参苓白朮散 of 方剤別漢方薬

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方剤別漢方薬 Last Updated 2010-06-30
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こんな方に

やせて顔色も悪い方

主 治

脾虚下痢(泄瀉)(消化不良・下痢(泄瀉)、軟便を伴う脾胃の気虚)/脾陰虚の代表方剤

適応症

消化不良症、慢性胃腸炎、貧血症、ネフローゼ症候群、慢性腎炎、その他の慢性疾患で、脾胃気虚・脾陰虚の軟便~下痢(泄瀉)傾向を呈するもの。

診断のポイント

●食欲不振、食べると腹が張る。
●顔色が萎黄。
●口唇の乾燥、口乾。
●元気がない、疲れやすい。
●便秘または泥状便。
●多痰、咳嗽。

弁証論治

●気虚 »
●脾気虚(脾胃気虚・脾胃虚弱・中気不足) »
●寒湿困脾(湿困脾胃) »
●脾肺気虚 »

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦1107年 宋時代 『和剤局方』 陳思文 →処方使用期間:900年間


症例・病例・治癒例・case study(case study)

【参苓白朮散の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈感冒〉

治例図 茨城県石岡市。69歳/女性。
2、3日前から水様性の便が続いていると相談を受けた。体温は朝36.5度、昼37度、夜38度と徐々に上昇。味がなく、食欲不振、小便不利、体が重だるいとの事。鼻汁は薄く緑色に色づいて粘り気が多い。軽い咳があり、痰も薄緑色で少し粘りがあり、からむ程度である。面色は白く、むくみがある。霍香正気散を3日分服用していただいた。
3日後、便は普通便になり、鼻汁・痰もずっと少なくなり咳が止まった。体に力が湧いて、食欲も出ておいしく食べられるようになったと喜ばれた。小便の出も改善した。
※平成14年9月下旬、胃ガンの切除後、脾胃気虚になり、頻繁に下痢を起こし、体力低下がはなはだしいので普段は参苓白朮散料を服用していただいている。

弁証論治 リンク脾気虚(脾胃気虚・脾胃虚弱・中気不足)証 »

・現代病名:下痢

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2〈アトピー性皮膚炎〉

治例図 7歳/男児。
体格はやせ型で顔色は青白く腺病質、食欲不振で精神不安がある。皮膚の分泌物が多く痒いと相談に来られた。
米を食べるとアレルギーが出てしまい、人工米(給食も特別食)で、ご飯がおいしくないとの事。
参苓白朮散料を用法用量通り服用していただいた。3ヵ月後、皮膚がきれいになり、米も普通に食べられるようになった。
脾虚の治療がアトピー改善につながったと考えられる。

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・現代病名:アトピー性皮膚炎

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3〈不眠および胃腸障害〉

治例図 鹿児島県鹿児島市。48歳/女性。
身長152cm、体重40kg。不眠はストレス由来のもので、耳鳴りとイライラを伴う。顔色は白く、ひどく神経質。胃腸障害としては下痢しやすい、食後の膨満感を訴える。平成5年に卵巣嚢腫の手術をしている。「不眠を何とかしで欲しい」と来局された。
抑肝散加陳皮半夏を処方。これがよく効き、1本目からよく眠れるようになったと喜ばれた。その後、下痢や食後の膨満感を治して欲しいということで、六君子湯を投与。「あまり効かない」とのことで、半夏瀉心湯に変方した。ところがひどく便秘をして、これも合わないといわれた。そこで、下痢しやすく、元来やせ方という体型を目標に参苓白朮散料(1回1.5g、1日3回毎食前服用)を14日分投与。服用していると、何となく調子がいいといわれ、同処方をさらに14日分投与した。
結果として下痢しにくくなり、食後の膨満感も軽くなった。その後も抑肝散加陳皮半夏と参苓白朮散料を併用している。3ヵ月後、体重が1kgほど増えたとの報告をうけた。

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・現代病名:不眠・胃腸障害

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4〈潰瘍性大腸炎の治療 後期の軟便〉

治例図 年齢/25歳 性別/男性。
身長152cm、体重48kg。体質はアレルギー(湿熱)傾向。アトピーを伴う潰瘍性大腸炎で来店。湿熱、痰熱の強い方である。竜胆瀉肝湯、温胆湯等を使い症状がおさまったが、軟便(粘りなし、時々水様)になった。食欲が時々なくなるが、だるさはない。
軟便を改善する目的で参苓白朮散料を加えたところ(1回1包、1日3回)、1週間後から便が硬くなりはじめ、2週間で正常に近くなった。その間、食養生の指導は通して行っていた。
併用薬は証陽散、帰脾湯、杞菊地黄丸。

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・現代病名:軟便

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5〈不眠〉

治例図 福島県南相馬市。年齢/38歳。性別/女性。
眠れないとの事で睡眠薬を買いに来られた。身長155cm、体重40kg、痩せ型で貧血気味、胃弱のようだった。
胃弱に対して、昼に参苓白朮散料を、不眠に対して夜に温胆湯を各1週間分服用していただいた。1週間後来店され、よく効いて眠れるようになったと喜ばれ、現在も継続して服用中である。

・現代病名:不眠症

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処方別・製品一覧


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判定

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中医学の証・解説

八 法

補法:気血陰陽あるいは臓腑の虚損を補養する治法です。

【中薬大分類】補益剤…正気を補う方剤です。補益薬を主体にして正気の不足である虚証を改善する方剤です。扶正剤・補剤ともいいます。

【中薬中分類】気陰双補剤…気虚と陰虚が同時に見られる病態に用いる方剤です。脾気虚で運化が不足したため脾陰も不足した脾気陰両虚、あるいは熱病による傷津耗陰に伴って気が耗損して生じる全身性の気陰両虚がよく見られます。

八綱分類

裏熱虚(りねつきょ) 裏 熱 熱 虚 …証(体質・症状)が、裏証(胃腸)、熱証(口乾、手足のほてり)、虚証(元気がない、疲れやすい)、湿証(痰)の方に適応します。


【気血津・臓腑証】
脾気陰両虚(ひきいんりょうきょ)…あきらかな脾の気陰両虚では、食欲不振・空腹感の欠如・少食・食後の腹満・疲れやすい・元気がないなどの気虚の症候(脾陰虚にも共通する症候が多い)と共に、体の熱感(とくに手足のほてり)・口内の乾燥感・口唇や口囲の乾燥・微熱・四肢のしびれ感・指尖辺の角化などの陰虚の症候がみられます。舌質は胖大で紅・舌苔は少・あるいは地図状舌、脈は細軟でやや数のことが多いです。しかし、一般には脾胃気虚の症候が前面に出るために、脾陰虚の症候が潜在化する傾向があります。脾陰虚がみられれば山薬を主体に扶脾薬を配合すればよいが、参苓白丸散を用いるのがもっとも良いです。また、脾胃気虚と考えられる病態に一般の補気健脾薬を用いたにもかかわらず、あまり有効でない場合には、潜在している脾陰虚の面を考慮して本方を用いると卓効を示すことも多いです。

脾胃気虚の水滞・気滞(ひいききょのすいたい・きたい)…脾胃気虚に特に適しています。脾胃気虚で、食欲がない・少食・食べると腹が脹る・悪心などがみられ、さらに水様性下痢(泄瀉)(小腸性下痢(泄瀉))あるいは食べるとすぐ排便があるといった状態に適しています。また、脾胃気虚の症候に浮腫(主として下肢)やむくみが伴う場合にも良いです(低タンパク性浮腫・ネフローゼ症候群などでみられます)。

【証(病機)】脾気陰両虚・脾虚湿盛(ひきいんきょうきょ・ひきょしつせい)

中医学効能(治法)

補気健脾、理気化湿、滲湿止瀉・滋補脾陰

用語の説明(term)

気陰両虚(きいんりょうきょ)…気虚と陰虚の両方あるときに気陰両虚といいます。熱病による消耗や慢性疾患などで見られます。多くは陰虚の病態が先行し、ひきつづき元気が衰えて発生する、易疲労・気力や元気がないなどの気虚の症候とともに、口乾・ほてり・熱感などの陰虚の症候がみられます。

補気(ほき)…気を補う=益気のことです。

健脾(けんぴ)…脾の働きです。脾胃の機能を正常にする治療法です。

理気(りき)…理気:気の流れを良くすることです。気(氣)を正常に巡らせ機能を回復する治療法です。

化湿(けしつ)…体内の余分な水分を排出させることです。

止瀉(ししゃ)…下痢を止めることです。

中薬構成(herb composition)

神農

脾気・脾陰・脾湿に対応した組み合わせになっています。
補気健脾の四君子湯で脾気を健運し、山薬・蓮子・篇豆・ヨクイニンで脾陰をおぎなうことで脾気をたかめ、和胃降逆の縮砂と桔梗によって胃降と脾昇を整えて運化を助けます。
利水滲湿の白朮・茯苓・ヨクイニン・篇豆と収渋止瀉の山薬・蓮子の配合から、滲湿止瀉にも働きます。

神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。

合 方(複数の漢方薬を合わせた処方)

(複数の漢方薬を合わせた処方)
他剤との効用併用を示します。合方は良効なケースが多いです。
本方の証の方で、さらに次の症状がある方は、合わせて次の方剤を飲むと良く効きます。
病症症状 合方 備考
悪心・嘔吐が強い場合 参苓白朮散+半夏厚朴湯 »
参苓白朮散+小半夏加茯苓湯 »
腹痛の場合 参苓白朮散+小建中湯 »
参苓白朮散+芍薬甘草湯 »