中医学には、独自の診断法がありますが、そのなかにのひとつに「舌診」があります。舌は、臓腑経絡、気血津液、邪正状況を反映する客観的な診断指標です。
紅舌より赤みはさらに鮮やかであったり、濃かったりします。深紅舌とも呼びます。紅舌と絳舌の見分けをつけにくい場合、「紅絳舌」とも呼びます。
紅絳舌は熱邪が血液に入った病態を示し、例えば微生物などの病原体に感染した場合には、通常その部位に障害が起こっても全身の免疫力でこれを抑えますが、病原体が殺せないと、逆にそこで増殖し、更に広がり全身の感染を来し、それが腸に起これば腸炎、肺に起これば肺炎になります。
生体がより多くの白血球を動員して、炎症を防御するにつれて、血流が盛んになり、舌粘膜も濃く赤くはれてきます。
ひどい熱が陰液を傷つけるため、舌中の苔がはがれてきたり、腸管の熱毒が蓄積して燥屎(乾燥した糞便)がたまったりすると、灰黄燥苔も呈します。
熱極 ・陰虚による虚火
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紅絳舌灰黄苔。
舌体がやや厚く、舌辺には歯痕が残り、舌尖の乳頭が拡大してぶつぶつになり、舌中の乳頭が萎縮して苔もはがれ、舌根の苔が灰黄色になっています。
乾燥した紅絳舌あるいは芒刺舌を伴う紅絳舌は、外感病で出現します。
熱邪が営(脈管)と血液に侵入して発生します。
乾燥した紅絳舌あるいは芒刺舌を伴う紅絳舌は、外感病で出現します。
熱邪が営(脈管)と血液に侵入して発生します。
舌色=深紅舌、苔色=薄白苔、苔状=少苔、舌形=やや痩舌・軽い裂紋。
深紅舌・やや痩舌・裂紋・少苔は裏熱傷津の表現。
瀉火滋潤。
滋陰降火湯
舌色=深紅舌、苔色=やや黄苔、苔状=薄苔、舌形=やや痩舌、舌態=偏舌。
深紅舌・やや痩舌により腎陰虚、ために裏熱内生し黄苔を呈す。腎の陰液が肝木を滋養できず偏舌となる。
養陰清熱。
六味地黄丸、滋陰降火湯、釣藤散
舌色=深紅舌、苔色=薄白苔、苔状=少苔、舌形=やや痩舌・裂紋、瘀血所見=痛点。
深紅舌・少苔・薄白苔により裏熱、やや痩舌・裂紋は裏熱傷津による陰虚の証候。換言すると血分の熱証。
滋陰涼血。
六味地黄丸合温清飲など。
絳舌・光滑舌
紅絳舌・無苔
暗紅舌
瘀血所見
●絳光瑩舌
舌像:舌質は濃い紅色で、舌尖に紅点があり、舌面は柔らかく潤いがあってわかわかしいがつるつるにはげて苔がない。
主病:熱が血分に入り、胃腎陰虚である。
弁証:外感風寒、化熱入血して傷陰する。ウイルス性感冒などの感染性熱性病に見られることがある。
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●絳色褶紋無苔舌
舌像:舌色は濃い紅で、紅点があり、中部に多くの横皺壁があり、舌体は肥満して柔らかいが、苔がなく乾燥している。
主病:営熱傷津、陰虚火旺、心火独旺、熱傷胃陰。
弁証:肝胆湿熱、化燥傷陰、胃陰極虚。胆嚢炎・胆嚢石症などに見られることがある。
赤い舌が、さらに赤みを帯びて色が濃くなった場合、舌の色は深紅色になります。赤い舌と同じように、からだの中に炎症などがある場合にあらわれやすい舌ですが、病態がさらに重いことを示しています。
さらに、赤い斑点や点状の突起もある場合は、炎症などの熱の勢いが強くなっています。肝炎など内臓の炎症、感染症などの発熱性疾患の長期化や悪化、皮膚などの化膿性疾患などが考えられます。熱が極まると、ふらつきやしびれ、脳の障害の危険も生じます。
また、舌が薄くやせていたり、溝ができていたりしている場合は、体液が少なくなって熱がこもっている状態です。糖尿病や脂質異常症が心配です。
舌苔が少なくて湿っぽい場合は、血行がよくない状態になっているかもしれません。慢性的な頭痛や肩こり、生理痛はありませんか。高血圧、肝炎、潰瘍、内臓の癒着などの可能性もあります。狭心症や脳血管障害も心配です。
Tongue qualities were scientific measures because they were objective(客観).
I can feel it,you can feel it,so it's not subjective(主観).
絳舌は紅舌からの変化であるため病位も深く、病状も重いことを示します。
葉天士が「其熱伝営、舌色必絳」(その熱が営に伝入すると舌色は必ず絳になる)というように、外感熱病では、紅舌が現れれば気分熱盛(気分大熱・陽明病経証)を示し、病位は気分であることを示します。
治法は、清熱生津です。
●白虎加人参湯
しかし絳舌が現れれば熱入営血*1 を示し、病位は営分・血分であることを示します。
絳舌も紅点・苫刺・裂紋の有無や、苔の有無や、さらに全身症状などによって実熱か虚熱かを見分けます。
外感熱病で絳舌か紅絳舌とともに紅点・苫刺・少津が伴えば、実熱の重症か熱邪が営血に侵入して血液を煎熟する(煮詰める)ことを示します。
治療原則は清営泄熱*2 ・涼血散於*3 です。
●黄連解毒湯
内傷雑病で絳舌か紅絳舌とともに紅点・芒刺・黄燥苔・焦黄苔を伴えば臓腑の陽熱亢盛*4 を示します。
治療原則は清熱解毒*5です。
黄連解毒湯
銀翹散
外感熱病で絳舌か紅絳舌とともに舌体痩薄・顛動・少苔か無苔を伴えば熱盛劫陰*6 虚風内動粁の兆候を示します。
治療原則は滋陰*8 ・涼血*9 ・熄風*10 です。
六味丸(六味地黄丸)
知柏地黄丸
杞菊地黄丸
内傷雑病で絳舌か紅絳舌とともに裂紋・少苔・無苔を伴えば陰液き損*11 ・陰虚火旺を示します。
治療原則は滋陰降火*12 です。
滋陰降火湯
絳舌・少苔で湿潤しているものは於血*13 を示すことがあります。
絳舌は急性発熱性疾患や伝染性・化膿性疾患の重症、急・慢性炎症の重症、脱水症、慢性消耗性疾患、または肝硬変の後期、悪性腫瘍後期など、あるいは久病の病証によく現れます。
*1 熱入営血:温病の弁証法の1つ。熱邪が営分・血分に侵入すること。
*2 清営泄熱:営分の熱を取り除くこと。
*3 涼血散於:血分の熱を冷まし、於血を散らすこと。
*4 陽熱亢盛:陽熱の邪気が盛んになる状態。
*5 清熱解毒:熱を冷まし、熱毒を取り除くこと。
*6 熱盛劫陰:熱邪が元盛して陰分をおびやかすこと。
*7 虚風内動:陰虚や血虚によって風邪が体内に生じる状態。
*8 滋陰:陰を補うこと。
*9 涼血:血分の熱を冷ますこと。
*10 臆風:内風をしずめること。
*11 陰液鱈損:陰液を大いに虚損した状態。
*12 滋陰降火:陰を補い、虚火を取り除くこと。
*13 #x7600;血:血のめぐりが滞り、または古い血が体内に停留する状態。
紅絳舌(深紅舌)の場合に使用される漢方方剤は、次のとおりです。
舌色が濃く赤い紅絳舌は、熱邪が血液に入った病状をあらわし、血熱傷陰(熱が高くて陰液が消耗される)の状態です。
朝一番に舌をチェックし、色・形・苔を評価しましょう。 ひび割れ(裂紋)や斑点があるか否かを確かめましょう。
舌の臓腑区分
病気が全身に波及している場合は、舌の全体に変化がみられます。
局部に限定している段階では、特定の臓腑区域に変化が見られます。
Tongue examination is one of unique exam method in Traditional Chinese Medicine(TCM).
It is a necessary component in clinical diagnosis.
Those famous doctor who lived in ancient society or live in modern society, are good at tongue-exam.
●料理が薬(くすり)になる膳=薬膳
●薬膳=食べる方の体質に合っている食事料理
●薬膳は中華料理とは限りません。日本の日常の食材で作れます。
●主菜には、すっぽん(鼈)、あわび、鴨肉、きゅうり(胡瓜)、トマト(蕃茄)を使用すると良いでしょう。
辛味が強いからしやこしょう、にんにくや生姜(しょうが)などの薬味は控え、果物など甘味で酸性の食べ物を多くとりましょう。
また、ストレスをため込まないよう、たっぷりと睡眠をとり、早寝早起きをしましょう。
陰虚体質とは、体に潤いをもたらす「陰」の気が足りず、体内の津液も少ない体質です。陰の気は年をとるごとに減るため、更年期が近い40歳以降によく見られます。寝汗をよくかき、のどや口、目が乾きやすく、血液中の水分も少なくなって、血液がドロドロになりやすいのが特徴です。秋の乾燥に弱く、咳が出たり、乾燥肌になりがちです。
体に潤いを与える、陰を補う食べものを積極的にとりましょう。十分な睡眠をとることも大切です。ストレスや疲労、喫煙なども、陰の気を減らす原因となるので注意してください。
「水」が不足している陰虚タイプは、身体に潤いがたりず、余計な熱がたまった状態にあります。そこで「平性」「涼性」ときには「寒性」の食材を使って、熱を払って潤いを補充する食事を心がけましょう。のぼせやほてりがあるときは、身体を冷ます平涼性の食材をとくに選んで料理します。
中国で体のほてりを鎮める代表的な食材といえば、すっぽんがあげられます。日本では、生はなかなか入手できませんが、缶詰のすっぽんスープが販売されています。また、すっぽんと同様に稀少な鴨肉やあわびも熱を冷ましてくれる食材です。陰虚の人は、ときにはこれらの食材を使った料理で「陰」を養いましょう。
また、きゅうりやトマトなどの寒涼性の野菜を生で食べると効果的です。
中国には、「甘酸化陰(かんさんかいん)」すなわち「甘味と酸味を合わせると陰分が湧いてくる」という言葉があります。この言葉の意を満たす食材がトマト、梨、レモン、メロンなど。自然のなかで育ったこれらの野菜や果実には、舌にやさしい自然の甘味と酸味が備わり、陰を補い、体を潤すはたらきがあります。陰虚の人には、ぜひ積極的にとってほしいものです。
逆に、なるべく避けたい味は「辛味」です。唐辛子、こしょうなどの香辛料や、大根、ねぎ、にんにくなどの辛み野菜は、辛味が強すぎて陰分を消耗するので、この陰虚タイプには不向きです。
●香辛料、薬味野菜など、「辛味」や「温熱性」の強い食材は控えめにしましょう。
●のぼせ、ほてりがあるときは、「温性」「熱性」の食材は避け「平性」「涼性」の食材をとりましょう。
●冷たい飲みものは避け、できるだけ温かい飲みものを飲みましょう。
●しょうが、にんにく、ねぎ、ピーマン、にらは、なるべく避けましょう。
味の濃いもの、カロリーが高いものは控えましょう。
体の熱を取るセロリ、なす(茄子)、きゅうり(胡瓜)、とうがん(冬瓜)などの野菜を食べましょう。
食べ過ぎ、飲み過ぎに気をつけましょう。
ストレス発散は運動で汗を流すのがおすすめです。
ストレスや飲酒、脂肪分の多い食事などで体に熱がこもり、不調になっている体質です。ストレスにより肝がダメージを受け、この状態が続くと、脾や胃も弱くなり、心にも影響を及ぼすように。放置すると胃腸炎などの消化器系の病気や、脳卒中、心筋梗塞など循環器系の病気に陥るおそれがあります。
まずは、飲酒を控え、脂肪分の多い食事をやめましょう。涼性、寒性の野菜をたくさん食べて、体の余分な熱を取り除いたり、気の巡りをよくする食材をとるなど、食生活から見直してください。
身体の熱を取るセロリ、なす、きゅうり、冬瓜(とうがん)などの野菜を食べましょう。食べ過ぎ、飲み過ぎに気をつけましょう。ストレスの発散は運動で汗を流しましょう。
●気になる不調を自分で手軽にケアする方法として、おすすめなのが『ツボ』(経穴)です。
数千年の歴史を持つ中医学(東洋医学)の治療法です。
WHO(世界保健機関)の主導でツボの名称統一を行うなど、最近は世界的にも関心が高まっている治療法です。
「お茶で一服する」「トイレに立つ」といったタイミングでツボを押すことを、ぜひ習慣化しましよう。その場で不調を解消できるだけでなく、病気への抵抗力や免疫力を日々、高めていくことが可能です。
体に必要なうるおいである陰を、根本から補うことができるツボです。
陰虚体質とは、体に潤いをもたらす「陰」の気が足りず、体内の津液も少ない体質です。陰の気は年をとるごとに減るため、更年期が近い40歳以降によく見られます。寝汗をよくかき、のどや口、目が乾きやすく、血液中の水分も少なくなって、血液がドロドロになりやすいのが特徴です。秋の乾燥に弱く、咳が出たり、乾燥肌になりがちです。
体に潤いを与える、陰を補う食べものを積極的にとりましょう。十分な睡眠をとることも大切です。ストレスや疲労、喫煙なども、陰の気を減らす原因となるので注意してください。
上半身の熱や余分なものの溜まりを取る作用があります。
ストレスや飲酒、脂肪分の多い食事などで身体に熱がこもり、不調になっている体質です。ストレスにより肝がダメージを受け、この状態が続くと、脾や胃も弱くなり、心にも影響を及ぼすように。放置すると胃腸炎などの消化器系の病気や、脳卒中、心筋梗塞など循環器系の病気に陥るおそれがあります。
まずは、飲酒を控え、脂肪分の多い食事をやめましょう。涼性、寒性の野菜をたくさん食べて、体の余分な熱を取り除いたり、気の巡りをよくする食材をとるなど、食生活から見直してください。
●世界の伝統医学の中でも、最も理論体系が整い、豊富な治療手段を備え、長い経験の蓄積があり、実用性の高いのが中医学(東洋医学)です。
この医学は病気の治療ばかりでなく、養生思想も内容が豊かで、病気の予防や健康増進にも活用できます。
その大きな特徴は、一人一人に合わせたやさしい眼差しで、各個人の体質を見極め、体質や体調に合った養生や生活改善を提案することです。
中医学では、昼は「陽」、夜は「陰」の時間帯といいます。十分に寝て陰を養うための夜間に起きて活動していると、陰分は消耗する一方です。
また、辛みが強い酒やたばこをとりすぎると、熱が生じてのどが渇き、やはり陰分が消耗します。
そこで、陰虚の人は、夜型生活であるならそれをやめて少なくとも午前0時前に寝ることが必要です。そして酒やたばこを控えることを真っ先に心がけてほしいものです。
健康のために適度に汗をかくのはよいことなのですが、「陰」不足の人は汗をかきやすい体質のため、ますます「陰」が消耗され、体調をくずすもとになります。このタイプには、炎天下でのスポーツやサウナなど、びっしょり汗をかくようなことは不向きです。
また、汗をかきすい夏は涼しい服装で、エアコンも冷えすぎない程度に利用するとよいでしょう。もちろん水分補給には充分に気をくばってください。
適度な運動は必要ですが、汗のかきすぎには要注意です。運動後はたっぷりと水分を補給しましょう。
運動をするときには、汗のかきすぎに十分な注意が必要です。最も適しているのは、水泳やアクアビクスなどの水中運動です。
ただし、体を動かせば、水中でも汗をかくので、運動後の水分補給はお忘れなくしてください。
熱いお風呂に入ると、のぼせたり、肌が赤くなってかゆみが起こることが多いため、お風呂の温度は低めに設定するのがポイント。
上半身はほてっているのに、下半身は冷える「冷えのぼせ」がある人は、腰から下はゆっくりとお湯につかり、上がるときには、上半身だけ30~35℃くらいのぬるいシャワーを浴びましょう。足湯もよいです。下半身を温めることで、体の上部にこもった熱が下がり、気が全身にめぐります。
また、お風呂上がりにはぬるめのお茶で水分補給をして余分なほてりをクールダウンさせましょう。
ストレスや飲酒、脂肪分の多い食事などで体に熱がこもり、不調になっている体質です。ストレスにより肝がダメージを受け、この状態が続くと、脾や胃も弱くなり、心にも影響を及ぼすように。放置すると胃腸炎などの消化器系の病気や、脳卒中、心筋梗塞など循環器系の病気に陥るおそれがあります。
まずは、飲酒を控え、脂肪分の多い食事をやめましょう。涼性、寒性の野菜をたくさん食べて、体の余分な熱を取り除いたり、気の巡りをよくする食材をとるなど、食生活から見直してください。
陰虚タイプのほてりと違い、内熱タイプは、熱を発散させるためにもジョギングやテニスなどの運動もOKです。たまに一日がんばるのではなく、毎日の習慣にしましょう。
ただ熱が上にのぼるので興奮しやすく、本当は疲れていても気持ちでは疲れていない、体力が合って元気だと思いがち。あまりがんばりすぎないよう、意識してブレーキをかけたほうがよいでしょう。