玉屏風散 of 方剤別漢方薬

ドラクロ方剤別漢方薬

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方剤別漢方薬 Last Updated 2010-06-30
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概 要

花粉症対策のファーストチョイスは、玉房風紋です。体質改善(本治薬)とし、衛気を高め、バリア機能を正常化することで、花粉が目や鼻の粘膜に付着しても、過度の免疫反応が起こらないように働きかける漢方薬です。

通常、皮膚の表面は、いわゆる衛気が流れ、体表をしっかりガードしていますが、衛気が不足すると外邪に対する防衛力が落ちて、少しの刺激でクシャミ、鼻水などのアレルギー症状も現れてきます。玉屏風散は、外からの邪を防ぎ、外的要因から身体をしっかり守る薬です。体の免疫機能を建て直し、アレルギー症状の軽減につながります。

花粉症には、小青竜湯(水様性の鼻汁が特徴である寒症タイプ)、また、粘凋な鼻汁が特徴てある熱証タイプには、荊芥連翻湯、小青竜場合麻杏甘石場(マキセリン)などが用いられます。
適宜、併用するなどしていただけると効果が上がります。

こんな方に

汗をかきやすく風邪をよくひきなかなか治らない「衛気虚」の方

主 治

衛陽不固/衛気虚

適応症

身体虚弱で疲労しやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠感、ねあせ

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦1337年 元時代 『世医得効方』 危亦林 →処方使用期間:670年間


症例・病例・治癒例・case study(case study)

【玉屏風散の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈自汗〉

治例図 ■患者:女性、43歳
中年女性が診察室に入ってくる。体格はやや痩せぎみ、顔色はさえず、元気もない。

【カルテ】
主訴:自汗の症状が現れて1年余り、1ヵ月前から悪化。

現病歴:患者はもともと虚弱体質でカゼを引きやすい。1年ほど前から特にこれといった原因もなく、数日に1回の割合で自汗の症状が現れ始めた。発汗量は比較的多い。1ヵ月ほど前から症状が悪化し、体力も低下してきたため診察を受けに来た。

所見:汗が流れるくらい出る。この症状は1日に数回現れ、めまい・目のかすみ・胸悶*・息切れを伴う。ふだんからカゼを引きやすく、精神的に非常に疲れやすい・少気・力が入らない・声が小さい・憾言・動くとすぐに呼吸がとぎれとぎれになるなどの症状がみられる。また、胱腹脹満*・食欲不振・納少・食後に腹脹が悪化するなどの症状も伴う。大便稀漕*で1日に数回便通がある・口渇はなく味がしない・身体が痩せる・顔色に艶がない・舌質淡・舌苔薄白・脈細弱。

【証名】肺脾気虚証

【治法】補益脾肺・益気固表

【処方】補中益気湯合玉屏風散加減

【弁証分析】
患者はもともと虚弱体質であり、カゼを引きやすく、さらに発病してからすでに長い時間が経っているため、肺脾の気が虚し、衛表の固摂作用が失調し、汗を固摂する力を失い、自汗となった。汗をかいた後は、宗気も損傷するため、胸悶・気短*が現れ、またそこから清空*が失養するため、めまい・目のかすみが現れる。

発病してから長い時間が経っているため肺気が不足し、肺の機能が低下し、精神的に非常に疲れやすい・少気・癩言・動くとすぐ息切れがする・声が小さく何かに怯えているようといった症状が現れる。

肺衛の気が虚すと衛気を肌表に行きわたらせることができなくなるため、衛表が固摂できなくなり、外邪を受けやすくなる。

脾気が虚損すると運化機能が失調し、脇腹脹満・食欲不振・納少・食後に腹脹が悪化するなどの症状が現れる。

脾虚によって運化機能を失常すると清濁を分けられなくなるため、水湿が腸に下りてしまい、便濾になる(1日に数回)。

脾は気血生化の源であるので、脾虚になれば生化の源が不足するため、頭・顔面・肢体・筋肉を濡養できなくなり、顔色に艶がなくなる`倦怠感・身体が痩せるなどの症状が現れる口舌質淡・舌苔白・脈細弱はすべて気虚の象である。

四診を総合して考えると、肺脾気虚証の証候の特徴と一致する。よってこの診断を下す。

弁証論治 リンク肺脾気虚証 »

・現代病名:自汗

区切り線

2〈花粉症〉

治例図 36歳女性
来店時は、目が充血して鼻水が多く出る状態だった。昨年よりもひどい症状になって困っていた。

玉屏風散を服用していただいた。開始翌日からひどい症状は、無くなった。7日間服用して、現在も続けている。

弁証論治 リンク肺気虚 »

・現代病名:花粉症

区切り線

3〈慢性鼻炎〉

治例図 80歳代 男性
鼻炎に1悩んでいると来店された。話を聞いてみると長期にわたって症状が出ており、慢性化している。また粘膜も弱いような印象を受けた。

そこで効きが早くなるように、衛気を高めようと玉屏風散を選択した。また体質を考慮して荊芥連翹湯を併用した。

服用後、1日位で症状の改善が見られ、10日服用されたら、かなり良くなったと喜ばれた。新薬と比べると安心して飲めるとの事で気に入られた様子だった。

弁証論治 リンク衛陽不固/衛気虚 »

・現代病名:慢性鼻炎

区切り線


処方別・製品一覧


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証の判定

判定

証(症状・体質)判定を望む方判定の方右矢印 陰陽(太極図)証の判定メニュー画面へ »
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中医学の証・解説

次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。

玉屏風散 朱雀:四神の獣・南方の守護神

八 法

汗法:肺気を宣発し営衛を暢調にして膜理を開泄することにより、「遍身にちゅうちゅうと汗出づ」の状態にし、肌表にある外邪を汗とともに解除する治法です。

【中薬大分類】固渋剤…体内からもれ出るものを止める方剤です。

【中薬中分類】固表止汗剤…多汗や寝汗を止める方剤です。

八綱分類

表寒虚(ひょうかんきょ) 表 寒 寒 虚 …証(体質・症状)が、表証(急性症状)、寒証(冷え)、虚証(虚弱)の方に適応します。


中医学効能(治法)

益気固表止汗

用語の説明(term)

益気(えっき)…気を補充することです。

固表(こひょう)…治則の一つで表虚を固める方法です。代表的な薬物は黄耆です。

組成成分

各生薬の詳細説明にリンクします。
黄耆  白朮  防風 

玉屏風散の中薬一覧(herb list)
生薬名(herb name) 薬量(quantity) 君臣佐使(role) 効能1 効能2 効能3 大分類 中分類

黄耆 »

3

君薬

補気

利水

固表

補虚薬

補気薬

白朮 »

1

臣薬

補気

利水

止汗

補虚薬

補気薬

防風 »

1

佐薬

去風

利水

解表剤

辛温解表薬

・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。
・臣薬…主薬を補助して主薬の効き目を強化する薬物です。
・佐薬…主薬に協力して二次的な症状を取り除くか、または主薬を制御し、主薬による副作用を抑えるか防ぐ薬物です。
・使薬…方剤の中では二次的な薬物か、引経(薬物を病のある場所まで引率していく作用)の薬物です。

中国でよく用いられる処方の玉屏風散です。本方は、汗をかきやすく風邪をよくひきなかなか治らないという「衛気虚」に用いる処方であり、非常に単純な処方構成でが十分に効果がある。
黄耆は、脳の興奮性を高めると同時に体表部の血流を改善し、この結果として汗腺の機能を正常化させて汗を止めるので、「固表」の効能があるとされる。
白朮は、組織間の水分を血中にひきこんで尿として除く利水の効能があり、間接的に止汗に働く。黄耆も同様に利水に働く。
防風は体表部の血管を開いて黄耆を補助するが、黄耆・白朮の効果を体表部に集中する引経薬の効果を期待した配合である。
現代医学的には、黄耆・白朮に免疫能増強作用があり、これによって感染を防止するらしい。