中医学には、独自の診断法がありますが、そのなかにのひとつに「舌診」があります。舌は、臓腑経絡、気血津液、邪正状況を反映する客観的な診断指標です。
舌色は青く、赤みが全くないです。昔から「水牛の舌」「静脈の色」にたとえられています。
寒証 ・血瘀
次の例番号をクリックしてください。
舌色=青舌、苔色=白苔、苔状=厚苔、舌形=正常
青舌・白苔により裏寒、苔状により痰飲。
温陽化飲。
八味地黄丸、人参湯、真武湯、温経湯
舌全体が青い舌です。
これは肝腎への寒邪直撃または、陰気の衰え、あるいは、陰が沈滞することによりなります。
舌の縁が青いのは、内臓の血瘀によるものです。
元来の紅舌が青色を帯びたために紫色に見えており、滑苔を伴っている。
寒凝(かんぎょう)を表します。
舌に赤みがなく、青みがかっている場合は、からだが冷えているといえるでしょう。とくに、舌全体が濃い青色の場合は、からだの芯から冷えています。もともと冷える体質なのに、冷たいものばかり飲んだり、習慣的に寒い環境に長く滞在したりしていませんか。
この状態だと、抵抗力が落ちて感染症にかかりやすいので、かぜに注意しましょう。また、胃腸障害にも要注意です。
さらに、舌が湿っぽい場合は、からだ全体の機能の低下が心配です。免疫力が下がっていますので病気にかかりやすく、また、病気が長引きやすくなっています。
また、舌のふちなどが部分的に青くなっている場合は、血行が滞っていると考えられます。この場合、唇も青くなっていることがありますが、いかがでしょうか。血液循環が悪い状態が続くと、狭心症や不整脈、高血圧など循環器系の疾患や、脳血栓、肝機能障害や肝炎など肝臓の病気が心配です。生理痛や不妊症などの婦人科系の病気にも注意しましょう。
Tongue qualities were scientific measures because they were objective(客観).
I can feel it,you can feel it,so it's not subjective(主観).
●寒凝陽鬱 *1・寒凝血瘀
青舌は寒邪が陽気を閉塞して血脈を収引させるために現れます。舌全体が青いのは寒邪直中肝腎*2 を示します。
治療原則は散寒救逆*3 です。
舌が部分的に青い、または舌辺青・湿潤は寒凝血瘀を示します。
治療原則は散寒温経*4 ・活血化瘀です。
散寒温経は、
●当帰四逆加呉茱萸生姜湯
●温経湯
などです。
活血化瘀は、
●桃核承気湯
●桂枝茯苓丸
●通導散
●治打撲一方
●血府逐瘀湯
●冠心Ⅱ号方
などです。
舌の局部にある青紫色の斑や点を「瘀斑」「瘀点」と呼びます。
青舌は、慢性肝疾患・狭心症・不整脈・生理痛・生理不順・子宮筋腫・慢性の各種疼痛疾患・悪性腫瘍などによく現れます。
*1 寒凝陽鬱:寒邪が陽気を閉ざす状態。
*2 寒邪直中肝腎:寒邪が体表、経絡を突き抜け直接に肝腎に入る状態。
*3 散寒救逆:速やかにからだを温めて、寒邪を除き、四肢厭逆を改善すること。
*4 散寒温経:経絡を温めて、寒邪を追い払うこと。
青舌の場合に使用される漢方方剤は、次のとおりです。
朝一番に舌をチェックし、色・形・苔を評価しましょう。 ひび割れ(裂紋)や斑点があるか否かを確かめましょう。
舌の臓腑区分
病気が全身に波及している場合は、舌の全体に変化がみられます。
局部に限定している段階では、特定の臓腑区域に変化が見られます。
Tongue examination is one of unique exam method in Traditional Chinese Medicine(TCM).
It is a necessary component in clinical diagnosis.
Those famous doctor who lived in ancient society or live in modern society, are good at tongue-exam.
●料理が薬(くすり)になる膳=薬膳
●薬膳=食べる方の体質に合っている食事料理
●薬膳は中華料理とは限りません。日本の日常の食材で作れます。
●主菜には、できるだけ肉類は避け、青背魚(いわし(鰯)、さんま(秋刀魚)、あじ(鯵)等)や蟹を使用すると良いでしょう。
身体を温めて血行をよくする、にんにくなどの辛味のある薬味や野菜を食べましょう。調味料は酢がおすすめです。
身体を冷やさないよう、夏場の冷房にも気をつけましょう。ストレッチなどで、骨盤周りの血行を促しましょう。
血液そのものと、血液が運ぶ栄養素や酸素、ホルモンなどを含めた「血」の巡りが悪くなったり、汚れがたまって滞っている体質を指します。「瘀血」の原因はストレスや冷えが多く、更年期でホルモンバランスが乱れても起こりやすくなります。
また、生理や閉経、妊娠・出産は、すべて血の機能にかかわっているため、女性は瘀血になりがちなので気をつけましょう。
ストレスをためないよう、趣味や運動で発散しましょう。体を冷やす冷たいもののとり過ぎや、薄着も控えてください。身体を温めることが瘀血解消につながります。
血行不良の瘀血タイプは、冷え性で四肢が冷え、慢性疼痛に悩まされることが多いものです。そこで「温熱性」や「辛味」の食物で身体を温め、発汗、利尿、解毒を促進し、「気」「血」の流れを良くします。温熱性の食材には玉ねぎ、にら、にんにく、山椒、シナモンなど、辛味にはしょうが、ねぎ、しそなどがあります。
また身体を冷やす冷たい飲みものや食べものはやめて、飲みものには氷を入れずに、常温か温めて飲む習慣をつけましょう。
このタイプの人のなかには、血液がドロドロして流れにくくなっていることがあります。肉の脂身やバター、生クリームなどの動物性脂肪や味の濃い食べ物は、とり方によっては血管壁に動脈硬化の病巣をつくる原因にもなるので控えたいものです。血流をよくする「活血作用」のある食物を積極的に料理に使って、動脈硬化も予防しましよう。
活血作用のある食物の代表は、青背の魚です。いわし、さんま、あじ、さばなどの背が青い魚の脂には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸が多く含まれます。これらには、血液中の中性脂肪を減らし、コレステロールのバランスをととのえるなど、「血」の流れをよくするはたらきがあるのです。
玉ねぎ、らっきょう、桃も活血作用がある食物ですので、積極的に使いましょう。
●「甘味」のものは避けましょう。
●味の濃いものは避けましょう。
●肉の脂身やバター、生クリームなどの動物性脂肪は避けましょう。
●にがうり、ごぼう、たけのこ、柿、コーヒー(珈琲)は、なるべく避けましょう。
●主食には、雑穀入りのご飯にしましょう。海藻、きのこ、根菜を使用すると良いでしょう。
水分をとり過ぎないようにし、利尿作用の高いとうもろこしなどの食材を食事に取り入れましょう。
体を温める食材もおすすめです。
階段の昇り降りや自転車こぎなどの運動で、汗をかく習慣をつけましょう。
津液の代謝が悪くて、体内に水分がたまった体質です。水分の代謝には脾、肺、腎臓が関係していますが、とくに腎臓の働きが低下していると、水分が体にたまりやすくなってしまいます。また、肺と脾に異常があると、むくみや喘息などの症状も現れてきます。
脾、肺、腎の働きを正常にするために、気を巡らす作用のある食材をとりましょう。さらに利尿作用のある食材で不要な水分を体外に排出します。この体質の人は冷え症の場合が多いので、体を温めるものをとり、運動をして代謝を上げましょう。
痰湿タイプの人には、便通や排尿をよくする食物を使い、脂肪や水分の排泄を促して、体にたまった「痰湿」を取り除くことが肝心です。その役割を果たす食物が、食物繊維に富んだ玄米、麦、雑穀、海藻、きのこ、根菜です。
食物繊維は、人間の消化酵素では消化されにくい食品中成分の総称です。腸内で老廃物や水分を吸収し、便として体外に排出するはたらきがあります。また食物繊維が多い食物は、よく噛まなくては食べられない食品が多く、過度な食欲と食べすぎを抑えてくれます。肥満予防、高脂血症や動脈硬化の予防、整腸作用など、痰湿の症状を予防しととのえるのにぴったりのはたらきをしてくれるのです。
逆に、気になるコレステロールを増やす食物は、肉、脂っぽい食物、甘い食物です。痰湿タイプの人はなるべく控えましょう。
中医学では、のどが渇いて水が飲みたくなったときに飲めば十分に必要量を摂取できるとされていますが、最近は水のペットボトルを携帯して暇さえあれば水を飲む人がいます。しかし痰湿ならそれはタブーです。飲みすぎる傾向が強い痰湿は、逆に抑えぎみの飲水が適量でしょう。
また水分や糖分を多量に含む果物も、とりすぎると、むくみの原因になります。一日に1個ぐらいにしましょう。
おすすめの食性・食味は、「平温涼性」と「甘味」「辛味」「鹸味」です。身体に熱がこもる熱タイプの痰湿は、冬瓜(とうがん)、緑豆、緑豆春雨などの涼性の食材で熱を冷ましましょう。
●肉類、たまご(鶏卵)の黄身、魚卵、脂っぽいもの、甘いもの(ケーキ類 etc.)、味の濃いものは避けましょう。
●炭酸飲料、水分(とくに冷たい飲みもの)、酒類は控えめにしましょう。
●チョコレート、生クリームは控えめにしましょう。
●気になる不調を自分で手軽にケアする方法として、おすすめなのが『ツボ』(経穴)です。
数千年の歴史を持つ中医学(東洋医学)の治療法です。
WHO(世界保健機関)の主導でツボの名称統一を行うなど、最近は世界的にも関心が高まっている治療法です。
「お茶で一服する」「トイレに立つ」といったタイミングでツボを押すことを、ぜひ習慣化しましよう。その場で不調を解消できるだけでなく、病気への抵抗力や免疫力を日々、高めていくことが可能です。
血を巡らせる作用があり、循環器系の症状にも用いられます。
血液そのものと、血液が運ぶ栄養素や酸素、ホルモンなどを含めた「血」の巡りが悪くなったり、汚れがたまって滞っている体質を指します。「瘀血」の原因はストレスや冷えが多く、更年期でホルモンバランスが乱れても起こりやすくなります。
また、生理や閉経、妊娠・出産は、すべて血の機能にかかわっているため、女性は瘀血になりがちなので気をつけましょう。
ストレスをためないよう、趣味や運動で発散しましょう。体を冷やす冷たいもののとり過ぎや、薄着も控えてください。身体を温めることが瘀血解消につながります。
水分代謝を高めて、むくみを取る働きがあります。
津液の代謝が悪くて、体内に水分がたまった体質です。水分の代謝には脾、肺、腎臓が関係していますが、とくに腎臓の働きが低下していると、水分が身体にたまりやすくなってしまいます。また、肺と脾に異常があると、むくみや喘息などの症状も現れてきます。
脾、肺、腎の働きを正常にするために、気を巡らす作用のある食材をとりましょう。さらに利尿作用のある食材で不要な水分を体外に排出します。この体質の人は冷え症の場合が多いので、体を温めるものをとり、運動をして代謝を上げましょう。
●世界の伝統医学の中でも、最も理論体系が整い、豊富な治療手段を備え、長い経験の蓄積があり、実用性の高いのが中医学(東洋医学)です。
この医学は病気の治療ばかりでなく、養生思想も内容が豊かで、病気の予防や健康増進にも活用できます。
その大きな特徴は、一人一人に合わせたやさしい眼差しで、各個人の体質を見極め、体質や体調に合った養生や生活改善を提案することです。
血行をよくするための生活改善を始めましょう。まず、適度な運動やストレッチを毎日の習慣にしてください。
次に、同じ姿勢を長時間とり続けない工夫をします。たとえばパソコンなら、1時間向かったら2分の休みを入れ、軽く体操して目も休めるようにしましょう。
そして一日の終わりには、シャワーではなく、温かい湯舟にゆっくりとつかって体を温めます。ときには温泉旅行に出かけ、広い湯舟でリラックスしましょう。
漢方では「血」は「気」のエネルギーが動かしていると考えるので、ストレスによって気のめぐりが悪くなると、血も滞ります。苦手な人には近よらないなど、できるだけストレスを回避するよう気をつけましょう。
また、冷えると水が氷になるように、血も冷えると動かなくなります。冷房が効いた部屋で長時間座りっぱなしでいると、骨盤の血液循環が悪くなり、生理痛などが悪化します。
1~2時間に一度は立って、動いたり軽く歩いたりする事が大切です。
食べすぎや運動不足の傾向があり、太りぎみの人は、痰と呼ばれる余分なものが体内にたまって、体内の気と血の巡りが悪くなっています。
痰とは、西洋医学でいう過剰なコレステロールや中性脂肪のようなものです。体がだるいからと動かないでいると、疲労感が増して動きたくなくなる、という悪循環におちいります。
だるくても、がんばって体を動かしましょう。腹八分目を心がけ、肥満を解消することで、元気に活動できるようになります。
このタイプは、湿度の高い梅雨時や夏、低気圧が近づいてきたときなどに体調を崩しやすい傾向があります。体が重い、肩がこる、などの症状を予防するためには、湿気の多い時期や台風の季節には、特に食事に気をつけ、腹八分目を心がけることが大切です。
また、水分のとりすぎはそれだけで体調を崩す原因になるので、しょっぱいものは控えて、のどの渇きを予防するようにしましょう。
津液の代謝が悪くて、体内に水分がたまった体質です。水分の代謝には脾、肺、腎臓が関係していますが、とくに腎臓の働きが低下していると、水分が身体にたまりやすくなってしまいます。また、肺と脾に異常があると、むくみや喘息などの症状も現れてきます。
脾、肺、腎の働きを正常にするために、気を巡らす作用のある食材をとりましょう。さらに利尿作用のある食材で不要な水分を体外に排出します。この体質の人は冷え症の場合が多いので、体を温めるものをとり、運動をして代謝を上げましょう。
発汗は、身体に溜まったよぶんな水分や老廃物を出す有効な手段です。
できれば、じわりと汗をかくようなスポーツがよいのですが、時間がない場合には、エスカレーターはやめて階段を使う、夕食の後に散歩をする、家でも簡単にできるダンベル体操を続けるなど、毎日の空き時間を利用した運動をしましょう。
そして、夜はゆっくりお風呂につかり、たっぷりと汗をかくようにしましょう。