であれば、お受けします。返品の為の送付料はお客様の負担でお願いします。



証の判定

判定

証(症状・体質)判定を望む方判定の方右矢印 陰陽(太極図)証の判定メニュー画面へ »
※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。Java

中医学の証・解説

次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。

木防已湯 朱雀:四神の獣・南方の守護神

【中薬大分類】祛湿剤…停滞した水液(湿)を除去する方剤です。

【中薬中分類】利水滲(しん)湿剤…湿を排泄する方剤です。

八綱分類

裏熱実(りねつじつ) 裏 熱 熱 実 …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(炎症)、虚証(やや虚弱)、湿証(水分停滞)の方に適応します。


【証(病機)】飲停胸隔(いんていきょうかく)

中医学効能(治法)

瀉熱逐飲・利水滲湿・益気・清熱

用語の説明(term)

瀉熱(しゃねつ)…熱の過剰な状態を改善することです。

利水(りすい)…腎を温めて、脾を健全にすることです。尿や発汗のことです。水気を下行させて通利することです。利尿、導尿がそれです。薬物では猪苓・沢瀉・通草などにその作用があります。

益気(えっき)…気を補充することです。

益気法(えっきほう)…気虚を補う補法のひとつです。

清熱(せいねつ)…熱をさますことです。身体の内部の熱を冷ますことです。体表の熱の場合は解熱といいます。

使用目標(aim)

本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●脈やおなかが非常に弱い人には用いない。
●動悸、息切れがする。
●息苦しく、横になって寝ていられない。
●心下部(みずおち辺り)が板のようぜんがいに硬く、喘咳(ゼーゼーしたせき)がある。
●全身の中でも特に下半身にむくみがある。
●のどが渇き、水分を取っても尿量が少ないが、横になると尿意をもよおす。
●顔色が薄黒い。
●脈は沈んでいて緊張している。

組成成分

各生薬の詳細説明にリンクします。
石膏  防已  桂皮  人参 

中薬構成(herb composition)

神農

方剤の名は木防已湯ですが、使用経験より見て、木防已を用いず、防已(漢防已)を用いるのがよいとされています。
石膏は強い寒性薬、防已は利尿薬で、この二つが主薬を成しているので、本方剤は熱証用で湿証用と言うことができます。防已・石膏・桂枝はいずれも発散薬で、停滞した水分を発散させる方剤です。
石膏・防已という強い潟性薬が入っているので、著しい虚証には用い難いですが、桂枝・人参、ことに人参という補性薬が入っているので、息切れなどの虚証症状はあってもさしつかえありません。

神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。

処方画像

心臓にかかわる慢性症状心臓にかかわる慢性症状に応用
心臓の病というと、心筋梗塞や狭心症がまず思い浮かびます。これらは、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養素を運んでいる冠状動脈の内部に、コレステロールなどがたまって血管が狭くなり、心臓の筋肉に十分な血液が行き届かなくなった結果、心臓の働きが低下して起こる心臓疾患の代表です。心臓に疾患があると、症状として動悸、息切れ、めまい、立ちくらみ、呼吸困難などが伴います。このうちの動悸や息切れ、呼吸困難以外に、血色が悪く胸痛がしたり、みずおち辺りが硬い、のどが渇き水分を補給しても尿量が少ない、むくみがあるという場合には、心臓弁膜症や心臓ぜんそくなどの病が疑われます。
同じ心臓疾患でも、心臓弁膜症や心臓ぜんそくなどにかかわる症状、あるいはその慢性状態、または亜急性(軽い急性の状態が少し長引いている)の状態である場合に用いられるのが木防已湯です。
水毒を取り去って改善へ導く
木防已湯の使用目標となる症状の中でも、特にポイントとなるのは「浮腫(むくみ)」と「心下居堅(みずおち辺りが張って硬い状態)」です。浮腫は、ほかの部位にも認められることがありますが、特に下半身に集中し、足がひどくむくみます。これは心臓疾患以外にも原因が考えられ、例えば脚気、婦人科系のがんや直腸がん、フィラリアなども挙げられます。こうした場合、西洋医学ではまず原因を突き止めることを優先しますが、漢方では「足の浮腫には、まず木防已湯を服用せよ」という考え方があり、原因の追及は後でもよいとされています。
心下居堅では、心下部(みずおち辺り)を触ると張って硬いばかりでなく、押すととても痛みます。その原因は、皮膚の上から触れるはずのない内臓(特にみずおち付近に位置する消化器系の内臓)が、腫れ上がっているからです。症状がさらにひどくなると、石のように硬くなるので「心下石硬」といわれます。こうした症状は、体内での水の流れ、あるいはリンパ液の流れが滞っている、またはつかえているための水毒が原因とされ、木防已湯が用いられます。
木防已湯は水毒を取る石膏剤であり、炎症を鎮める石膏が多く含まれていますが、防已を加えていることで、体内のむくみを取る作用が強化されます。さらに、桂枝や人参が痛みを取り去り代謝を促進するので、圧迫された痛みを解消し、息苦しい状態も改善されるのです。

クスリ

備 考(Remark)

中医師 体内にある水毒を排出する働きに優れ、皮膚の腫れやむくみ、あるいは組織間にあるむくみなどの浮腫を解消し、硬くなった部位を緩めて、呼吸困難、動悸、口渇、尿量減少などを改善します。心臓性ぜんそくをはじめとする心臓疾患を中心に、ネフローゼなどの腎臓病にも用いられます。