現代人肥満原因は「食べすぎ」と「運動不足」①

肥満に加えて糖代謝異常(少し血糖値が高め)、高血圧、脂質代謝異常(コレステロールや中性脂肪がやや高め)が重なった状態をメタボリックシンドロームといいます。
心筋梗塞や脳卒中など、心血管障害の危険因子となることがわかり、いまや「メタボ」で通じるほど認知度が高くなってきました。
診断基準の一つに"ウエスト径"が入ったことから、おなかの出っ張り具合を気にしている人も多いのではないでしょうか。
現代人の肥満のほとんどは食生活や運動などの生活習慣のゆがみが原因。ごく最近まで人類の歴史は飢餓との闘いでしたから、漢方医学には病的肥満やメタボリックシンドロームという概念はありません。

メタボの原因

現代人肥満原因は「食べすぎ」と「運動不足」②

しかし漢方医学の立場で見た場合、心血管障害を発症する予兆であるという点において、メタボリックシンドロームは未病に位置すると考えます。
未病とは、簡単に言うと「病気になる一歩手前」の状態です。
漢方医学ではこの状態を改善して健康を維持することが大事と考えられています。
つまり、メタボリックシンドロームを漢方で治療する場合、肥満を解消して心血管障害を防ぐことが、その大きな目的となるのです。

何らかの"毒"の蓄積が

肥満をもたらす!①

では、漢方医学ではメタボリックシンドロームや病的肥満をどう治療するのでしょうか。
まず大事なのは生活改善です。
メタボリックシンドロームは生活習慣病の代表です。ライフスタイルが病気の原因というのは、そもそも漢方医学的な考え方なのです。人間は本来、体を動かすために食べていました。ところがデスクワークなどが増え、体を動かす機会が減った結果出てきたのが生活習慣病です。ですから、まずは高脂肪、高たんぱく、高カロリーといった日本人に合わない食事を避け、運動量を上げるという生活改善から始めることが大切です。
それにプラスして、ゆがんでしまった体内のバランスを漢方薬で正常化することが治療方針となります。

  • Sample Photo 03

    Sample Photo 03あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。

何らかの"毒"の蓄積が

肥満をもたらす!②

処方するうえでのキーワードとなるのが、「食毒」や「水毒」などのさまざまな毒です。食毒は食事のバランスにゆがみが生じている状況で、水毒は"腎(内分泌系や泌尿器系)"の働きがうまくいかないために生じる腎性の中毒物です。

漢方では、脂質異常症の原因となるコレステロールや糖尿病を引き起こす高血糖なども、こうした毒の一種とみなします。
漢方医学ではこうした毒の蓄積から肥満が生じ、中高年以降の慢性的な病気の原因につながると考えられています。

メタボリックシンドロームは基本的に食毒、水毒が中心の病態ですから、治療も原則的に、食毒を改善するための解毒作用がある漢方薬や、水毒を改善するための利水作用がある漢方薬を使用するのです。

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