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気虚と陰虚の両方あるときに気陰両虚といいます。熱病による消耗や慢性疾患などで見られます。多くは陰虚の病態が先行し、ひきつづき元気が衰えて発生する、易疲労・気力や元気がないなどの気虚の症候とともに、口乾・ほてり・熱感などの陰虚の症候がみられます。

たとえば次の場合に、 気陰両虚に陥りやすいです。
●熱中症。
●スポーツで体力を激しく消耗したとき。
●炎天下のスポーツ。
●心臓機能が弱い人、心筋梗塞、心不全が心配な人。
●長引くカラ咳。
●歌や公演などでのどを消耗する。
●エコノミー症候群。

一見すると矛盾症状を呈する、臨床的にはかなりよく遭遇するので、気陰両虚の知識がないと弁証に困惑します。体内に熱感があるのに体表部の寒けを訴えたり、口乾があるのに舌が湿潤していたり、胖舌を呈するのに舌が紅であったり、熱感・ほてり・のぼせがあるのに脈が早くなかったりで、陰虚と気虚の程度によってさまざまな症状がみられます。
一般に舌は紅〜深紅であまり乾燥しないです。脈は細数で無力であり、沈であることが多いです。