中医学には、独自の診断法がありますが、そのなかにのひとつに「舌診」があります。舌は、臓腑経絡、気血津液、邪正状況を反映する客観的な診断指標です。
舌体が細くて小さい、または薄いものです。
気血両虚 ・陰虚
次の例番号をクリックしてください。
舌体が正常より痩薄舌の事例です。
気血両虚・陰虚火旺によります。
舌体は淡白・痩薄の事例です。
気血両虚によります。
舌体は嫩紅・痩薄の事例です。
心陰不足によります。
舌体は紅絳・痩薄の事例です。
陰虚火旺によります。
舌体は痩小・裂紋の事例です。
陰虚によります。
舌が薄く、やせているのは、水分や栄養が不足している状態が続いている証拠です。
さらに、全体に色が薄く白っぽい場合は、栄養状態が悪化して疲労が蓄積し、体内のエネルギーが不足しています。貧血や生理不順、自律神経の失調、肝機能障害や肝炎が気になります。乾燥タイプの湿疹やじんましん、にきびもみられます。
また、舌の色が赤っぽい場合は、からだの水分(体液)不足が進んでいます。口やのどが乾いていないでしょうか。発熱、下痢、発汗、嘔吐、頻尿が続いている場合や、糖尿病などの慢性病を長くわずらっているときに、このような舌がみられます。粘液も不足していきますので、気管支炎、鼻炎、のどの炎症、胃炎、食道炎などに注意してください。
この体液や栄養の不足が長引くと、舌が乾燥し、舌苔がなくなっていきます。唇も乾き、ひび割れてきます。皮膚も乾燥してきます。ほてり、耳鳴り、めまい、微熱などの症状もあらわれます。病状が悪化してきているかもしれません。体液の不足は、発熱性疾患や炎症が原因の場合もあります。この場合も、舌がやせて赤くなります。
Tongue qualities were scientific measures because they were objective(客観).
I can feel it,you can feel it,so it's not subjective(主観).
気血や陰液の不足によって舌体が充溢できないことによる痩薄舌とともに淡白舌が現れるのは気血両虚を示します。
治療原則は補気養血* です。
補気は、●四君子湯、●六君子湯、●参苓白朮散、●補中益気湯などです。
養血は、●帰脾湯
●四物湯
などです。
痩薄舌とともに紅緯舌・少津・少苔無苔が現れるのは陰虚内熱を示します。
治療原則は養陰清熱です。
●知柏地黄丸
●六味丸(六味地黄丸)
* 補気養血:気を補い、血を養う。
痩薄舌の場合に使用される漢方方剤は、次のとおりです。
朝一番に舌をチェックし、色・形・苔を評価しましょう。 ひび割れ(裂紋)や斑点があるか否かを確かめましょう。
舌の臓腑区分
病気が全身に波及している場合は、舌の全体に変化がみられます。
局部に限定している段階では、特定の臓腑区域に変化が見られます。
Tongue examination is one of unique exam method in Traditional Chinese Medicine(TCM).
It is a necessary component in clinical diagnosis.
Those famous doctor who lived in ancient society or live in modern society, are good at tongue-exam.
●料理が薬(くすり)になる膳=薬膳
●薬膳=食べる方の体質に合っている食事料理
●薬膳は中華料理とは限りません。日本の日常の食材で作れます。
●主菜には、「血」を補ってくれるレバー、牡蠣(かき)、うずら卵を使用すると良いでしょう。
鉄分の多い食材を意識して食べ、適度にレバーなど肉類をとりましょう。
赤い食材、黒い食材、ナッツ類やドライフルーツも良いです。
長風呂、熱い風呂は避けてください。
「血虚」は体のさまざまな部位に栄養を行き渡らせる「血」が不足した体質です。肌荒れや抜け毛、爪がかけたり、こむらがえりといった不調が起こりがちで、集中力の低下や不安感が増すなど、精神的にも不安定になりやすくなります。
女性は生理があるため、男性よりも血虚になりやすいといわれています。また、血虚の状態が慢性化すると、妊娠しにくくなる可能性があるので要注意です。
食事の偏りや無理なダイエット、寝不足や過労は、血が不足する大きな要因となるので、注意しましょう。
※なつめやプルーンを紅茶に加えるのも血虚解消には効果的です。お茶に浸した実もいっしょに食べましょう。
血虚は「血」が不足していると考えられるため、食養生では血を補う食材を積極的にとりましょう。中国では、烏骨鶏(うこっけい)という鶏が、内臓に栄養を補給して血虚を改善する食材として重用されています。日本ではあまりなじみがありませんが、専門店では購入することができます。烏骨鶏の名は、骨、皮膚、肉にいたるまで烏(からす)のように黒いことからついたといいます。
烏骨鶏の黒にも共通しますが、血虚に効く食材には、黒や赤い色のものが多く見られます。レバー、黒豆、黒ごま、黒きくらげ、黒砂糖、黒米、トマト、くこの実などです。中国では、昔から黒いものや赤いものは身体によいとされてきました。ミネラルやポリフェノールを多く含み、造血作用や体温を上げる効果があるといわれ、「血」不足で冷え性の血虚タイプにはぴったりなのです。
消化機能が弱い「気虚」は、胃腸から栄養を十分に補充できずに貧血になり、血虚になることがよくあります。気虚と血虚の両方がある体質を「気血両虚」といい、気虚と血虚は仲間のような間柄です。
そこで血虚の食養生の注意点も、気虚とほぼ同じです。冷たいもの、生もの、脂っぽいものを控えめにし、「平性」「温性」の消化のよいものを食べるようにしましょう。
また甘すぎるものや、辛すぎるものは避け、なつめ、ブルーベリー、プルーン、レーズンなどの自然の甘みや酸味のある食材を常備して楽しむとよいでしょう。
●冷たいもの、生もの、脂っぽいものおよび、甘いものは取りすぎないように注意しましょう。
●刺激の強い食材(唐辛子、わさび、コショウ、山椒)は、なるべく控えましょう。
●チョコレート、バナナは、なるべく避けましょう。
●主菜には、すっぽん(鼈)、あわび、鴨肉、きゅうり(胡瓜)、トマト(蕃茄)を使用すると良いでしょう。
辛味が強いからしやこしょう、にんにくや生姜(しょうが)などの薬味は控え、果物など甘味で酸性の食べ物を多くとりましょう。
また、ストレスをため込まないよう、たっぷりと睡眠をとり、早寝早起きをしましょう。
陰虚体質とは、体に潤いをもたらす「陰」の気が足りず、体内の津液も少ない体質です。陰の気は年をとるごとに減るため、更年期が近い40歳以降によく見られます。寝汗をよくかき、のどや口、目が乾きやすく、血液中の水分も少なくなって、血液がドロドロになりやすいのが特徴です。秋の乾燥に弱く、咳が出たり、乾燥肌になりがちです。
体に潤いを与える、陰を補う食べものを積極的にとりましょう。十分な睡眠をとることも大切です。ストレスや疲労、喫煙なども、陰の気を減らす原因となるので注意してください。
「水」が不足している陰虚タイプは、身体に潤いがたりず、余計な熱がたまった状態にあります。そこで「平性」「涼性」ときには「寒性」の食材を使って、熱を払って潤いを補充する食事を心がけましょう。のぼせやほてりがあるときは、身体を冷ます平涼性の食材をとくに選んで料理します。
中国で体のほてりを鎮める代表的な食材といえば、すっぽんがあげられます。日本では、生はなかなか入手できませんが、缶詰のすっぽんスープが販売されています。また、すっぽんと同様に稀少な鴨肉やあわびも熱を冷ましてくれる食材です。陰虚の人は、ときにはこれらの食材を使った料理で「陰」を養いましょう。
また、きゅうりやトマトなどの寒涼性の野菜を生で食べると効果的です。
中国には、「甘酸化陰(かんさんかいん)」すなわち「甘味と酸味を合わせると陰分が湧いてくる」という言葉があります。この言葉の意を満たす食材がトマト、梨、レモン、メロンなど。自然のなかで育ったこれらの野菜や果実には、舌にやさしい自然の甘味と酸味が備わり、陰を補い、体を潤すはたらきがあります。陰虚の人には、ぜひ積極的にとってほしいものです。
逆に、なるべく避けたい味は「辛味」です。唐辛子、こしょうなどの香辛料や、大根、ねぎ、にんにくなどの辛み野菜は、辛味が強すぎて陰分を消耗するので、この陰虚タイプには不向きです。
●香辛料、薬味野菜など、「辛味」や「温熱性」の強い食材は控えめにしましょう。
●のぼせ、ほてりがあるときは、「温性」「熱性」の食材は避け「平性」「涼性」の食材をとりましょう。
●冷たい飲みものは避け、できるだけ温かい飲みものを飲みましょう。
●しょうが、にんにく、ねぎ、ピーマン、にらは、なるべく避けましょう。
●気になる不調を自分で手軽にケアする方法として、おすすめなのが『ツボ』(経穴)です。
数千年の歴史を持つ中医学(東洋医学)の治療法です。
WHO(世界保健機関)の主導でツボの名称統一を行うなど、最近は世界的にも関心が高まっている治療法です。
「お茶で一服する」「トイレに立つ」といったタイミングでツボを押すことを、ぜひ習慣化しましよう。その場で不調を解消できるだけでなく、病気への抵抗力や免疫力を日々、高めていくことが可能です。
血を補い、血行もよくなります。
血虚は体のさまざまな部位に栄養を行き渡らせる「血」が不足した体質です。肌荒れや抜け毛、爪がかけたり、こむらがえりといった不調が起こりがちで、集中力の低下や不安感が増すなど、精神的にも不安定になりやすくなります。
女性は生理があるため、男性よりも血虚になりやすいといわれています。また、血虚の状態が慢性化すると、妊娠しにくくなる可能性があるので要注意です。
食事の偏りや無理なダイエット、寝不足や過労は、血が不足する大きな要因となるので、注意しましょう。
体に必要なうるおいである陰を、根本から補うことができるツボです。
陰虚体質とは、体に潤いをもたらす「陰」の気が足りず、体内の津液も少ない体質です。陰の気は年をとるごとに減るため、更年期が近い40歳以降によく見られます。寝汗をよくかき、のどや口、目が乾きやすく、血液中の水分も少なくなって、血液がドロドロになりやすいのが特徴です。秋の乾燥に弱く、咳が出たり、乾燥肌になりがちです。
体に潤いを与える、陰を補う食べものを積極的にとりましょう。十分な睡眠をとることも大切です。ストレスや疲労、喫煙なども、陰の気を減らす原因となるので注意してください。
●世界の伝統医学の中でも、最も理論体系が整い、豊富な治療手段を備え、長い経験の蓄積があり、実用性の高いのが中医学(東洋医学)です。
この医学は病気の治療ばかりでなく、養生思想も内容が豊かで、病気の予防や健康増進にも活用できます。
その大きな特徴は、一人一人に合わせたやさしい眼差しで、各個人の体質を見極め、体質や体調に合った養生や生活改善を提案することです。
血虚になる原因の多くは、無理なダイエットや、朝食抜き、夜更かしなどの不規則な生活です。
体質改善の第一歩は、無理なダイエットをやめること、朝食をしっかりとることから始めます。
血は、夜眠っているときに生成されるので、睡眠はとても重要です。夜更かしをすると、それだけで血が消耗されて、ますます血の不足が進んでしまうことになります。遅くとも12時までにはベッドに入る努力をしましょう。
また、頭を使う作業も血を消耗するうえ、このタイプはちょっとしたきっかけで不眠になりがちなので、夜寝る前にパソコンに向かったり、仕事の書類に目を通すのは禁物です。
就寝前の1~2時間は、できるだけリラックスした時間を過ごすようにしましょう。
血虚タイプは骨が弱い人が多いので、激しい運動をすると、けがをするおそれがあります。
中医学では、昼は「陽」、夜は「陰」の時間帯といいます。十分に寝て陰を養うための夜間に起きて活動していると、陰分は消耗する一方です。
また、辛みが強い酒やたばこをとりすぎると、熱が生じてのどが渇き、やはり陰分が消耗します。
そこで、陰虚の人は、夜型生活であるならそれをやめて少なくとも午前0時前に寝ることが必要です。そして酒やたばこを控えることを真っ先に心がけてほしいものです。
健康のために適度に汗をかくのはよいことなのですが、「陰」不足の人は汗をかきやすい体質のため、ますます「陰」が消耗され、体調をくずすもとになります。このタイプには、炎天下でのスポーツやサウナなど、びっしょり汗をかくようなことは不向きです。
また、汗をかきすい夏は涼しい服装で、エアコンも冷えすぎない程度に利用するとよいでしょう。もちろん水分補給には充分に気をくばってください。
適度な運動は必要ですが、汗のかきすぎには要注意です。運動後はたっぷりと水分を補給しましょう。
運動をするときには、汗のかきすぎに十分な注意が必要です。最も適しているのは、水泳やアクアビクスなどの水中運動です。
ただし、体を動かせば、水中でも汗をかくので、運動後の水分補給はお忘れなくしてください。