高血圧を予防、改養するためにもっとも大切なのが日常の食事です。高血圧にも体質によってさまざまなタイプがあるので、それぞれにあった食養生を心がけましょう。
「最大血圧」が高い人に多く見られる体質(証)です。
この体質(証)の高血圧は「肝」がポイントです。
肝は血液の貯蔵庫であり、血液の流れや新陳代謝をコントロールする臓腑です。
この肝の血(陰)と気(陽)のバランスが保たれていると、新陳代謝もスムーズで情緒も安定します。
しかし、怒りや憂欝など精神的な生活上の圧力が溜まると、肝の血を消耗し、陽気が過剰に上昇。陰陽のバランスが崩れ、血圧も上昇するのです。
この体質(証)は、頭痛、めまい、耳鳴り、顔の紅潮、ほてり、イライラなどの症状が目立ちます。
また、口が渇く、舌の色が赤く舌苔が黄色い、といった症状も見られます。
体力が充実し、のぼせや興奮しやすいものに多い。
頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り、顔面紅潮、眼球充血、口が苦い、不眠。
舌質:舌辺縁が赤、舌苔:黄。脈:弦数。
黄連解毒湯:鼻出血や顔面紅潮を伴うものに良い。
三黄瀉心湯:便秘があるものに良い。
顔の赤みや熱っぽさが特徴なので、肝の熱を冷ますことで症状を改善しましょう。また、このタイプは怒りやイライラで一時的に血圧が大きく上昇することもあるので、血圧を下げる漢方薬を併用すると安心です。
次の漢方薬が、高血圧症・肝陽上亢証・ストレス型(熱タイプ)・に対してよく効く可能性が高いです。
高血圧症-肝陽上亢証・ストレス型(熱タイプ)-対応の方は、次の食材を積極的にお召し上がりください。
●トマト ●柿の葉茶 ●ひまわりの葉と花 ●はぶ茶 ●緑茶
毎日の意識と工夫で、生活習慣の改善を
上がった血圧を薬で一時的に下げることはできますが、それでは根本的な高血圧の改善にはつながりません。まずは高血圧を予防・改善するよう、生活習慣を変えていくことが大切です。
毎日の食事では、塩分はなるべく控え、薄味を心がけましょう。焼き魚や和え物にも酢の酸味を上手に使ってみてください。
また、加工食品はあまり使わず、新鮮な食材をとるようにしましよう。毎日のお酒も控え目(1日1合程度)に。
ラジオ体操やウォーキング、太極拳といった有酸素運動も効果的です。お風呂は「ぬるめのお湯に10分程度」を目安にしてください。またお風呂での事故も多いので、風呂場と脱衣所の温度差には注意しましょう。
そのほか、生活上のプレッシャー解消のために趣味を持つ、安定した睡眠をとる、食物繊維の多い野菜やヨーグルトなどを食べて排便を良くする、など無理なく実践できる養生法はたくさんあります。毎日の生活から高血圧を予防・改善するよう、ちょっとした意識と工夫を心がけてみてください。