厚薄 of 舌診

舌診舌 診 Tongue examination


中医学には、独自の診断法がありますが、そのなかにのひとつに「舌診」があります。舌は、臓腑経絡、気血津液、邪正状況を反映する客観的な診断指標です。

Tongue examination is one of unique exam method in traditional Chinese medicine(TCM). It is a necessary component in clinical diagnosis. Those famous doctor who lived in ancient society or live in modern society, are good at tongue-exam.

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Tongue qualities were scientific measures because they were "objective"(客観).
I can feel it,you can feel it,so it's not subjective(主観).
Hal pharmacy

Concept

朝一番に舌をチェックし、色・形・苔を評価しましょう。
ひび割れ(裂紋)や斑点があるか否かを確かめましょう。

厚薄の事例

「薄苔は表証を主どる。厚苔は裏証を主どる。」苔の厚さと厚さの変化から、病変部位の深さ、病邪の軽重、病症の進退を推量することができます。

薄苔厚苔薄苔

薄苔(ハクタイ)

苔が薄くて苔を透かして舌体の色が見えるものです。「見底」ともいいます。

【弁証論治】(syndrome differentiation and therapy determination)

表証
内傷軽症
健康な方

薄苔は胃気正常の印であるため健康なものにみられます。また、表証・内傷軽証に胃気の異常がない場合にもみられます。

厚苔(コウタイ)

苔が厚くて舌体の色がまったく見えないもの。「不見底」といいます。

【弁証論治】(syndrome differentiation and therapy determination)

①裏証

邪気は裏に入ると苔は厚くなります。

②痰飲・水湿・食積

厚臓苔・厚腐苔として現れます。病邪・湿潤などが胃気を挾んで舌へ持ち上げるためです。

苔の厚薄の変化により、病位の深さ・病邪の軽重・病状の進退を推測することができます。

薄苔から厚苔への変化は、表証から裏証へ・軽症から重症へ・病状が増悪して邪気が進む兆候です。

逆に、厚苔から薄苔への変化は、重症から軽症へ・病状が好転して邪気が退く兆候です。

薄苔よりさらに薄く、苔があるかどうかわからないほどの透明な苔は「透明苔」と呼びます。

薄苔から透明苔への変化は脾胃気虚*1 ですが、無苔から透明苔への変化は胃気が回復しつつあり、苔が生え変わる兆候を示します。

脾胃気虚の治法は、補気(益気)です。
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*1 脾胃気虚:脾胃の「運化を主る」機能の低下です。食欲不振、味がない、消化が悪いなどの消化器系の症候。

舌の臓腑区分舌の臓腑区分「舌の臓腑区分」

病気が全身に波及している場合は、舌の全体に変化がみられます。
局部に限定している段階では、特定の臓腑区域に変化が見られます。

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