高血圧を予防、改養するためにもっとも大切なのが日常の食事です。高血圧にも体質によってさまざまなタイプがあるので、それぞれにあった食養生を心がけましょう。
「最小血圧」が高い方に多く見られる体質(証)。
血液が汚れて(例えばコレステロール、中性脂肪が高い)ド□ド□になり血液の循環が滞る、血管の内壁に汚れが溜まって血栓ができる、といった血行障害を中医弁証学では「瘀血」といいます。
瘀血が主な原因となる高血圧は、慢性的な血管疾患のため血管が徐々に硬くなり、さらに血行が悪くなる心配も。できるだけ血行を良くし、血管の若さを保つことで、動脈硬化や高脂血症、狭心症といった病気を防ぎましょう。
また瘀血が発生すると、血と一緒に流れている「水〔すい)」も停滞してしまいます。水が停滞すると、痰湿(体内の余分な脂肪や水分〕と呼ばれる病理的な物質が体内に発生し、血行をますます悪くする恐れがあります。
虚血性心臓病や脳卒中、動脈硬化などを合併するもの。
舌質:暗紅。舌体;瘀斑がある。舌下静脈:青紫色または怒張。脈:渋。
このタイプの主な症状は、頭痛、頭重、めまい、物忘れ、胸悶・胸痛、顔色が悪い、手足がしびれる、むくみ、舌の色が暗い、瘀斑`痛点など。
七物降下湯;最低血圧の高いものに良い。
通導散;女性で体力があり、腹満や便秘を伴うもの。
桃核承気湯合大柴胡湯;体力があってのぼせや便秘を伴うもの。
油っこし喰事や肉食、塩分の取り過ぎなど、食の不摂生、体重の増加も瘀血や痰湿が発生する原因になります。停滞している血と水がスムーズに流れるよう、毎日の食事をしっかりと見直しましょう。
次の漢方薬が、高血圧症・瘀血証・に対してよく効く可能性が高いです。
毎日の意識と工夫で、生活習慣の改善を
上がった血圧を薬で一時的に下げることはできますが、それでは根本的な高血圧の改善にはつながりません。まずは高血圧を予防・改善するよう、生活習慣を変えていくことが大切です。
毎日の食事では、塩分はなるべく控え、薄味を心がけましょう。焼き魚や和え物にも酢の酸味を上手に使ってみてください。
また、加工食品はあまり使わず、新鮮な食材をとるようにしましよう。毎日のお酒も控え目(1日1合程度)に。
ラジオ体操やウォーキング、太極拳といった有酸素運動も効果的です。お風呂は「ぬるめのお湯に10分程度」を目安にしてください。またお風呂での事故も多いので、風呂場と脱衣所の温度差には注意しましょう。
そのほか、生活上のプレッシャー解消のために趣味を持つ、安定した睡眠をとる、食物繊維の多い野菜やヨーグルトなどを食べて排便を良くする、など無理なく実践できる養生法はたくさんあります。毎日の生活から高血圧を予防・改善するよう、ちょっとした意識と工夫を心がけてみてください。