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出血そのもののことです。

出血には大別して血熱・血オ・気虚によるものの三種あります。
血熱…熱証とともに出現する出血で実熱によるものと虚熱によるものがあります。
実熱顔面紅潮・目の充血・口唇や結膜が紅い・熱感・口や咽のかわき。
●舌質は紅・舌苔は黄色。
●脈は数で有力。
ときに発疹が生じる、出血は突然に多量に出ることが多く、止血は比較的容易です。色は鮮紅色で充血による動脈性のものと考えられます。中医学では熱邪によるものとされます。
【論治】
清熱涼血解毒薬で治法します。生地黄・牡丹皮・赤荷・玄参・紫根・茅根などの清熱涼血薬 に、黄苓・黄連・山楯子・知母・黄柏などの清熱解毒薬を配合して効果を強め、側柏葉・小葡・大繭・地楡・茜草根などの寒涼性の止血薬をくわえます。
【代表方剤】
十灰散・小葡飲子・四生丸などを主とし、三黄瀉心湯・黄連解毒湯・竜胆潟肝湯・導赤散などの清熱瀉火解毒の方剤を配合します。
虚熱陰虚の症候とともにみられる出血で、慢性的に反復する小量の出血で、色は鮮紅色で、免疫能過先進などが関連するものと考えます。
【論治】
滋陰清熱止血で、地黄・天門冬・麦門冬・亀板・阿膠などの滋陰薬に、知母・黄柏・地骨皮などの清虚熱薬を配合し、これに寒涼性の止血薬あるいは白及・繭節などの収渋止血薬を加えます。
気虚…気の固摂作用の低下による出血で、気不摂血といわれます。
【主症状】
気虚あるいは陽虚の症候とともにみられるため出血で、慢性的に持続的にあらわれる少量の出血のことがおおく、色は淡紅で突然大出血することもあります。
【論治】
補気(あるいは補陽)止血で、補気薬(補陽薬)に、伏竜肝・交葉などの温性止血薬あるいは収渋止血薬を配合します。
【代表方剤】
●補血剤…帰脾湯。
●補気剤…補中益気湯。
●止血剤…黄土湯・柏葉湯などに止血薬を配合します。

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